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国連で「台湾統一を必ず成し遂げる」とぶち上げる支那

中華人民共和国ニュース
この記事は約8分で読めます。

台湾の完全統一とは、何を意味するのか。

中国・王毅外相「台湾統一を必ず成し遂げる」 国連総会で演説

2024年9月29日 9:43

中国の王毅外相は国連総会の場で演説し、「台湾統一を必ず成し遂げる」と強調しました。

日テレニュースより

多分、随分とロクデモナイ話なんだろうとは思うけれど、これを国連総会でぶち上げた辺りがなかなかやる気に溢れていると思う。「歴史の必然」の意味は良く分からないが、凄い自信だな。

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台湾侵攻リスク

ワン・チャイナ・ポリシー

そもそも支那の「台湾は俺のモノ」という発想は、今に始まった話ではない。

中国の王毅外相は28日、国連総会の一般討論で演説し、台湾問題をめぐり「台湾は中国の不可分の領土である」と述べた上で、「必ず完全統一を成し遂げる。統一は、いかなる勢力も阻止することができない歴史の必然だ」とアメリカを強くけん制しました。

日テレニュースより

今回は、外相の王毅氏が国連総会で演説してしまったという、前代未聞の事態ではあったが、こうした発言自体は以前からあったのだ。

「中国の夢」実現も正念場-共産党トップ3期目狙う習氏に難題山積

2022年8月19日 13:00 JST

中国共産党の習近平総書記(国家主席)は2012年の就任直後、中華民族の偉大なる復興という「中国の夢」を語った。それから10年、習氏は党トップとして自らの壮大なビジョンの実現に向けて最も困難な局面に入ろうとしている。

Bloombergより

習近平氏が支那皇帝に就任したのが2012年。この頃から「支那の夢」という言葉を口にしていて、これが支那の台湾統一のことを指すことは周知の事実である。

3期目突入で高まった危機

尤も、「支那の夢」と言いつつも、明確に台湾侵攻を口にしたわけではない。「武力侵攻を否定しない」とは言ったが、おそらくは軍事侵攻はしないだろうと予測されている。

習政権3期目突入、台湾海峡危機はどうなるか

2022/11/18 19:00

3期目に入った中国の習近平総書記。中国共産党第20回全国代表大会(20回党大会)の報告での台湾に関する表現に注目が集まった。2017年の19回党大会の報告には見られなかった表現が用いられたのだ。

まず台湾問題を解決し祖国の完全統一を実現することについて、「中華民族の偉大な復興の必然の要求である」とされた。習氏は12年の党大会以来、「中華民族の偉大な復興という中国の夢」を、「2つの100年」の2つ目である建国100年の49年までに実現するとしていることから、台湾統一の最終期限も同年に設定されたと考えられている。ちなみに1つ目の100年とは結党100年であった21年である。

東洋経済より

しかし、ある程度の規模の軍事衝突リスクはあると言われている。

特に、近年の支那経済の没らくっぷりは半端ではない状況となっていて、邦人拉致や日本人学校前での男児刺殺事件など、反日プロパガンダの影響と思われる事案も増えてきている。

邦人拉致が何故反日プロパガンダの影響かということなのだが、直接的には反スパイ法の影響であるとされているのだけれど、これは要するに「怪しい奴は捕まえておけ」という話に過ぎない。何しろ、スパイだと認定したら拘束が可能であり、その罪状は明らかにされないというのだから恐ろしい。何らかの理由で目をつけられれば、逮捕は免れないし、その理由は明かされないのだから冤罪であっても明らかにならない。そして、反日プロパガンダの影響で、日本人が怪しまれる可能性は高いのである。故に、邦人拘束の事案が増えていると言うことは、「そういうこと」だと理解すべきだと考えている。

