日本が開発を進めると報じられていた南鳥島沖の海洋資源開発の話だが、どうやら支那の方が動きが早いらしい。
中国が南鳥島沖でレアメタル大規模採鉱を計画 来年8月ごろ実施、資源確保を加速
2024/12/3 00:15
中国の国有企業「北京先駆高技術開発有限責任公司」が、東京・小笠原諸島の南鳥島沖の公海にある水深5000メートル超の深海底でレアメタル(希少金属)を含む球状の岩石「マンガンノジュール(マンガン団塊)」を大規模採鉱する試験を来年8月ごろ実施する計画であることが2日までに明らかになった。深海底の鉱物資源管理を目的とする国際機関の国際海底機構(事務局ジャマイカ)がホームページで公開した計画内容や専門家への取材で分かった。
産経新聞より
負けてどうすんの。全部持ってかれちゃうよ?
海洋資源開発は難しい
既に広く知られた話
関連ニュースが報じられたのは今年の6月の話だ。
レアメタル豊富なマンガン団塊、南鳥島の近海に…コバルト75年分やニッケル11年分
2024/06/21 05:00
日本の排他的経済水域(EEZ)内の小笠原諸島・南鳥島(東京都)沖にある深海の鉱床に、レアメタル(希少金属)を豊富に含むマンガン団塊が2億トン以上密集していることが、東京大学や日本財団などの探査で判明した。世界的に供給不足が心配されるコバルトは国内消費量の約75年分、ニッケルは約11年分と推計された。日本財団などは2026年にもマンガン団塊の大規模な採取を始め、商業化に乗り出す方針だ。
讀賣新聞より
この辺りにレアメタルがある事は数年前から分かっていたが、キッチリ調査した結果、結構な量があるという風に報じられたのが今年6月。
既に東京大学は支那人の学生がわんさか通っているし、教授の中にも親支那派が多数いることで知られているため、情報が報道機関から出る前から支那にも情報が伝わっていたことは間違いないと思う。
国際海底機構によると、北京先駆は2019年に南鳥島周辺の日本のEEZの外側にある公海に探査鉱区を取得した。今年前半に採鉱試験の計画を同機構に申請し、環境影響評価などについて報告した。
産経新聞「中国が南鳥島沖でレアメタル大規模採鉱を計画」より
まあ、国際会議でも頻回に発表していたし、支那や韓国がその情報に興味を示していたという話も知られた話。僕が知ったのは青山繁晴氏のYoutubeだったんだけど、それも数年前の話。その後、実際に国際会議の報告を見てもかなり詳細な発表がされていたのを確認したので、「そりゃ狙われるよ」とは思う。
開発には距離がネック
だから、「日本が先んじて開発をしなければ!」という話にはなるんだけど、遠いんだよね。

東京から南鳥島まで1860km。
現在、海上自衛隊及び気象庁の施設が設けられ、職員23名(平成22年4月現在)が在住し、業務に従事しているが、絶海の孤島である。

先ずはこの島の開発をやらないことには、ねぇ。
海底にはこのレベルでマンガンノジュール(マンガン岩塊)が広がっている。
マンガンノジュールは海水に含まれる微量の金属が数百万年から千数百万年もの長い時間をかけて沈殿して生じた球状の物体で、コバルトやニッケルなどの資源価値が高い金属が含まれている。

