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兵庫知事選挙で斉藤氏が再選を果たす

報道
この記事は約19分で読めます。

ええと、やっぱり取り扱っておくべきかなぁ。

兵庫知事に斎藤氏、不信任覆し異例の逆転 「前に進める」

2024年11月17日 23:16 (2024年11月18日 1:49更新)

17日投開票の兵庫県知事選は、前知事の斎藤元彦氏(47)が激戦を制した。自身を巡る内部告発問題に端を発し、不信任決議を突き付けられて始まった選挙戦。異例の展開をたどった末、民意は改めて同氏に県政のかじ取りを負託した。

日本経済新聞より

日曜日にあった兵庫知事選挙なんだけれども、まあ、酷い選挙ではあったよね。メディア・スクラムによる特定候補者の押し上げが敵わず、というのが今回の結果であったように思う。

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既得権益との戦い

再選を目指す候補と当選を目指さない候補

10月31日に告示が行われた兵庫知事選挙の候補者は7人。

兵庫県知事選挙 告示 過去最多の7人立候補 投票日は11月17日

2024年10月31日 17時29分

知事の失職に伴う兵庫県知事選挙が10月31日に告示され、過去最多となる7人が立候補し、17日間の選挙戦に入りました。

兵庫県知事選挙に立候補したのは、届け出順にいずれも無所属で、

▽前参議院議員の清水貴之氏(50) ▽前兵庫県尼崎市長の稲村和美氏(52) ▽前知事の斎藤元彦氏(47) ▽共産党が推薦する医師の大澤芳清氏(61) ▽レコード会社社長の福本繁幸氏(58) ▽政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏(57) ▽ニュース分析会社社長の木島洋嗣氏(49) 以上の7人です。

NHKニュースより

やる気が無い候補も何人かいるのだが、面白いのは立花孝志氏である。

完全に当選する気のない立花氏だが、日本の選挙システムの穴を突くのが彼の真骨頂である。都知事選などを考えても、ソレが良いことだとは言い難いのだけれど、今回はおそらくプラスに働いたと思われる。

兵庫県知事選で前知事への支持拡大をアシスト…立花孝志候補「当選目指さない」は公選法でアリなのか?

11/16(土) 11:22配信

兵庫県知事選は17日、投開票を迎える。斎藤県政の継続か否か。県民の判断が揺れる中、県内29市長でつくる市長会の有志22人が、前尼崎市長の稲村和美候補(52)の支持を表明。出直しを狙う斎藤元彦前知事(47)の猛追に危機感が広がっていることをうかがわせる。

斎藤候補に追い風を吹かせているのは、無所属で立つ「NHKから国民を守る党」の立花孝志氏(57)だ。「社会正義を通すため」の立候補で、当選は目指さないと公言。斎藤失職の要因となったパワハラ問題をめぐり、「デマだ」と擁護するなど、斎藤支持拡大をアシストしている。  

Yahooニュースより

メディアの記事によっては「パワハラ疑惑知事当選」というようなタイトルを使っているところもあるのだが、とにかく前知事で今回当選した斉藤氏への報道被害が酷かった。

パワハラ疑惑があったのは確かだが、現在のところその証拠らしきものは出ていない。斉藤氏の怒鳴り声のテープというモノは存在するのだが、その背後関係はハッキリしておらず、仕事のミスに対する叱責であった可能性も指摘されている。まあ、ソレも良いことでは無いのだが。

ともあれ、報道されたおかしな内容について疑問を呈することが立花氏の立候補理由だったらしく、当選は目指さずに、とにかく事実の言及に時間を割いたようだ。

市長会有志22人の支援表明は違法?

そしてこの選挙、斉藤氏と既得権益者という構図になった。

興味深かったのが、市長会の有志が出しゃばってきたことである。

兵庫県知事選 市長会の有志22首長、稲村和美氏への支持表明

2024/11/14 21:04(最終更新 11/14 21:04)

斎藤元彦・前兵庫県知事(47)の失職に伴う知事選(17日投開票)を巡り、同県市長会の有志は14日、無所属で立候補している前尼崎市長の稲村和美氏(52)を支持する意向を表明した。県内29市のうち22の市長が賛同しているという。投開票の3日前に大半の現職市長が特定の立候補者の支持を表明する事態となった。

