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韓国軍無人機による領空侵犯が濃厚となってきた半島情勢

大韓民国ニュース
この記事は約5分で読めます。

あらー、これは風向きが変わってきたかな。北朝鮮がそんなにこのネタを引っ張るとは思っていなかったんだけど、彼らにしてみれば金正恩氏の体制を揺るがす事件だと捉えているのかも。

北朝鮮、韓国が無人機により領空侵犯と非難

2024年10月28日午後 12:28

北朝鮮の国防省は、韓国が今月に無人機を少なくとも3回、平壌上空に飛行させたとする問題の最終調査結果を発表し、政治的な目的で領空を侵犯したと非難した。朝鮮中央通信(KCNA)が28日に伝えた。

ロイターより

まさか、韓国軍関与だとは思ってもみなかったのだけれど、コレが事実だとすると厄介だよ。

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一体何の目的で

ビラ撒き作戦

この話、10月中頃に北朝鮮の体制を批判するビラを無人機を用いてバラ撒いた話があって、それの続報である。

日本のP1哨戒機に火器管制レーダーを照射して「やってない」とヌケヌケと抜かした事案もあったから、可能性としては「韓国軍犯行説はアリ」だとは思う。

思うけれども、戦略的なメリットは無かったように思うのだ。

北朝鮮 “首都で無人機の残骸発見 韓国軍無人機と同じ機種”

2024年10月19日 11時56分

北朝鮮は、首都ピョンヤンで無人機の残骸が見つかり、調査の結果、韓国軍の無人機と同じ機種だと判断を下したと主張しました。今月上旬に、ピョンヤン上空からビラをまいた無人機の可能性が高いとして、再び侵犯行為が行われれば報復攻撃も辞さないと改めて強くけん制しました。

NHKニュースより

NHKも先日この件について報じていて、北朝鮮側が韓国軍のドローンが「少なくとも領空侵犯した」ということは確定だとしている。

そして、その残骸も公開。

北朝鮮国防省のスポークスマンは朝鮮中央通信を通じて無人機の残骸写真を公開し、「重大な主権侵害事件が決定的な物証の確保とそれに対する客観的で科学的な捜査を通じて明らかに確証された」と発表しました。

NAVER「北「国軍の日に登場したあのドローン」」より

コレがその残骸らしいね。

これは韓国の「国軍の日」記念行事の際、車両に搭載され公開された無人機と同一の機種であると推定される。

同じには見えるね。

韓国軍保有の偵察用小型ドローン

遠距離偵察用小型ドローンは、韓国軍の「ドローン作戦司令部」に配備されているものと同じである。

……同じである様に見える。

ただ、韓国の与党議員はロイターに対し、北朝鮮側の写真に写っている無人機は韓国企業ソンウエンジニアリングが製造し、2023年に韓国軍に納入された偵察機と「非常に似ている」と語った。

同社ウェブサイトによると、最大飛行4時間、最高時速140キロのドローン「S─Bat」100機を韓国軍に供給している。

ロイターより

が、同じかどうかは定かではない。何故なら、写真が公開されている以上、精巧なコピー品を作ることは割と容易だからだ。

北朝鮮、無人機事件「韓国軍の仕業」とまた主張…「白翎島離陸の証拠ある」

2024.10.28 10:42

北朝鮮が28日、「韓国無人機の平壌浸透」事件に対する最終調査の結果を発表しながら「無人機は白翎島から離陸した」とし「韓国軍の仕業」と繰り返し主張した。

労働党機関紙の労働新聞はこの日、「大韓民国発の無人機による厳重な主権侵害挑発事件に対する国防省報道官の最終調査結果発表」で、このように明らかにした。

~~略~~

まず北朝鮮は「墜落した無人機に2023年6月5日から24年10月8日の間に記録された238件の飛行計画と飛行履歴が存在した」と明らかにした。続いて「10月8日の資料を除いた残りの資料はすべて韓国の領域内で飛行した資料」と主張した。

