そういえば、触れていなかったんだけど面白いニュースが。あ、最初は「配備される」というタイトルにしていたんだけど、今のところ進水式実施というだけなので、(予定)と変更させてもらった。ちょっと気が早かったようだ。
常識を覆す「初めて尽くしの自衛艦」デビュー! 続く2番艦の名で大喜利の様相も
2024.10.31
陸上自衛隊は2024年10月29日、内海造船瀬戸田工場(広島県尾道市)で新たに建造された輸送艦の命名式と進水式を実施しました。
乗り物ニュースより
「にほんばれ」?変な艦名だなと思ったけれども、スルーしていた。が、記事をよく読むと陸上自衛隊用の輸送艦じゃないか!
陸上自衛隊用輸送艦
艦名は「にほんばれ」
日本の場合、海上自衛隊が「おおすみ型輸送艦」を配備しているのは、よく知られた話。1番艦「おおすみ」2番艦「しもきた」3番艦「くにさき」の3隻を運用中である。
能登半島地震においても、おおすみ型輸送艦が活躍したニュースを見かけたと思う。

おおすみ型輸送艦(満載排水量14,000t)は、ドック型輸送揚陸艦と呼ばれるタイプなのだが、輸送艦「にほんばれ」は、小型級2400トン輸送艦で戦車揚陸艦と呼ばれるタイプの輸送艦である。
式典には鬼木 誠防衛副大臣や森下泰臣陸上幕僚長らをはじめとする防衛省幹部のほか、造船所関係者ら約50人が参列。新しい輸送艦の名が「にほんばれ」と命名されると、鬼木防衛副大臣の支綱切断によって同艦は海面へと船台を滑り降りていきました。
乗り物ニュース「常識を覆す「初めて尽くしの自衛艦」デビュー」より
海岸や砂漠などに離着岸し、船首のランプから車両や補給品などの搭載と陸揚げを直接行うビーチング能力を持っているため、取り回しが良く使い勝手が良い。

船首にラインが入っているので、おそらくこの部分がバウドアと呼ばれる装備で、ここが開いて搭載している車両を下ろすことが可能となるのだろう。
配備先は、2024年度末(2025年3月)に広島県の呉基地へ新編予定の陸海空3自衛隊共同の部隊「自衛隊海上輸送群(仮称)」で、操艦・運用にあたっては陸上自衛官が主体となる予定です。
乗り物ニュース「常識を覆す「初めて尽くしの自衛艦」デビュー」より
1番艦の就役は来年3月の予定で、2027年度までに合計10隻体制(小型級船舶は4隻)を目指す計画になっているようだね。
島嶼防衛には必須
これまでは海上自衛隊の協力を得て輸送を行っていたが、海上自衛隊の輸送艦は3隻しかないため気軽に貸してもらうことも難しい。人員に余裕があるわけじゃないからね、海上自衛隊は。
そこで、民間の船をチャーターするような体制を採っていたのだが、これも緊急出動などに対応することが難しい。ナッチャンWorldとはくおうは良くかり出されているけれども。
配備先は、2024年度末(2025年3月)に広島県の呉基地へ新編予定の陸海空3自衛隊共同の部隊「自衛隊海上輸送群(仮称)」で、操艦・運用にあたっては陸上自衛官が主体となる予定です。
乗り物ニュース「常識を覆す「初めて尽くしの自衛艦」デビュー」より
そのため、陸上自衛隊に輸送艦部隊を設立することにして、3種類の輸送艦艇の導入が決定されている。
海上輸送群には3種類の輸送艦艇が導入される。
・「小型級船舶」と呼ばれる基準排水量2400トン/全長80mの輸送艦
・「中型級船舶」と呼ばれる同3500トン/120mの輸送艦
・「機動舟艇」と呼ばれる、より小型で小回りの利く輸送艇
Yahooニュースより
陸上自衛隊の装備として船が追加されるのは、なかなかだね。どのようにして運用していくのかの計画はまだ見かけないけれども、そのうちに島嶼防衛訓練で「にほんばれ」が16式機動戦闘車などを運ぶようなシーンが見られるのかも知れない。

予定では今年中に中型級が就役
なお、これより大きな中型級船舶も配備される計画になっている。中型級輸送艦2隻/小型級輸送艦4隻/輸送艇(機動舟艇)4隻の10隻体制ってことのようだ。
2027年度までに合計10隻体制を目指す
前述したとおり、海上輸送群は今年度末に新編される。司令部は呉だ。輸送艦は、中型級輸送艦・小型級輸送艦各1隻が今年度中に就役し、やはり呉地区に置かれることになるという。来年度には、さらに小型級輸送艦2隻が加わり、小型級輸送艦3隻で「海上輸送隊」を編成。同隊は海上自衛隊阪神基地に移転する計画だと言う(以後の体制について未定)。
Yahooニュースより
新装備が手に入るとはいえ、陸自では海上運用経験がないので、運用面で色々なトラブルが予想されるのだが、まあ、その辺りは海上自衛隊のノウハウを輸入して、しっかり運用出来るようにして欲しいものである。
コメント
アメリカ陸軍も汎用揚陸艇を保有している、アメリカ海軍は海兵隊用で予算が限界。
ラニーミード級汎用揚陸艇のことでしょうかね。
調べてみると、満載排水量は1102tと小型なんですねぇ。
陸上自衛隊のそれが、アメリカのより大型な理由は、運用の違いってことなんでしょうかね。自衛隊は日本海を移動することも視野に入れなければなりませんし、ちょっと大型な方が都合が良いということでしょうか。まあ、推測レベルの話なんですけれどね。
こんにちは。
>陸上自衛隊用の輸送艦
そこは「まるゆ」か「あきつ丸」か……
この「にほんばれ」級は、三軍(て言っていいのか)統合で運用されるとチラ見した記憶もあります。
過去の自衛隊にはない、非常に小回りの利く装備として、ワークホースとして頑張ってほしいものです。
こんにちは。
「まるゆ」って、三式潜航輸送艇でしたか。なかなか面白いコンセプトではありますが、大日本帝国陸軍はこんなモノ持っていたんですねぇ。
「あきつ丸」に比べても「にほんばれ」は小型で、「輸送艦」というよりは寧ろ「移動の足」といった感じの運用になりそうですね。
かつて帝国陸軍も『陸軍特殊船』を運用していました。
有名なところは『神州丸』ですね-強襲揚陸艦の原型と言われているそうです。
現代と100年前では軍事思想が異なりますが、戦術上の運用はそれほど違わないでしょう。
別件ですが..(いつも脱線してすみません)
豪州の新型フリゲート艦調達コンペで、契約先が日本とドイツに絞られたらしいです。
なんかイケそうな気がしますね。
https://www.youtube.com/watch?v=2WSWmA070aI
「神州丸」ですか。
なかなかかっこいい名前ですが、運用もなかなか興味深かったです。
オーストラリアのコンペは、情報を見ていましたがまだ「絞られたらしい」という段階みたいで。
韓国が形振り構わず1本化してくれば、あるいは逆転もあるんじゃないでしょうか。