~~略~~

支持を明らかにしたのは、姫路▽尼崎▽西宮▽洲本▽伊丹▽相生▽加古川▽たつの▽赤穂▽宝塚▽三木▽高砂▽川西▽小野▽加西▽丹波篠山▽丹波▽南あわじ▽朝来▽淡路▽宍粟▽加東――の22市長。残り7市長は中立の立場を維持するなどの理由で加わっていないという。

毎日新聞より

この「市長会の有志21人」+1人という特定候補者支持表明というのは、選挙的にはどうなんだろう?実は、この行為はどうやら公職選挙法に抵触する可能性がある模様。

久元神戸市長「特定の方を応援するという心象できず」 稲村氏支持に不参加

2024/11/15 14:44

神戸市の久元喜造市長は14日の定例記者会見で、17日に投開票する兵庫知事選について、県内市長有志で元尼崎市長の稲村和美氏を支持する意見表明に参加しなかった理由は「私自身は立候補されている方の中で、特定の方を応援するという心象を形成することができていないので、参加しなかった」と述べた。県内22市長が支持表明したことについては「それぞれの市長のご判断」との認識を示した。

~~略~~

市長22人が選挙期間中に稲村氏支持を表明したことを巡っては、公職選挙法で禁じられた「公務員による地位を利用した選挙活動」に当たる可能性があるとの指摘も一部で出ている。

神戸経済ニュースより

まー、酷い。

恐らくは有志の方々は、要職にある方々なので公職選挙法に反する可能性があるということは、ある程度理解されていることだろう。

(公務員等の地位利用による選挙運動の禁止)

第百三十六条の二 次の各号のいずれかに該当する者は、その地位を利用して選挙運動をすることができない。
一 国若しくは地方公共団体の公務員又は行政執行法人若しくは特定地方独立行政法人の役員若しくは職員
二 沖縄振興開発金融公庫の役員又は職員(以下「公庫の役職員」という。)

e-Gov「公職選挙法」より

序でに言うならば、おそらくこれで検挙されることは無い。そこまで理解していてやらかしたというのが、何とも酷い。

更に言えば、マスコミで拡散された斉藤氏に対する誤解に乗っかる形での支持表明である。

つまり、この知事会は自分たちの既得権を守る候補、稲村氏に当選して欲しかったという意味で、逆に言えば、斉藤氏に当選されるのは都合が悪かったと言うことなのだろう。

SNSを駆使したから勝利したわけではない

で、今回、斉藤氏は再選を果たしたのだが、この事実がサヨクの方々にとってはかなり衝撃的であったようだ。

何やら、パヨクな方々の中では「SNSを駆使して嘘情報を拡散した斉藤氏が勝利できた」みたいなストーリーが出来上がっているようだが、有権者を馬鹿にしすぎである。そんなんだから、選挙に勝てないのだ。

兵庫知事選で斎藤氏は111万票を獲得、次点と13万7千票差 投票率は55・65%

2024/11/18 09:35

兵庫県選挙管理委員会によると、17日に投開票された兵庫県知事選で再選を果たした無所属前職の斎藤元彦氏(47)は111万3911票を獲得し、無所属新人6人を退けた。投票率は55・65%で、前回令和3年の投票率41・10%を14・55ポイント上回った。

産経新聞より

投票率が高まった理由は、今回の選挙に関心を持った人が多かったことを意味している。

Yahooニュースより

人数比のデータは今のところ見当たらないのでこの出口調査結果がどこまで参考になるのかは不明だが、若年層に斉藤氏の支持が高かったことは見て取れる。

この傾向から考えると、若年層の投票率が高くなったからこそ今回の結果に結びついたと言えよう。それがSNSの影響があったことは事実なんだろうと思うけれど、SNSを利用したからと言って、利用者の心に響く言葉が伝わらなければ意味がない

清水氏は「県民の関心が非常に高いと街を回っていて感じた」と説明。斎藤氏が交流サイト(SNS)を巧みに活用して支持を広げた選挙戦を振り返り、「SNSの世界は、何が本当で何が嘘かをつかみにくい。ある意味、判断材料が読み取りにくいと思った。時代の流れだが、私自身もSNSを駆使した選挙戦に対応できていなかった」と話した。

