こんなことも在るんだね。
「自己増殖型」レプリコンワクチン接種者の入店制限相次ぐ 政府は「安全性懸念ない」と冷静な対応訴え
2024/10/8 19:35
高齢者らを対象に1日に始まった新型コロナウイルスの定期接種で、メッセンジャーRNA（mRNA）が細胞内で複製される「レプリコンワクチン」が新たに加わり、波紋が広がっている。
産経新聞より
こんなのがニュースになるとは情けない。
米騒動と大差ない
反ワクチンな人達
武漢ウイルス感染症が蔓延して、「反ワクチン」を軸に色々活動される方を見かけるようになった。ただ、目立たなかっただけで、昔から「反ワクチン思想」は根強い。
《新型レプリコンワクチン接種のお客さまの入店をお断りさせていただくことにいたしました》
大阪市内の美容院は9月下旬、ホームページにこんなメッセージを載せた。美容院を経営する男性（43）は「接種した人から感染するとの話がある。家族やお客さまの健康を守るためにも、不安が拭われるまで断らざるを得ない」と話す。
産経新聞「「自己増殖型」レプリコンワクチン接種者の入店制限相次ぐ」より
この意味の分からない話は、先ずは日本看護倫理学会のサイトを確認いただきたい。
読んで頂くとわかるのだが、「お前頭大丈夫か」の内容になっている。
一番頭がオカシイと思うのが、シュディング問題である。
シュディングと何か
ネットで「シュディング」なる現象が存在すると騒がれているが、そもそもシュディングとは何か？
シェディングとは、mRNAワクチンを接種することにより産生されたmRNAやスパイクタンパク質が、エクソソームによって他者の細胞に伝播し、また、それが接種者の呼気などを介して非接種者に拡散されるという現象のこと、という事になっている。
ただこれ、科学的に実証された話ではない。
だって、冷静に考えてみて欲しい。mRNAワクチンは、熱に弱くて冷凍バックなどを用いて保管される。それ専用のバッグを開発しなければならないほどだった。それが、体内で増えたら空気感染するほど強力なウイルスに化けるというのである。
mRNAワクチンの本来の働きは、タンパク質に対する抗体を作ることであり、抗体が空気感染するなど聞いたことがない。
無限増殖はしない
この話のベースになっているらしい情報がこちら。
レプリコンワクチンは「Meiji Seika ファルマ」が製造。オミクロン株の「JN・1」に対応したワクチンとして今回の定期接種を前に、他の4製品とともに承認された。ただ、レプリコンワクチンはmRNAが体内で複製されて増える「自己増殖型」で、一部専門家などからは「（mRNAなどが）無限に増える」などと安全性を懸念する声も上がる。
産経新聞「「自己増殖型」レプリコンワクチン接種者の入店制限相次ぐ」より
無限に増えるわけないだろう、常識的に考えて。がん細胞でも、もうちょっと大人しいわ！（がん細胞は空気感染しないから）
どこにいるんだよ、こんなおかしな主張をする自称「専門家」とやらは。実名出して、堂々と学会で説明しろ！
なお、現時点でシェディングなる現象が起きるという学術論文は、特定の膜タンパク質のみに起こるケースしか知られていない。つまり、どう頑張っても空気感染はできないのだ。
レプリコンワクチンを接種しても、周りの人にワクチンや、感染性ウイルスを拡散させることはありえない。ワクチンが細胞に入るとmRNAが複製され、その過程でウイルスのスパイクタンパク質が増えるが、複製されるのは2週間程度。細胞外に出れば壊れるし、感染性のあるウイルスを体内で作るような機能もない。
産経新聞「「自己増殖型」レプリコンワクチン接種者の入店制限相次ぐ」より
まあ、僕が怒るようなことでもないのだろうけれど、無責任におかしな情報を拡散するのは是非止めていただきたい。
追記
臨床試験について少し。
レプリコンワクチンに対して臨床試験が行われていないという風評が出ているのだが、コレの理由は良く分からない。
厚生労働省のサイトにはこのように示されており、臨床試験は行われた製品であることは間違いない。
