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イスラエル軍、レバノンへの地上侵攻開始

イスラエルニュース
この記事は約6分で読めます。

イスラエル側の殺意が高すぎる。

イスラエル軍、レバノン南部で地上作戦を開始と発表

2024/10/01

イスラエル軍は1日未明、レバノン南部で同国のイスラム教シーア派組織ヒズボラに対する「限定的、局地的、かつ標的を絞った」地上作戦を開始したと発表した。レバノンでは30日夜、首都ベイルートなどでイスラエルによる空からの攻撃があった。

BBCより

この件では、レバノン側の反撃は組織が壊滅していて難しいので、少し時間がかかると踏んでいたのだけれど、イスラエル側からこんな決断をするとは。

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一定の成果が得られるまで作戦続行

今が好機

いや、冷静に考えれば分かる話。

イスラエル軍、レバノンで地上作戦開始 南部のヒズボラ拠点に

敵性勢力であるヒズボラの組織力が低下していて、今なら壊滅に追い込める好機だとイスラエル側が判断してもおかしくはない。おかしくはないが、国境を越えて侵攻するということを、重く捉えるべきだと考えていた。

が、そういうロジックはイスラエルには通用しないらしい。そういえば、こちらの記事で引用したけれど、「終わりじゃないよ」と言ってたっけ。

また、パレスチナのイスラム組織ハマスと連帯するヒズボラに打撃を与えることが、ガザ地区でハマスに拘束されている人質の解放につながるという考えも示し「われわれは大きな成果を上げたが、任務はまだ完了していない」と述べ、攻勢を強める構えを示しました。

NHKニュースより

しっかりメッセージを出していたのに、読み取れていなかった。

そして、放置すれば確実にヒズボラの中で反抗勢力の力を蓄え、イスラエルに対する深刻な打撃を加えてくる可能性が高いのも事実だ。

イスラエル国防軍(IDF)はX(旧ツイッター)に投稿した声明で、「レバノン南部のヒズボラ・テロリストの標的とインフラに対する正確なインテリジェンスに基づき」、地上作戦を開始したと説明。国境近くに位置する標的は、「イスラエルの地域社会に対する差し迫った脅威」だと述べた。

BBC「イスラエル軍、レバノン南部で地上作戦を開始と発表」より

だからこそ、指令機能が麻痺した状況だからこそ地上侵攻するのは、上策には違いない。何しろ、その前段階として通信機能は麻痺させたのだし、トップを含めて指令組織を軒並み空爆で殺害したのだ。今なら反撃リスクを低く抑えて地上侵攻可能である。

既に先行部隊は潜入済み

そして、下準備が整ったから侵攻した、と。

米紙ニューヨーク・タイムズも、イスラエルのコマンド部隊がすでにレバノン領内に短期間侵入し、広域侵攻の可能性に備えていると報じていた。

国境から10キロと離れていないレバノンの、キリスト教徒が多いジェイデット・マルヤヨウン村の村長は30日、ロイター通信の取材に対し、村民2人がイスラエル軍からと思われる電話を受け取り、ただちに避難するよう言われたと話した。

~~略~~

ガラント国防相は短い動画の中で、ヒズボラとの交戦で避難しているイスラエル北部の住民を帰還させるため、イスラエル軍はあらゆる「手段を用いる」と述べた。

BBC「イスラエル軍、レバノン南部で地上作戦を開始と発表」より

まあ、こうした情報が出ていたのだから、侵攻が行われたというのは不思議ではない。越境攻撃は既に始まっている。

そして、作戦が始まってしまっている以上は引き返すことは危険だ。

イスラエル軍、レバノン地上侵攻を開始

2024.10.01 Tue posted at 10:34 JST

イスラエル軍は現地時間の10月1日未明、レバノン南部で「限定的な地上作戦」を開始したと発表した。

国境付近にいるCNN取材班の拠点からも砲撃音が聞こえ、ドローン(無人機)やヘリコプターの飛行する音が空をつんざいた。村落の方向からは爆発音が何度も聞こえ、立ち上る煙や閃光が見えている。

BBCより

ただまあ、こうした地上戦に関しても実は今始まったというわけではない。これまでに小競り合いは何度もあったし、2006年にはレバノン側への侵攻もあった。

2006年の侵攻では7月17日に越境進軍した後、7月29日には全土空爆を開始して7月31日に空爆中止に合意するも、8月3日に空爆を再開。8月14日に国連が出した停戦決議を受諾する形でイスラエル軍に停戦命令が出された。