産経新聞より

負けた清水氏はこんな敗戦の弁を述べているが、もし清水氏がSNSを駆使できていたら勝てたとは思えない。

事実は、斉藤氏の語る事実がメディアで報じられなかったため、SNSを駆使するしかなかったというのが実情である。そこで語った事実に真実相当性があると多くの有権者の共鳴が得られたからこそ、今回の勝利に繋がったのである。そういう意味では、事実を取り扱わなかったメディアの敗北と言えよう。

やはり事実が大切なのである。

既得権益者は何を守りたかったか

選挙に勝利した斉藤氏、前県政時代に何をやったかと言えば「改革」である。

兵庫知事選で斎藤元彦氏が再選…「改革の継続」訴え、演説動画SNS投稿し終盤に支持拡大

2024/11/18 00:40

斎藤元彦・前知事(47)の失職に伴う兵庫県知事選は17日投開票され、斎藤氏が、前同県尼崎市長の稲村和美氏(52)ら新人6人を破り、再選を果たした。パワハラなどの疑惑を内部告発された問題で県議会から全会一致で不信任決議を受けた斎藤氏は、選挙戦で「改革の継続」を訴え、SNSを通じて支持を広げた。

~~略~~

問題を巡っては、前県西播磨県民局長の男性職員(7月に死亡)が3月、斎藤氏の疑惑を指摘した告発文書を匿名で報道機関などに送付。県は公益通報として扱わず、男性職員が告発者と特定した上で県民局長から解任し、5月に停職3か月の懲戒処分とした。

讀賣新聞より

前知事の時代には、前県西播磨県民局長の男性職員が自殺してしまった件で斉藤氏の責任問題を問われていたが、完全に濡れ衣だった。

この名前の明かされていない男性職員は、渡瀬康英という名前の人物であるようだ。

どうにも報道的に不適切な話があるらしく、名前の開示に慎重になったということのようなのだが……、既に名前は出ているんだよね。

前県民局長 停職3か月

2024/05/08 05:00

斎藤知事らに対する「告発文」を作成したとして西播磨県民局長だった渡瀬康英氏(60)(総務部付)が解任された問題で、県は7日、知事のパワハラ行為などの告発内容を「核心的な部分が事実でない」と否定する調査結果を公表した。「告発文」は 誹謗ひぼう 中傷に当たるとして渡瀬氏を停職3か月の懲戒処分とした。また、企業から贈られたコーヒーメーカーの返却を怠ったとして原田剛治・産業労働部長を訓告とした。

讀賣新聞より

この人物、どうやら10年来複数人の女性との不倫を行っていたようで、その証拠が仕事に使っていたPCの中にあったらしい。百条委員会でその中身が開示されてしまったことで、自殺に及んでしまったということのようだが……。噂によると不同意性交まで行っていたようで、確証は採れないのだが犯罪に手を染めていた可能性がある。

そして、公益通報の体を採ってはいるモノのその中身は愚にも付かない噂話だったらしい(具体的には3月に怪文書をバラ撒いた後、4月にもう一度、公益通報制度を使って告発したが、その内容もかなり酷いモノだったようだ)。そして、公益通報制度を活用したのではなく、実際には報道機関にぶちまけたという格好だったのである。

【特集】兵庫県の主張を覆す文書が存在 元西播磨県民局長の男性「認めていない」 懲戒処分は公益通報者保護法違反か - サンテレビニュース
元西播磨県民局長の男性が作成した文書を巡る問題について、告発した男性を公益通報の保護対象とせず、懲戒処分した

そして、百条委員会の開催前にはこんな記事を書いた方もいたのだが……。

兵庫県パワハラ知事に「死をもって」抗議した、渡瀬康英・西播磨県民局長 実は3人目の死者まで出ていた、想像を絶する組織と隠蔽工作 | JBpress (ジェイビープレス)
7月15日、「斎藤元彦兵庫県知事の違法行為等について」(令和6年3月12日現在)と題された文書を公開し、県から一方的に「嘘八百」「事実無根」「誹謗中傷」に当たるとされ、定年直前に解(1/5)

