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パキスタンに続きエジプトも支那製戦闘機J-10Cを採用

アフリカニュース
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このニュース、若干疑っていたんだけど本当っぽいね。

Egypt to Replace US F-16s With China’s J-10C Fighter Jets: Report

September 10, 2024

Egypt has reportedly placed an order for China’s Chengdu J-10C “Vigorous Dragon” fighter jets.

The combat aircraft were flown at the Egypt International Air Show held from September 3 to 5 at El Alamein International Airport.

~~対訳~~

エジプトは米国製F-16を中国製J-10C戦闘機に置き換える: レポート

エジプトは、中国の成都J-10C戦闘機 「威龍」を発注した。

この戦闘機は、9月3日から5日までエル・アラメイン国際空港で開催されたエジプト国際航空ショーで飛行された。

The Defense Postより

J-10戦闘機は、F-16戦闘機相当の能力だと言われているのだけれど、海外に売り出したってことは完成はしているってことだよね。

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アフリカ諸国にも支那製武器が浸透

性能は明らかではない

長らく、その性能を明らかにされていなかった支那製戦闘機のJ-10Cだが、報道によると「出来の良い戦闘機」と言うことらしい。

F-16戦闘機と同じようにブレンデッドウィングボディ形式を採用していることが写真を見ても分かる。

実際にF-16戦闘機をベンチマークして製造されたと言われていて、エンジン性能に問題があったようだが、それも解消したとされている。

当初はロシア製AL-31FN(Su-27搭載のエンジン)を搭載していたが、自国で開発したWS-10エンジンに換装して、高い性能を示しているという噂である。なお、その技術はウクライナから流れたらしいけれどね。

とはいえ、西側にはその性能について明らかにされていない。

一方、J-10Cは、PL-10短距離ミサイルとPL-15視界外距離ミサイル、高い機動性、先進的な航空電子機器を備え、空対空戦闘や攻撃任務において現代の脅威に対抗できる装備を備えている。

The Defense Postより

電子装備も一新されて、4.5世代戦闘機として、F-15EXやF-16Vよりも高い性能を有していると主張されており、演習でタイフーンに勝利したとかそういう噂はあるのだけれども。

エジプト空軍は戦闘機をアップデート

ただし、エジプト空軍にとってはF-16戦闘機を、例えばF-16V戦闘機に更新するよりは現実的な選択肢だったらしい。

エジプト空軍が1980年代に受領した米国製F-16モデルは、同国の人権侵害や地域紛争に対する米国の懸念による制限のため、機能が限られており、機体には時代遅れの航空電子機器とAIM-7Pスパローミサイルが装備されている。

The Defense Postより

アメリカはエジプト空軍の戦闘機更新に難色を示していて、実際に過去に戦闘機を輸出した際にもダウングレード版を売りつけていた。

1982年5月、エジプト空軍は初のF-16ファイティング・ファルコンの機体を取得し、アフリカで第4世代戦闘機を配備した最初の国となり、米国製ジェット機の世界初の顧客の一つとなった。F-16は過去40年間にわたりエジプトの航空機隊の主力となり、現在エジプトの16飛行隊のうち9飛行隊を構成し、207機が運用されており、1982年から2013年の政権交代までの間に調達されたほぼすべての戦闘機を占めている。

~~略~~

エジプトのF-16は数は多いものの、ダウングレードされた航空電子機器だけでなく、スタンドオフ空対地兵器や対艦兵器が販売されていないため、現在、世界で最も能力の低い機体の一つとみなされている。空対空兵器も同様に貧弱で、視界外射程能力を持つAIM-7ミサイルは限られた数しかなく、これらの1980年代のミサイルは、今日の近代的な空軍に対して事実上完全に時代遅れとなっている。

Military Watch Magazineより

だからこそ近代的な戦闘機を手に入れる上では、アメリカ製の戦闘機という選択肢はなかったんだろうね。

報道によると、エジプトは西側諸国、特に米国への依存を減らすため、軍事供給国の多様化を進めている。2022年にパキスタンがJ-10C戦闘機を購入するのに続き、エジプトは2番目の海外顧客となる。

The Defense Postより

そんなわけで、パキスタンに続いて2カ国目のJ-10C採用国となったのはエジプトということになったらしい。

決め手はF-16よりも高い制空戦闘能力

なお、エジプト空軍がJ-10C戦闘機を選んだ理由は、高い制空戦闘能力にあったとされている。

「中国製戦闘機」アフリカで初の顧客か!? 米露の戦闘機を断り購入した決め手とは?

2024.09.12

エジプトが中国製の戦闘機であるJ-10Cの購入を選択したと2024年9月7日、エジプトメディアが報じました。

同国国内メディアの報道によると、2024年8月19日にJ-10Cの購入契約が結ばれたとのことです。なお、国防省からの正式発表はまだ行われていません。

これまでエジプトは老朽化したF-16を更新するために、アメリカからF-16Vへのアップグレードプログラムが、ロシアからSu-35が提案されたといわれていましたが、これらの申し出をエジプト政府は断ったと報じられていました。

乗り物ニュースより

今回の戦闘機選定にあたって、エジプトに対してアメリカからF-16戦闘機をF-16Vにアップデートしないか?という申し出はあったようだ。

だが、前回、ダウングレード版を売りつけられているため、エジプトにとってアメリカは「信頼できない国」扱いだったのだろう。また、F-16をF-16Vにアップグレードって、技術的には中身をソックリ交換する必要があって、そこそこコストがかかる。

更に、制空能力はJ-10C戦闘機の方が上だと判断されたようだ。この言葉の意味は正確には分かりかねるが、恐らくはF-16戦闘機の強みはリンク16などの戦術データリンクを活用して作戦が行えるというところで、エジプト空軍はその面の資産がないために、単体で考えるとJ-10C戦闘機の方が優れているという判断なんだろうと思う。