ただ、撤退は10月1日頃まで完了できなかったようだ。

今回も、それなりの被害を出すまでは撤退する気はないのだろう。そして、イランは黙っていないんだろうね……。

追記

記事に書いておけば良かったが、既にこんな話がでていたよ。

イラン最高指導者、「抵抗の枢軸」がイスラエルに「壊滅的な打撃」予告…自身は安全な場所に避難か

2024/09/29 19:26

イランの最高指導者アリ・ハメネイ師は28日、ヒズボラ指導者のナスララ師殺害を受けた声明を発表し、中東の親イラン勢力「抵抗の枢軸」の報復で、イスラエルに「壊滅的な打撃」を与えると予告した。5日間の国民服喪も発表した。

讀賣新聞より

イランの指導者も煽っているねぇ。

一方、ロイター通信は、ナスララ師殺害の後、ハメネイ師が安全な場所に避難したと伝えた。イスラエルは、詳細な現地情報に基づいてハニヤ氏やナスララ師を殺害したとされ、警戒を強めたとみられる。

讀賣新聞より

そして、煽るだけ煽っておいて、自分は避難した模様。

でも、モサドが情報を抜いていると思うから、そこが本当に安全かどうかはちょっと怪しいよ?

追記2

イランが表に出始めたら、更に荒れるんだが。

イランが弾道ミサイル攻撃、180発超 イスラエルは報復示唆

2024年10月2日午前 8:07

イランは1日、イスラエルに向けて弾道ミサイルを発射したと発表した。レバノンの親イラン派武装組織ヒズボラに対する軍事行動への報復攻撃という。イスラエル側は180発を超えるミサイル攻撃を受け、防空システムで迎撃を行ったと発表した。

これを受け、米国は同盟国イスラエルへの全面的な支持を表明。一方でイランは、自国への攻撃があれば「強力な攻撃」を招くことになるとけん制した。

両国の戦火拡大への懸念から原油価格は一時5%急騰し、国連安全保障理事会は2日に中東情勢に関する会合を開催することを決めた。

ロイターより

思った以上に、動きが活発である。

市場も随分過敏に反応したみたいだけれど、「コレは本気だ」と感じたのかも知れない。

追記3

ええと、イランは火消しを始めたぞ。

イランの攻撃、イスラエルがさらなる報復招かない限り終了=外相

2024年10月2日午前 7:35

イランのアラグチ外相は2日、イスラエルに対し「自衛」措置を講じたとし、イスラエル側がさらなる報復を招く決定をしない限り、イランの措置は終了したとⅩに投稿した。

イランは1日、複数の親イラン武装組織指導者殺害への報復として、イスラエルに向けて多数のミサイルを発射した。

ロイターより

イランの目的は、どうやら国内のガス抜きだったようだ。イスラエルを本気で攻撃する気はないというのは、前回の時にも似た流れであったと思う。

コメント

  1. 河太郎 より:

    つくづくと、なるようにしかならないと、世の理に我ことば無し。

  2. 砂漠の男 より:

    ハマスもヒズボラもイスラエルの出汁にされて壊滅的な打撃を受けていますが、
    イスラエルはどこな辺までイランを追い詰めるのでしょうね。
    ハメネイ氏の退避行動はいいニュースとは言えませんね。

    • 木霊 木霊 より:

      イスラエルは本格的に事態を動かしたいのでしょう。
      力による現状変更そのものですが……。
      まあ、中東のことは中東に任せるしかありません。

  3. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    イスラエルは、常に戦闘態勢の国ですから、機を見るに聡いですよね。
    ウチのボンクラに爪の垢でも煎じて飲ませたい。

    で、レバノンですが。
    ついでにサクッとゴーンの首でも取ってくれませんかね。
    いや、身柄引き渡してくれた方が面白いですけど。

    • 河太郎 より:

      そそ、私もその点については見習いたいものだと思ってるすね。
      やはり第三国の企業を通してポケベル爆弾を流通させ、敵の首脳部(ヒスボラはハマスのような戦術部隊の集合体でないから、やはり指揮系統の上部皆殺しは有効)を始末した後で、指揮系統の乱れた南レバノンを攻撃すると。諜報・破壊工作・軍事行動が一体となった流れは、20世紀のイラン核施設の爆撃の鮮やかさを今も持ってるという事で。弱体化したとか言われてるモサドたち健在かと。日本もこれくらいやれる実行力あれば安心なんですけれどねぇ。