この話の殆どが事実無根であったことが後に発覚している。

彼は、西播磨県民局長の立場を利用して随分と色々な権益と結びついていた可能性が指摘されている。その辺りも明らかにはならないのだろうが……。

【追及スクープ第2弾】齋藤元彦・前兵庫県知事を潰した「既得権益の逆襲」と「パワハラ・おねだり告発文書」の深層とは…齋藤氏辞職までの「全内幕」(週刊現代) @gendai_biz
兵庫県庁の職員の間で「反齋藤」の気運が高まった背景には、齋藤氏が「兵庫県庁舎の建て直し中止」を表明したことがあった。齋藤氏は建て直し中止で「1000億円の予算削減」を行い、前述の「井戸県政の隠れ負債」返済に充てることを狙った。

こちらの記事は現代ビジネスのものなので話半分で読んで欲しいのだが、参考にはなると思う。

県庁建て替えの話

ただ、ハッキリしていた話の1つがこちら。

建て替えなら費用は当初の350億円増 兵庫県庁舎、有識者ら初会合

2024年8月3日 10時15分

耐震不足が指摘される神戸市中央区の兵庫県庁舎について、有識者による「県庁舎のあり方等に関する検討会」(会長=嘉名光市・大阪公立大大学院教授)の初会合が2日、県庁で開かれた。県職員の「働き方」と街の「にぎわい」に関する二つの部会に分かれて議論を進め、早ければ年度内にも、建て替えるべきかなどの方向性をまとめ、県に助言するという。

1、2号館と議場棟について、2018~19年度の耐震診断で国が求める強度を下回ることが判明し、井戸敏三前知事が建て替え計画を発表していた。

しかし斎藤元彦知事はコスト高などを理由に計画を凍結。詳細な耐震診断では、3棟とも阪神・淡路大震災級の直下型地震で倒壊のおそれがあると診断された。県は1、2号館は26年度から解体し、新庁舎を建てるかどうかは今後判断するとしていた。県職員の庁舎への出勤率を4割に下げることも目指していた。

この日の検討会では、建て替えを計画した後の19年度時点で700億円程度だった関連費用が、物価高で23年度時点は1050億円程度と見込まれると報告された。

朝日新聞より

斉藤氏は県庁舎の建て替えについて「高額すぎる」と反対の立場であり、再出馬に当たってその方針を多少修正したモノの、コンパクト化を主張。

斎藤前知事、兵庫県本庁舎「コンパクトでスリムな庁舎」主張 緑地を方針転換
【神戸経済ニュース】9月に失職して出直し選に立候補を予定している斎藤元彦前兵庫知事(写真=資料)は、サンテレビが21日に動画を公開した立候補予定者討論会で、知事に再選した場合の県庁舎建て替え計画について、ペーパーレスやテレワークなど新しい働...

地元のゼネコンにとっては、本来得られるべき利益が得られなくなってしまう非常事態である。

個人的には必要なモノにお金がかかるのはある程度仕方のないことであるとは思っているが、この新庁舎建設にあたって悪名高いあの人の名前が出ていることを考えると、如何なモノか、とは考えてしまう。

県庁舎ゾーン再整備の考え方は「兵庫五国の多様な魅力を発信するにぎわい庁舎」「時代のニーズや生産性向上に寄与するスマートウェルネス庁舎」「あらゆる災害に備え、県民生活を守り続ける庁舎」「誰もが使いやすく、わかりやすい庁舎」「周辺地域施設と連携した環境共生・低炭素型の庁舎」の5つ。にぎわい交流ゾーンには「品格あるにぎわい」を生み出すクリエイティブハブを形成する。景観形成のテーマは「歴史と自然が形成するみどりのまちなみ」とした。

日経BPより

「無駄金を使う必要がない」とそう思うのも無理ない話で、「環境共生・低炭素型の庁舎」って何ですか?と。それに腐りやすい木材を飾りに使うバカがいるのが某設計事務所で、各地で問題視されている。

こういった話は一事が万事、地方行政に蔓延っているのである。

兵庫県民の選択が正しかったのか否かは、現時点では判断しかねるモノの、今回の選挙、正しく民意のが反映された民主的なものであったことだけは間違いないいだろう。

神戸市議会はどうする

さて、こういった選挙結果を受けて、神戸市議会はどうするのだろうか。

渡邊氏が指摘しているが、神戸市議会は前知事時代に斉藤氏に対して不信任決議を突きつけている。

【詳細】兵庫 斎藤知事への不信任決議案 全会一致で可決

2024年9月19日 19時51分 

兵庫県の斎藤知事がパワハラの疑いなどで告発された問題で、県議会の各会派などが提出した知事の不信任決議案は全会一致で可決されました。
決議案の可決によって、斎藤知事は辞職するか、県議会を解散するか判断を迫られることになります。