このように支那国内の社会情勢が不安定化しているので、外側に捌け口を求める可能性が否定できない。

3期目に入った習近平氏にとって、己の政策が次々と失敗していることに焦りを感じているはずで、「台湾を我が手に」というのは、支那人にとって分かり易い事例なのである。

台湾というのは、「そういう」危うい立ち位置にある国家なのである。

このタイミングでの演説

そして、外相(外交部長)でありかつ中央外事工作委員会の主任でもある王毅氏が、国連で「台湾統一」を口にした。

そのうえで、ロシア軍によるウクライナ侵攻を仲裁するような発言をしているのだから、「どの口が言うのか」という話だ。

また、ロシアによるウクライナ侵攻については「戦争がエスカレートするのを防ぐべきだ」と主張し、「事態の沈静化を進めるため、中国が和平への建設的な役割を果たすべきだ」と強調しました。

その上で、ウクライナ侵攻の政治的な解決を進めるため、「グローバルサウス」と呼ばれる新興国と協力して、仲介外交を進めていくことを明らかにしました。

日テレニュースより

ただ、この発言は、直接的な意味でウクライナ戦争を止めるという意図ではないだろうと思われる。

どちらかというと、グローバルサウス方面の連携強化を課題にしていると見るべきだろう。

なお、グローバルサウスの経済発展はめざましいモノがあるのは事実だが、コレを意思統一できる旗頭は不在である。ロシアも支那も盟主たり得ない。唯一、インドは存在感を示そうとしているが、インドも結局はスタンドプレーが好きだからねぇ。

つまり、西側諸国の影響力は薄まりつつあるんだけど、グローバルサウスとしての意志を主張してくる可能性は薄い。実際に、支那などはこれを利用して国際的な影響力を高めている。

どういうことかというと、こんな感じだ。

台湾、WHO年次総会に招待されず 中国の反対で

2024年5月28日午前 1:18

世界保健機関(WHO)加盟国は27日、ジュネーブで開催されるWHO年次総会(WHA)に台湾を招待しないことを決定した。中国が反対した。

台湾を自国の領土とみなす中国の反対により、台湾はほとんどの国際機関に参加できていない。

ロイターより

外堀を埋める感じの話ではあるが、グローバルサウスとの連携を深めることで得られる効果はそこそこ高いようだ。

戦力使用を排除しない

こうした情勢から、アメリカ側はこんな発言をしている。

バイデン大統領“中国が台湾侵攻の場合 戦力使用を排除せず”

2024年6月5日 8時06分

アメリカのバイデン大統領はメディアのインタビューで、中国が台湾に侵攻した場合の対応について「アメリカ軍の戦力の使用を排除しない」と述べて軍事的に関与する可能性に言及しました。

NHKニュースより

アメリカにとって、台湾を支那に掌握されることは、半導体を握られることに等しい。これくらいのリップサービスはするだろう。

尤も、こうしたアメリカの態度に対して、「軍事侵攻はない」と断言する有識者もいる。

中国が台湾に武力行使をしない3つの理由
「台湾有事」が切迫しているというシナリオがまことしやかに論じられ、中には尖閣諸島(中国名:釣魚島)奪取と同時に展開するとの主張すら出ている。「台湾有事論」の大半は中国の台湾「侵攻」を前提に組み立てら…
アメリカがやっと気づいた「中国は戦争をしなくても台湾統一ができる」という脅威(遠藤誉) - エキスパート - Yahoo!ニュース
5月13日、アメリカン・エンタープライズ研究所と戦争研究所の共同プロジェクトである台湾連合防衛プロジェクトは、「中国は軍事侵攻ではない形で台湾統一をするつもりで、われわれは長いこと、それを見逃してき

それぞれに説得力のある内容ではあるが、僕自身はそれでも軍事侵攻がないと断言するには足りないように思われる。

実は、台湾と支那の関係はウクライナとロシアの関係に置き換えても成立するからだ。

本来、ロシアだってウクライナを軍事侵攻するメリットは殆どなかった。国際社会から糾弾されるのは間違いないし、相当の損耗を覚悟する必要があると、当初から言われていたからだ。だが、ロシアは実行してしまった。

