支那は追加景気刺激策を行わずに投資家に失望される

え？自信？失望されているよ。

中国、経済目標の達成に自信－大規模な追加景気刺激策は見送り

2024年10月8日 12:25 JST

中国は、今年の経済目標の達成に自信を示し、さらなる成長支援を約束した。景気刺激策の追加は見送り、株式相場のさらなる上昇を期待する投資家を失望させた。

Bloombergより

支那はいつも自信満々だなぁ。

上がる要素がない

超長期国債の発行

ええと、超長期国債の発行ですか。

国家発展改革委員会（発改委）の当局者は８日、公共支出を加速させると表明した。投資を促進し、孤児や新卒者などの恵まれないグループへの直接支援を増やす計画をあらためて示した。

主要プロジェクトを支援するために超長期国債の発行を来年も続け、1000億元（約２兆1000億円）を戦略上重要な分野に投資すると付け加えた。

Bloomberg「中国、経済目標の達成に自信」よりBloomberg「中国、経済目標の達成に自信」より

ええと、5月頃には随分と国債を突っ込むような報道があった時には、「あれ、もしかして、これやっちゃう？」という期待はあったんだけど。

中国財政部、超長期特別国債の発行に関する通知を発表

2024年05月22日

中国財政部は5月13日、「2024年における一般国債および超長期特別国債の発行に関する通知」を公表し、超長期特別国債の発行期間などの詳細を明らかにした。同通知では、長期特別国債発行期間を20年、30年、50年の3種類に分け、発行回数はそれぞれ7回、12回、3回とするとした（添付資料表参照）。各回の発行金額は明らかにされていないが、5月17日から30年債が発行され、11月中旬まで発行が続く。

第14期全国人民代表大会（全人代）の政府活動報告においても、今後数年にわたり超長期特別国債を発行し、国家重要戦略の実施と重点分野の安全保障能力の整備に使用し、2024年は1兆元（約21兆円、1元＝約21円）を発行するとしていた（2024年3月6日記事参照）。また、国家発展改革委員会の劉蘇社副主任は、国務院新聞弁公室が4月17日に行った記者会見で、超長期特別国債の支援分野について説明した。劉氏は、高水準の科学技術を確立させ、都市と農村の融合・地域の協調的な発展を促進し、食料とエネルギー資源の安全保障能力を向上させ、質の高い発展を促進し、美しい中国の建設を全面的に推進することを重点課題とすると述べた（「新華社」4月17日）。

JETROより

でもまあ、支那の負債額ってとんでもないわけで、これだけ突っ込んでも足りないことは明らかなんだけどね。

94兆人民元の負債

以前も言及したのだけれど、支那の地方政府が抱えている負債は総額100兆元を超えていると言われている。

【コラム】中国の「リーマンモーメント」、今すぐ必要－シュリ・レン

2023年8月23日 15:56 JST

中国の金融システムは崩壊の危機にひんしているようだ。かつて全国で3000以上のプロジェクトを手がけ不動産開発で国内最大手だった碧桂園はデフォルト（債務不履行）の瀬戸際にある。国内最大級の個人資産運用会社は投資家への支払いが滞っている。財政収入を土地売却に大きく依存する地方政府からはディストレスト警報が鳴りやまない。

～～略～～

不動産市場の低迷と財政危機のダブルパンチを想像してみてほしい。ゴールドマン・サックス・グループの推計によれば、中国の銀行システムは94兆元（約1880兆円）の地方政府向け債権を保有しており、これは総資産の29％に当たる。その上、不動産セクターには約58兆元のエクスポージャーがある。中国の「リーマンモーメント」が今なお到来していないのはなぜだろうか。

Bloombergより

現状知られている支那の銀行システムが抱える債権のウチ、地方政府向けは94兆元（約1880兆円）で、総資産の3割弱。このうち多くは返済不能だと言われている。

更に、不動産セクター、つまり不動産関連負債が58兆元分あるのだと言われているので、支那当局が銀行の不良債権処理を始めると、債権者が暴動を起こすだろう。何しろ、資産の大半を不動産購入という形で蓄財しているので、それが消えてなくなるのは流石にちょっと。