NHKニュースより

斉藤知事は、この不信任決議案の可決を受けて辞職をしているのだが、民意は斉藤氏の支持を表明したわけである。

しかし、斎藤知事が19日に始まった県議会に先だって辞職しなかったことから県議会のすべての会派と無所属議員は、「県政に深刻な停滞と混乱をもたらした政治的責任は免れない」として知事の不信任決議案を提出しました。

NHKニュースより

県政に深刻な停滞と混乱をもたらしたのは県議会ということになったのだが、政治的責任は如何にしてとる積もりなんだろうか。

本会議で自民党の戸井田祐輔議員は決議案を提出した理由について「県政は深刻な停滞と混乱を極めており、危機的状況に陥らせた政治的責任は免れない。県民から負託を受けているわれわれ議員86人は総意と覚悟をもって不信任決議案を提案する」と説明しました。

NHKニュースより

「総意と覚悟」があったのだから、議会の正当性が失われた以上、何らかの責任を示す必要があるはずなんだが。

なお、立花氏はまだ暗躍する模様

そして、新たなニュースとしてこんな話が。

N党立花氏、兵庫で地域政党設立を宣言 斎藤氏対抗馬支援の22市長に〝刺客〟擁立へ

2024/11/17 21:46

17日投開票の兵庫県知事選で、告発文書問題を巡り県議会から不信任を突き付けられた斎藤元彦前知事(47)が再選を確実にしたことを受け、斎藤氏を事実上支援するために立候補した政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏(57)は、同日夜のインターネット番組で兵庫に地域政党を作る考えを明らかにした。知事選で「反斎藤」の立場を鮮明にした県内22市長に対し、それぞれの次期首長選で対抗馬を擁立するとも表明した。

立花氏は今回の選挙戦で「文書問題の真実を知ってほしい」と訴え、斎藤氏のパワハラなどを否定。自身への投票を呼びかけず、X(旧ツイッター)などの交流サイト(SNS)を駆使し、斎藤氏を擁護する持論を展開していた。

産経新聞より

うわぁ、悪ノリしているな。

そして、「勝てそうなところで戦っていく」という立花スタイルは実に分かり易いし、恐らくはこの話が広まっていけば勝てる目はありそうだ。が、立花氏にとっては「勝てるかどうか」は問題では無いのだろう。

既得権益と戦うというスタイルこそが彼のやり方なので、おそらく今後、タイミング的に「勝てない」と思ったらさっさと撤退するとは思う。が、投票する候補者のいない退屈な選挙ということにはならないのでは無いだろうか。そういう意味で、今回の兵庫知事選挙は象徴的な出来事になったったと思う。

ただ、注意して欲しいのは、良くも悪くもSNSに発信される情報は玉石混合である。真実を追究するネタを探す上では使い勝手の良いモノだが、盛り上がっている話が真実とは限らない。メディアも信憑性が薄くなっているが、SNSだから真実が語られるかというとそうでもない。

僕もこの辺りは今後も注意していきたいと思っている。

追記

おおっと、なんかとんでもないことを言い始めたぞ。

選挙ビジネスをやっているのは寧ろ左派では?立花氏のやり方が良いとは思わないが、ビジネスとして成り立っているかというと怪しい。

お金を出すところはビジネスを度外視して出しているのであって、ある意味、民意はそれに迎合したのだ。

兵庫知事選の出口調査、斎藤県政「評価」7割…「SNS・動画投稿」参考の9割弱が前知事支持

2024/11/17 21:39

読売新聞社は17日、兵庫県知事選で投票を終えた有権者を対象に出口調査を行った。前知事の斎藤元彦氏の県政を評価する人が7割を超え、そのうちの6割強が斎藤氏に投票。投票の際に最も参考にした情報として、「SNSや動画投稿サイト」をあげた人の9割弱が斎藤氏を支持した。

讀賣新聞より

出口調査の結果だけではあるが、多くの人が斉藤氏の県政を評価していたという結果があり、投票結果もソレを示しているのだから、「選挙ビジネス」というレッテル貼りは如何なモノか。