支那はそんなことはしないと断言できる理由は、僕には思いつかない。少なくとも軍事力行使の上で経済封鎖くらいはやるだろう。上陸作戦をやるとは思っていないけれども、海上でそれなりに大規模な衝突はあるだろうと思っている。場合によっては台湾本島の空爆くらいはやるかもしれないけれど。

そうなった時に日本が他人のフリができればいいのだが、それは自殺行為と言える。何故なら、シーレーンを握られることに等しいからだ。

そして、この時期に切り出した理由は、アメリカの大統領選挙に介入したいからなんだと思う。

自民党総裁選挙直前に、圧力をかけた結果、支那に融和的な石破氏が選ばれた。そう考えるのは早計だろうか?僕自身は影響がなかったとは思えないのである。

追記

今朝も気になるニュースが。

中国退役軍人らが相次いで台湾密航 国内混乱の兆しか、侵攻の準備か

2024/10/1 08:00

中国国内の混乱の兆しか、はたまた台湾侵攻を見据えた「グレーゾーン作戦」か-。中国人が小型ボートではるばる海を渡って台湾に密航する事件が約3カ月間で2件相次ぎ、台湾で議論を呼んでいる。密航者はいずれも「自由を求めて台湾に来た」と供述する一方、いずれも警備が緩みがちになる連休中に、軍事要衝付近にたどり着いたという共通点がある。台湾の警備体制を探るためではとの疑念の声が根強い。

産経新聞より

色々準備を進めている感じがする。

追記2

なんの準備かと思ったら、コレの準備だったか!

習氏、台湾は「中国の神聖な領土」 改めて「統一」に決意表明 中国建国75年で演説

2024/10/1 20:24

中国は1日、建国75年となる国慶節(建国記念日)を迎えた。習近平国家主席(中国共産党総書記)は9月30日夜、北京の人民大会堂で開催した祝賀行事で演説し、台湾問題に関して「台湾は中国の神聖な領土だ」と強調し、改めて「統一」に向けた決意を表明した。

中国国営新華社通信によると、習氏は「『台湾独立』分裂活動に断固として反対しなければならない」と表明し、「台湾独立」派とみなす台湾の頼清徳政権を牽制した。習氏は「統一」について、「歴史の車輪は誰も止めることはできない」と決意を語った。

産経新聞より

なんと言って良いのやら……。

随分内向きな話だが、その為に国連で演説したとは中々のモノである。そして、「改めて統一に向けた決意」をするのは良いのだけれど、「台湾は中国の神聖な領土だ」って、どういうこと?台湾は化外の地だったのでは?

「神聖」とはいったい……。

また、習氏は「党中央の権威と集中統一指導を断固として守り、全面的な厳しい党内統治を持続的に推進しなければならない」とも述べ、汚職取り締まりなどによる党の引き締めを今後も続ける構えを見せた。

産経新聞「習氏、台湾は「中国の神聖な領土」」より

そして、この辺りの話を改めて蒸し返す辺り、支那国内の動揺はかなり進んでいるのでは?という気がしてならない。

コメント

  1. 匿名 より:

    戦後、一度も武力衝突を経験したことない日本がいきなり他国防衛なんて無理でしょう
    せめてウクライナ戦争に日本製兵器出して、他国に通用するか確かめるぐらいのこと出来たら良かったんですけどね
    ロッキードマーチンやラインメタルは技術的に日本のはるか先です。また世界より軍事技術が遅れていく

    • 木霊 木霊 より:

      出来るか出来ないかで言えば、出来ないんでしょうね、他国防衛。
      そもそも憲法違反になっちゃいますから、そういう意味でもNGでしょう。

      軍事技術は、現場で使われないと発展しませんから、遅れは避けられないでしょう。

  2. wHo より:

    こんにちは。

    金門県制圧ぐらいはするかもしれませんね。
    当然台湾本島に牽制のため空爆等は行うと考えられます。
    また軍事的にはともかく政治的な侵攻はやめないと思います。

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      金門島は危ないでしょうね。
      ただ、支那の狙いを考えると、金門島は優先順位は低かろうと思います。
      先ずは、あまり争点になりそうにない無人島の占領辺りからはじめるのではないでしょうかね。