安価な戦闘機

パキスタンは他に選択肢がなかったと思うが、エジプトがこの選択をしたことで、他の中東やアフリカ諸国も獲得に動き出している噂である。イランやアゼルバイジャン、コンゴなども購入に動き出しているとか。

中国のJ-10C戦闘機、主な買い手はイランとエジプトか―米メディア

2019年12月12日(木) 10時30分

2019年12月10日、海外網は、中国のJ-10C戦闘機について、主な買い手がイランやエジプトになる見込みだとする、米メディアの報道を伝えた。

~~略~~

また、イラン以外にも、大規模な空軍近代化計画を進めているエジプトが主な買い手になる可能性があるとし、現在大量に配備されているJ-7やミグ-21の老朽化に代わる機種としてJ-10Cを購入することが考えられるとした。

記事はさらに、J-10Cの潜在的な購入国としてタイ、バングラデシュ、ベネズエラを挙げたほか、ミャンマー、パキスタン、北朝鮮、スリランカ、タンザニア、ナイジェリア、ナミビア、ジンバブエといったJ-7保有国がJ-10Cに興味を示す可能性があると予測している。

レコードチャイナより

何より価格が安いのが魅力なんだよね。

価格は仏ラファールの4分の1なのに売れません…親中国家にもそっぽを向かれる中国戦闘機「殲10C」

記事入力 : 2024/09/23 11:13

欧州の代表的な親中国家であるセルビアが、古くなったMiG29を代替する戦闘機としてフランスのラファールを選び、中国は腹が煮え返っている雰囲気です。これまで中国は自国製のJ10C(殲10C)輸出のため力を入れてきましたが、信用していた相手に裏切られたのです。ソーシャルメディアには「性能も対等で価格は4分の1という安さなのに、どうして鉄盟だという国がラファールを選ぶのか」という書き込みまでありました。

~~略~~

J10Cは、初期モデルを改良して18年に登場したタイプで、アクティブ・フェーズド・アレイ・レーダーなど最新の電子装備を搭載したといいます。ただし、F16・ラファールなど競合機種より武装搭載量は少なく、実戦経験がないというのが弱点です。1機当りの価格は6000万ドル(約86億円)ほどで、ラファールよりはるかに安値です。

朝鮮日報より

朝鮮日報は「売れない戦闘機」だと馬鹿にしているが、噂によるとエジプトは1機あたり40~50億円程度で購入したとか。

制空性能がF-16戦闘機より高かったかどうかは不明だが、価格が決めてであったことは間違いあるまい。「戦いは数」というのは、現代においても真理だからね。少子化が進んでいる先進国ではそうも言っていられないけれども。

そして、支那製の兵器がエジプトに販売されると言うことは、中東情勢やアフリカ情勢にも大きな影響が出てくるのだと思うので、この辺りも今後は注視していかねばならない。

コメント

  1. 匿名 より:

    エジプトには日本も潜水艦売るんじゃなかったっけ? 確か現地生産で。現地意向でバッテリー ちうごく製とかされると、複雑

    • 木霊 木霊 より:

      ありましたね、そんな話。
      カナダの話が流れたので、てっきりエジプトの方も流れていたかと思ったら、こっちはまだしっかり生きている様子。
      ただ、機密の塊ですから果たして売るのが正解なのかどうか。

  2. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    J-10は、イスラエルのラビが原型とまことしやかに言われてましたが……
    カナード付きデルタで、見てくれはなかなか好きなんですよ。
    そういや、FS-Xもこんな感じでしたね。
    インテークがダイバータレスになってからは、なんか、ボテッとしてかっこ悪くなったなと。

    そもそも、F-16に対して後出しじゃんけんなんだから、性能で上回らなけりゃ嘘ですよね。

    戦闘機は、単体の運動性とかもそりゃ重要ですが、今のご時世、ステルス性もそうですが、より大きなシステムとリンクして動ける性能と、そのためのシステムが構築されてないと……という点で、これだけ買ってもどうなんだろ?とは思います。
    F-35がその最たるもので、アレをちゃんと運用するには、米軍準規のバックアップシステム&リンクが無いと価値が生きない。
    中華兵器買う国は、そこら辺どうなんでしょうね?
    言葉悪いけど、第二線のシステムと兵站で戦う前提なのでしょうかね?

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      格好はなかなか良いですよね、J-10は。
      性能はさっぱり分かりませんし、支那製のエンジンの耐久性がどこまで信頼できるかは不明ですが、選択肢としてはアリなんでしょう。そして、単体運用するのであればF-16と比肩しうる性能であっても不思議はありません。
      J-10もデータリンクとか色々力入れているみたいですから、数を揃えたほうが強いと思います。

  3. 砂漠の男 より:

    >噂によるとエジプトは1機あたり40~50億円程度で購入したとか
    これ以外にエジプトの購入意欲をくすぐる理由がありませんね。世の中に「安い、貰う、
    タダ」に勝るマジックワードは有りません。

    エジプトはいま、スエズ運河の航通量が激減して、わりと深刻な財政危機にあります。
    通年なら、年間94~96億ドルの通航料収入がありますが、いまはその1,2割程度とか。
    エジプトはカネに困っているわけですから、そこそこの性能があって、破格値で買えるなら、
    支那製であろうと買うでしょう。
    確かエジプトはBRICSグループに属していましたから、この1機40~50億円という価格は、
    “お友達価格”なんでしょうね。

    • 木霊 木霊 より:

      価格は大きかったと思いますよ。
      性能評価はF-16超えってな話ですし、数を揃えるつもりだったら間違いなくJ-10Cの方が良いのでしょう。