讀賣新聞より

これもまた民意だと認めないと、前には進めないぞ。

追記2

結局のところ、今回の選挙、兵庫県議会が不信任決議案を出すのを早まったことは全ての問題の発端であろう。せめて百条委員会の結論が出てからでも良かったはずである。

そして、斉藤氏が今回の選挙結果で無罪放免ということになったわけでもない。

当然、「何が問題だったのか」は明らかにされる必要があるわけだ。メディアは嫌がるんだろうけれどね。

再選斎藤氏、25日に証人尋問 兵庫・百条委が検証再開

2024/11/18 18:00

17日投開票の兵庫県知事選で再選した斎藤元彦氏の疑惑告発文書問題を巡り、県議会の調査特別委員会(百条委員会)は18日、斎藤氏への証人尋問を25日に行う方針を決めた。出頭要請し、文書に書かれたパワハラなど疑惑7項目を総括的に検証する。斎藤氏への尋問は9月6日以来。民意を受け知事に復帰した後の証言内容が注目される。

斎藤氏は再選から一夜明けて報道陣の取材に応じ「県議会や県職員との関係をもう一度前に進めることが大事だ」と強調。百条委などの調査に真摯に対応するとした上で「文書問題も確かに(知事選の)一つの争点だが、大事なのは政策を進めていくことだ」と語った。19日に知事に就任し、再選後初めて登庁する。

産経新聞より

そして、百条委員会の尋問はやって頂くとして、斉藤氏は「改革を止めるな」という民意を頂いたのだから、粛々と制度改革をやっていくべきなのだと思う。結果が出たら又、判断する話になるんだろうけれど……。

追記3

真偽不明の噂として、神戸港利権の話が出回っているようだ。コメントで言及されているし、軽く取り上げておこう。

大阪・兵庫の港湾一元化に向け協議へ 両知事が会合

2021/12/26 18:42

大阪府と兵庫県が経済分野での連携を協議する「兵庫・大阪連携会議」の初会合が26日、兵庫県西宮市で開かれた。大阪府の吉村洋文知事と兵庫県の斎藤元彦知事が出席し、2025年大阪・関西万博を見据えた海上交通など観光や産業育成で協力することで一致。両府県にまたがる港湾管理の一元化に向けて今後協議する方針が打ち出された。

産経新聞より

大阪府の吉村氏が出てくるあたりが、なかなか胡散臭い感じのニュースだが、2021年にはかなり大きな話が持ち上がっていた。

兵庫・斎藤知事に“正義のヒーロー”説が急浮上、「どうせネットのデマ」と言い切れないワケ

2024.9.19 6:15

「あれ? あの人ってちょっと前まで『鋼メンタル』とか『サイコパス』だとかボロカスに叩かれていた人だよね。ちょっと見ない間に“巨大利権と戦うヒーロー”に変わってんだけど、どういうこと?」

そんな風に困惑している方も多いのではないか。マスコミによって「職員パワハラ」「内部告発者潰し」「企業へのおねだり」などが連日のように大きく報じられ、「早く辞めるべき」と批判の嵐を受けていた斎藤元彦兵庫県知事に対して、ここにきてネットやSNSで「がんばれ」「負けるな」という応援の声が増えているのだ。

なぜそのように評価が一変したのか。このような「説」がSNSを中心に拡散されたからだ。

「斎藤知事は港湾利権にメスを入れたことによって闇社会とそこに追随するマスゴミに潰された」

Netflixの人気ドラマ「地面師たち」を彷彿とさせるクライムサスペンスの匂いがする「説」だが、根拠となっているのは、23年3月31日の「兵庫県公報」で公表された「令和4年度 包括外部監査結果報告書 テーマ 港湾事業に関する財務事務の執行及び事業の管理」である。

Diamond Onlineより

尤も、メディアはこの斎藤氏が港湾利権にメスを入れたという説には否定的であり、このDiamond Onlineの記事も、他に毎日新聞の記事でも、そうした港湾利権と斎藤氏が戦ったことに関しては否定している。

ただ、これらメディアの否定の根拠も若干甘いように思われる。

斎藤知事の「改革」、内実は? 肝いり3事業を検証 TVでは実績アピールしたが… 
兵庫県議会から全会一致で不信任を突き付けられて以降、斎藤元彦知事はテレビ番組などで就任3年の実績をアピールし、「改革に取り組んできた」と主張している。知事が強調する県立大無償化事業や外郭団体の改革、県庁舎再整備計画の撤回をはじめとした行財政...