Meiji Seikaファルマ：次世代型mRNAワクチン「コスタイベ」、世界に先駆け承認［新薬開発・販売 FRONTLINE］
登録日： 2023-12-05 最終更新日： 2023-12-05
Meiji Seikaファルマは11月28日、新型コロナウイルス感染症に対する次世代mRNAワクチン「コスタイベ筋注用」について記者説明会を開催した。コスタイベは、米バイオ企業アークトゥルス・セラピューティクスが開発した、投与後に体内でmRNAを自己複製する「レプリコンワクチン」。Meiji Seikaファルマが国内の供給・販売権を取得し臨床試験を進め、同日、レプリコンワクチンとして世界初となる製造販売承認を厚労省より取得した。
レプリコンワクチンは既存のmRNAワクチンに比べ少量投与で済み、より効果が持続するとされる。コスタイベは追加免疫の国内第3相試験で、ファイザーのコミナティに比べ抗体価が高く持続性に優れていることが確認された。
日本医事新報社のサイトより
日本が開発国ではないことは事実ではあるが、臨床試験を行ったのは明治ファルマ社なので日本で承認・認可されるのは当然の流れである。
よって、日本看護倫理学会のサイトで主張されるような切り口はナンセンスである。アメリカやベトナムで認可されていないのは、単にアメリカやベトナムで認可申請をする会社がなかったからに過ぎない。
また、忍容性も高く、安全性については既承認 mRNA ワクチンと同様であり、有害事象の 多くが軽度または中等度であることが国内外の臨床試験で示されています。
明治ファルマ社のサイトより
国内で実施した追加免疫第Ⅲ相臨床試験では、起源株及びオミクロン BA.4-5 株に対する中 和抗体価が対照とした既存ワクチンよりも高いことが確認され（p<0.05）、さらに、それぞれ の中和抗体価は 6 ヵ月間持続することが確認されております。また、接種量が少ないため安 全性プロファイルも良好な結果が得られています。有害事象の多くが軽度又は中等度で一過 性のものであり、本剤接種と因果関係がある重度又は重篤な有害事象は認められませんでし た。
明治ファルマ社のサイトより
ワクチンそのものに不信を抱く理由は分かるが、他のワクチンはOKなのにレプリコンワクチンだけNGという感覚はイマイチわからないのだが……。
コメント
デマはデマたけど、そのデマを産むような説明・告知の下手さは政府は反政すべきかと想う。次いでレプリコンワクチンでパンデミックとか有り得ない！けれど、
ロクに臨床実験を重ねてないワクチンを、何故に打たねばならないかの根拠も説明不足。そもそも5類感染症にレベル下げしたのに、個人の選択で構わんでしょ。
不安を払拭するのが推奨する側の政治的役割だろうに、それをきちんとやらずに（面倒くさくて、矢面に立ちたくないから）、上から目線で押し付けようとするから、反発で流言飛語が流れる。
ワクチン接種一連の話について、政府のアナウンス不足である点は否定しようがありませんが……。
しかし、政府に出来ることも多くありませんし、特定のワクチンの接種を受けたくなければ選択の余地があるのも事実です。ワクチン接種自体が任意ですからね。
今回のこれに関しては、政府に責任を求めるのはちょっと無理がある気がしますよ。
日本看護倫理学会は、明治ファルマ社からの損害賠償請求を求められる事案だと思います。
レプリコンワクチン接種は義務化されていない-あくまで政府からの推奨です-ので、
接種するかしないかは、当人が判断すればよいでしょう。政府が国民のためと考えても、
押しつけては返って反発されること必定です。
大丈夫です、安全です、心配ありませんは、説明になっていません。
政府はウィルス学や免疫学の専門家による丁寧な解説をつけるべきです。
今回は、接種費用の一部の自己負担をして任意で接種を受けるというスタンスですから、政府が押しつけた感じでもないのだと思います。
いい加減な根拠に基づいた主張を発表した日本看護倫理学会や、その尻馬に乗った企業こそが責められるべきはナシだと思っているのですが……。