中央日報より

迂闊にも、墜落したとされる無人機の飛行記録には、238件の飛行計画と飛行履歴があったというのだが、これも捏造をしようと思えば出来るだろう。

証拠として十分とは言い難い。

が、具体的な証拠を出してきている北朝鮮に対して、韓国側は「議論に値しない」という返答である。主張としてはどう考えても韓国軍側に分が悪い。

困ったことに韓国軍側は、北朝鮮側がコレを理由に何かアクションをとってきたとしても、反論する材料が無いという点だ。

狙いは何なのか

北朝鮮側が無人機をコピーできるかという点については、こんな話がある。

北朝鮮がアメリカ製大型無人機の形状をコピーした新型無人機を開発

2023/7/29(土) 3:56

北朝鮮は2021年1月の朝鮮労働党の党大会で新型兵器開発の「国防5カ年計画」を発表、その中に「無人攻撃兵器と偵察観測手段(行動半径500km)」というものがあり、どちらも大型の無人航空機(ドローン)と推測されていました。そしてこれが衛星画像で初めて報告されたのが2022年10月3日です。

~~略~~

そして2023年7月27日、北朝鮮の朝鮮戦争”勝利”70周年記念パレードで新型の大型無人機が公式に姿を見せました。正確にはパレードの前日に、訪朝していたロシアのショイグ国防相を武装装備展示会に招いた際に先に無人機の映像が公開されていましたが、パレード当日には実際に平壌上空を飛行して見せて機体がハリボテではないことを誇示しています。

Yahooニュースより

韓国軍保有のアメリカ製無人機をコピーして飛ばせて見せたというニュースなのだが、「RQ-4グローバルホーク無人偵察機」にそっくりなソレは飛行能力もあったようだ。リーパーの方もコピーして見せたらしいけれども。

ただ、外見はともかく中身まで同じかどうかは不明。

そして、外見を似せることが出来れば、今回のような主張は可能とも言えるけれども、そこまでするメリットがどの程度あるのかは不明。

この話で考えられるシナリオはいくつかあると思うのだけれど、北朝鮮側の完全な捏造であると仮定した場合、北朝鮮側の狙いはおそらく「外側に敵を作って、政権批判をかわそう」というものだろう。そこまで北朝鮮側の事情は悪いと考えられる。実際、水害で随分と被害を受けたみたいだしね。

更に、具体的に韓国への侵攻作戦をやるメリットは、現在の北朝鮮には殆どないようにも思えるし、アメリカ軍の尻尾を踏んづけるリスクは当然考えねばならない。だが、ロシアの真似をして大規模侵攻をせずに、一部切り取り位であれば或いはとも思えるが。

一方で、韓国軍側の作戦だったと仮定すると、これまた不可解な話にはなる。政権批判をかわすような材料になり得るか?というと、かなり厳しいと思うんだよね。北朝鮮の体制崩壊を狙った作戦ということも考えられるけれども、リスクの方が高いと思うんだよね。

そして、どちらが主導した計画であった場合にも、半島有事に近づいている状況を考えねばならないと思う。

コメント

  1. 砂漠の男 より:

    この件で情報を集めてみましたが、北朝鮮のヤラセの可能性も十分にありそうで、推論の域を出ませんでした。以上ですw

    別件ですが、米政府はロシア軍に編入された北朝鮮派遣軍がクルスク州に配備されており、近日中に戦闘に参加するだろうと発表しました。(数日前には、すでに北朝鮮軍がクルスク州でウクライナ軍と戦闘したという未確認情報も流れていました。)
    https://www.usatoday.com/story/news/world/2024/10/31/north-korean-soldiers-ukraine-war/75967425007/

    • 木霊 木霊 より:

      そうなんですよね。
      ヤラセの可能性もあるんですよ。僕は五分五分だと見ています。

      北朝鮮派遣軍は相当苦戦しているみたいですね。

      • 砂漠の男 より:

        ↓のようなビデオが、昨日つべにアップロードされていました。
        Reported as a North Korean complaining after Ukraine b*mbed them in the Kursk region of Russia.
        https://www.youtube.com/watch?v=Hl_frsAuzRs

        クルスク州でウクライナ軍と交戦し、戦傷を負った北朝鮮兵らしいです。
        間違いなく半島言葉ですが、独白に中に”クルスク””ウクライナ”という言葉が聴き取れます。

        • 木霊 木霊 より:

          動画を確認しましたが、なかなか酷いものですね。
          ウクライナの戦線に立てば、こんな感じの捨て駒にされることは容易に想像できるわけですが。