切断するとこんな感じになるので、引き上げさえ出来れば利用価値がかなり高いことは分かっている。
共同研究グループによると、見つかった密集域は、南鳥島周辺の排他的経済水域(EEZ)の南部から東部にかけての水深5,500~5,800メートルの深海域。総面積は推計約4万4千平方キロメートルにも及ぶ。
Tech+より
ただ、水深5,500~5,800mの海底に広がっていることもあって、引き上げには多大なコストがかかるんだよね。南鳥島に基地を作って引き上げを行うにしても、採算が採れるのかは怪しい。
一部を引き上げて分析を行ったところ、鉄やマンガンを主成分として、電気自動車の蓄電池などに利用されるコバルトやニッケルが速報値として平均で0.4%前後含まれていることを確かめたということです。
~~略~~
研究チームによりますと、マンガンノジュールを引き上げて採算が取れるようになるためには、一日当たり2500トンという実証試験の規模はまだ十分ではなく、さらに4倍ほど規模を大きくする必要があるといいます。
それに加えて、海底からマンガンノジュールを引き上げたあと、コバルトやニッケルを製錬して低コストで効率的に取り出すことも、実用化に向けた課題の1つとなっています。
NHKニュースより
こうした課題があるので、日本は開発が低調なんだよね。
支那は積極的に開発をしている
一方で、支那は既に実績があるっぽい。
採鉱試験を実施するのは、日本の排他的経済水域(EEZ)に近い南鳥島沖で権利を持つ中国国有企業「北京先駆技術開発公司」で、同社がISAに提出した計画書によると、来年8月頃、同島南方約600キロ・メートルの独占探査海域で20日間行う。
母船から専用装置をつり下げ、約25万平方メートルの海底に転がるマンガン団塊を吸引。引き揚げずに海底で最大7500トンを集める。採鉱が生態系に与える影響も調べる。
一方、別の国有企業「中国五鉱集団公司」の計画では、米ハワイ沖の公海で7~10月、マンガン団塊約1300トンを海底で集め、そのうち数トンを引き揚げる。
讀賣新聞より
金があって何よりだね。

どの程度の計画実現性があるのかは知らないが、かなり本格的に動き始めているのは事実のようだ。
東京大学の加藤泰浩教授(地球資源学)は「今回の大規模試験に成功すれば、中国の採鉱技術は世界トップレベルになる。中国に供給網を支配されないよう、日本はEEZ内に資源を持つ優位性を生かして開発を急ぐべきだ」と訴える。
讀賣新聞より
金のかけ方は、流石経済大国といった感じなのだけれど、支那は採算が採れるかどうかは長期的なビジョンで見ており、国際的な地位を獲得できればOKというような部分はある。
[サイエンス Report]中国、南鳥島周辺の海底調査強化…レアメタルの論文数7倍に 「莫大な量の資源存在」
2024/11/30 05:00
小笠原諸島・南鳥島(東京都)周辺の北西太平洋の公海で、中国がレアメタル(希少金属)を含む鉱物の調査を強化している。この海域で海底資源を調査し、国際学術誌に掲載された中国の研究論文が2020~24年に急増し、前の5年間(15~19年)の7倍超に増えたことが、東京大と読売新聞の共同分析で明らかになった。専門家は「将来の資源開発を視野に入れ、南鳥島周辺で調査を進めている」とみる。
讀賣新聞より
積極的にやっている様子は、色々な側面で見られる。
沖ノ鳥島の開発もやっている日本だが、南鳥島の開発も進めてその深海の調査ももっと進めるべきなんだけど……。支那にその速度で勝るのは難しい。
でも、「仕方がない」で諦めるには勿体ない話なので、負けるにしても諦めずに環境整備を加速すべきなんじゃないかな。技術開発をやるのは無駄にならないよ。
コメント
他ブログで湖南省の地方政府が、1000トンの金鉱脈40本を発見したと発表と読みました。まぁ地質学的にフェイクニュースてせうね。ようは不動産バブル崩壊後を主に、不採算の企業が習氏一族から、軒並みに政府要人の一族が利権持ってるので、合理的に整理精算できないのだろうと。
それが中国経済がボロボロにになっている理由じゃろうと!
なので、嘘の金鉱脈とか持ち出さないと金を回せない状況と同じで、この手の話も日本への揺さぶりと、集金の為のブラフかも。切り抜けないですが、深海の海底開発は、宇宙開発より金と手間がかかるもので、とても今の中国が本当に手出し出来るとも思えんのですよ。
ありましたねぇ、金鉱床を発見したっていうニュースが。
https://www.sankei.com/article/20241121-S4NMO62H7BNZZJWZDT53B2BMIU/
新華社通信ソースなので、全く信用は出来ません。
が、万が一これが本当だった場合は、それはそれでかなり大変なことになりそうです。近採掘を巡って殺し合いに発展しそうな予感。
そこまで支那経済は疲弊していますから、形振り構わず行動する人が出てくるのでは。
マンガンノジュールの話は、そういう意味で喉から手が出るほど欲しいものだと思います。
ただ、それを採掘して本国に運んで精製するで、本当に利益が出るのかはいまいちわからないんですよね。