  3. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    >邦人拘束の事案が増えている
    そういう国相手に、トップがゲルというのは……
    いや、「防衛技術博物館を創る会」の援助会員としては、応援していただいていることに対して非常に有り難く思っているのですが。
    是々非々、と思うしか無いのでしょうね。
    とはいえ、「機関砲の発砲も辞さない(言うまでもないけど、撃墜許可では無い)」発言もあったと聞きますから、これからの石破氏がどう動かれるか、国益にかなうことを祈るのみです。

    >国連で「台湾統一」を
    うちのガキ(今年大学)が「とっとと『堂々退場す』やってくんないかな」って言ってました。
    そうしてくれると願ったりなんですが、得るもの失うもの考えると、最後までしがみつくでしょうね……

    >ロシアだってウクライナを軍事侵攻するメリットは殆どなかった
    経済的、外交的メリットより、「ルースキーミール」、偉大で広大な大ロシアを取りもどす、という思想的目標が上回ったのだと理解してます。
    これすなわち「祖国統一」と何ら違いは無いですよね。
    戦争なんて始めるヤツが、まともなこと考えてるわけないんですよね。

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      ゲルは期待薄ですね。
      岸田氏は案外バーサーカーっぷりを発揮して、即断してくれそうでしたが、幸いにしてその機会はありませんでしたね。

      国連は最早有名無実で、参加費を出すのも無駄な状況なんですが……。
      脱退するとそれはそれでリスクがあるんですよね。アメリカ辺りを巻き込んで、新たな枠組みを作ってそちらの影響力を高めた上で脱退、ということであれば良いんですがね。

      結局、独裁国家のロジックは、理屈じゃないんですよね。

  4. 砂漠の男 より:

    支那経済は悪化の一途をたどり、人民は困窮しはじめて、犯罪に走る者が出ている状況。
    上海のスーパー(ウォルマート)で切り付け 18人死傷 男を拘束(10/1 FNN)
    https://www.fnn.jp/articles/-/766594

    紅皇帝が経済失政を戦争でチャラにしようと考えているフシがありそうにも見えています。

    • 木霊 木霊 より:

      習近平氏のグリップ力が低下しているのでしょうね。
      なんとなく、人民解放軍の暴走が始まりそうな予感が。

    • 砂漠の男 より:

      追記)10月1日、湖南省邵陽市の副市長兼公安局長の李長躍が、国慶節式典中に
      銃撃されて死亡。犯人は同市公安局特殊部隊勤務の段鵬でその場で自殺。
      https://tinyurl.com/mr2ruub7

      こういう事件は枚挙に暇がないくらい多発しています。
      紅皇帝は台湾統一より、グラついている足元を固めることが先でしょう。

      • 木霊 木霊 より:

        湖南省邵陽市の襲撃事件、あれは確定なんですかね。
        紹介頂いた記事を見ると、当局が火消しした感じの感じになっていて、何らかの事件が発生した可能性は高そうです。

        国内の治安状況は悪化している感じですね。

        • 砂漠の男 より:

          台湾自由時報は、当局の情報統制により詳細(李長躍死亡)は不明としており、
          台湾国際放送は、李長躍と段鵬の両名死亡を報じています。
          https://news.ltn.com.tw/news/world/breakingnews/4818148
          https://www.rti.org.tw/news/view/id/2222753

          李長躍は、支那共の地方幹部ですから、当局の情報統制は一層強いのでしょう。
          ちなみに、この事件を報道している日本のメディアはないようです。

          • 木霊 木霊 より:

            紹介いただいた記事、どちらもなかなか凄いこと書いていますね。
            事件自体の真偽はどちらの記事も若干怪しい感じがしますが、背景情報として色々な不安要素がマシマシで書かれているのに興味を惹かれました。

            日本国内では報じられない、かなり治安悪化を感じさせる話であり、国内メディアは取り扱っていないみたいですね。
            なんとも…。