斎藤氏自身が主張する「成果」の1つに、「県職員OBの外郭団体への再就職について「65歳以上の天下りを制限した」」というものがあって、これに関してはDiamond Onlineの記事も言及しているが、この記事では「ルールを厳格化した程度で成果と呼べるものではない」と断じている。

「県と密接に関係する32団体について、斎藤知事は22年度中に廃止や統合を含め方針を示すとしたが、まだ方向性が示された団体はゼロ」となっているので、改革は道半ばという印象が強い。

が、これまで切り込む人が居なかった聖域という意味では、ここを攻撃されて躍起になっている方々が居ても不思議はない。

コメント

  1. 山童 より:

    ううむ。結局この人の報道については、毀誉褒貶有りすぎて、どうなのか分からんというのが本音ですね。
    そもそもアメリカ大統領選に見られる日本の報道のように「偏向報道」があからさまに見られ、Webとはあまりに乖離している。
    今のご時世、玉石混交のWebよりもマスコミの方が信用ならない状況も多々あり、それは一方向性の情報で一斉拡散の時代が終わり、各々が自分で山とある情報の中から自己判断せねばならない時代って事だと想うんですよ。それが記事を読んでの感想かなぁ。ワクチンがそうでしょ?
    疑問を持った人が陰謀論者というならば、国民の大半が陰謀論者になる????
    だってオレや木霊様のように不都合を感じて打たない人の方が大多数だもの????
    マスコミの言う「陰謀論だ!」の方がよほど信用ならないと想うんですよね。

    • 木霊 木霊 より:

      斉藤氏が有罪か無罪かという話が明らかになった選挙というわけではないと思うのですよ。
      結局のところ、取材もせずに突っ走ってしまったメディアの功罪が明らかになった選挙で、負けたのはメディアだったというオチなんですよね。

      ワクチンの話も、メリットデメリットを開示しておいて、各自の判断に任せますよという話にすれば、各自が判断するわけでして。
      それでデメリットを受けたなら自己責任なわけですよね。

  2. 匿名 より:

    既得権益に逆らって誰か大物の逆鱗に触れたのでしょう
    昔と違いマスコミのみで民意をコントロール出来なくなった時代が来つつある

    • 木霊 木霊 より:

      ハッキリしない噂が一人歩きしていますから、注意しなければなりませんが、斉藤氏側が善なるものってわけでもないのが厄介なんですよね。
      ただハッキリしたのは、マスコミが以前ほどの影響力を失ったことでしょう。

  3. 山童 より:

    神戸港の利権の事ですかね?

  4. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    本件、ウチのガキも「ぼっち退所式」写真見て笑ってましたが、この話、「敵も味方も全部クズ」だと思っているので、まあ、2~3年後の神戸を見て判断するしかない、と思ってます。

    ただ、言えるのは、
    ・即座に掌返す首長共はキングオブクズ。
    ・>おおっと、なんかとんでもないことを言い始めたぞ。の前川は、今日の「おまゆう」大賞。

    マスゴミの凋落のきっかけになっただけ、良しとするべきでしょうかね?

    • 木霊 木霊 より:

      こんばんは。

      神戸の話はこれで良かったのか、悪かったのかもハッキリしないんですよね。
      ただ、民意は示されたわけですから、その流れで政治が行われていくのが望ましいのでしょうね。

      あと、22人は何かパワハラ動画とかが出てきたみたいで、慌てているようですね。

      • 七面鳥 より:

        斉藤氏に関しては、どこかの書き込みで、
        「仕事の出来るサイコパス」
        というのがあって、はたと膝を打った次第。

        百条委員会≒魔女裁判、議会は利権屋の巣窟、そういう認識で良いのではないかと思えてきています。

        だとすると、マスコミが批判すべきは議会のはずなんですがねぇ……

        • 木霊 木霊 より:

          仕事の出来るサイコパス……。
          そういえば、仕事の出来ないサイコパスに秋波を送られていましたっけ。

          まあ、狂人だろうが何だろうが、県政をしっかりやってくれれば良いんですよね。
          首長だからって優れた人格を必要とするわけではありませんし。