株価が続伸？！

とまあ、こんな感じなんだけれども、支那の株価は上がっているのだとか。

中国株続伸で始まる、大型連休明け　香港株は急落

2024年10月8日午後 12:35

国慶節（建国記念日）の大型連休明けの中国株式市場は序盤に続伸し、大商いの中、主要指数が２年ぶりの高値を付けた。政府による景気刺激策の効果に期待が持続している。

上海と深センの株式市場に上場する有力企業３００銘柄で構成するＣＳＩ３００指数は１０％急騰し、２０２２年半ば以来２年ぶりの高値を付けた。その後は６％高で取引されている。

上海総合指数は９．７％高となり、２１年１２月以来の高値を記録。その後は５％高で取引されている。

ロイターより

いわゆる期待上げということらしいんだけど、「期待が持続」しているうちは良いかも知れないね。

一連の景気刺激策で経済が安定するとの期待から産業用金属関連株が急伸しているほか、半導体株や建設株も政府支出で恩恵を受けるとの見方で買われている。

ロイターより

これがどうなるのかは冒頭の記事を参考にして欲しい。

そして、この話を解説しているのがこちら。

「官製バブル」の上海株急騰、「大学卒業規制」で失業率改善！…ごまかしても覆い隠せない、習近平「中国経済」のひどすぎる惨状！

2024/10/08

一般的に株価は景気のバロメーターであるとよくいわれている。要するに、株価と景気動向が多少のタイムラグがあっても、基本的に連動して動くものということである。だからこそアナリストが株価の動きを予測するときに、必ず上場企業の業績や市場の需給バランスと経済のファンダメンタルズをみて判断する。

～～略～～

しかし、今回の株高は官製バブルであり、危険な賭けである。

現代ビジネスより

詳しい話は省くが、失業統計も株価も操作されているね、というお話なのである。というわけで、上海指数の高騰もその動向を注意して見なければならないだろう。

当面、景気刺激策は行わない様子の支那だが、中途半端な策を出してもやっぱり失望されてしまうことになる。支那経済崩壊を叫ばれて久しいので、「ヤバイ」といっても信用されないのだろうけれども、コレをどうやって挽回していくのかは非常に気になっている。

• 25年に予定されていた政府投資1000億元の前倒し
• 特別地方債で調達した資金の使用が認められる分野の拡大
• 地方政府が今年割り当てられた特別地方債の新規発行分約2900億元を10月末までに発行するよう促す
• 特別地方債の資金使用と関連プロジェクトの建設を加速させる
• 地方政府が企業に過剰な罰金を科さないよう警告

Bloombergより

冒頭のニュースで、これが発表された内容だと示されたのだけれども、少なくともこれではどうしようもないよね。

追記

ええと、苦しい対応だね。

中国、特別国債で大手国有銀行に資本注入へ　財政相が財政出動の方針表明

2024/10/12 21:51

中国の藍仏安財政相は12日に北京で記者会見し、中国政府には「債務拡大や財政赤字の余地がかなりある」と表明し、財政出動を伴う経済対策の方針を示した。不動産不況を背景とした景気減速により財務状況悪化が懸念される中国の大手国有銀行に対し、特別国債を活用して資本注入を行う。

中国メディアによると、中国政府が特別国債を発行して大手国有銀行に資本注入を行うのは、アジア通貨危機の際の1998年以来になるという。藍氏は、資本注入で大手国有銀行のリスク対応能力を高めて融資能力を引き上げることにより、実体経済を支えると狙いを表明した。注入の規模などは明らかにしなかった。

産経新聞より

狙いはわかるし、必要なことではあるんだけど、注入規模を明らかにしなかったのは失敗では？

意味合いとしては、穴の空いたバケツにコップで水を注ぐ感じになっちゃっているね。