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レバノンは報復を決意、緊張は更に高まる

中東
この記事は約11分で読めます。

レバノンとしては大打撃を受けたのだから、この決定は理解できるのだが。

レバノン 通信機器爆発でヒズボラ最高指導者 報復する構え示す

2024年9月20日 7時19分

中東・レバノンの各地で、2日連続でトランシーバーなどの通信機器が爆発し、37人が死亡、およそ3000人がけがをしました。レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの最高指導者ナスララ師は19日、爆発後初めてテレビ演説し、犯行はイスラエルによるものだとした上で、「これは宣戦布告とも言える。正当な処罰を受けることは間違いない」と述べて報復する構えを示し、緊張の高まりと戦闘の拡大が懸念されています。

NHKニュースより

しかし、今のところイスラエル側が犯行を認めたという話もないんだよね。否定も肯定もしていないところはちょっと気になる態度であるとは言える。

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テロリズムはダメだろう

イスラエルは肯定も否定もしない

連日でこのニュースを扱って申し訳ない。前日のリンクはこちら。

テロ組織ヒズボラに「犯人はオマエだ!」をされているイスラエルだが、特にコレについて言及することはないようだ。

一連の爆発についてヒズボラは、イスラエルの犯行だとして報復を示唆していて、最高指導者のナスララ師が19日夕方、日本時間の19日夜遅くにも声明を発表する予定です。

一方、イスラエル政府は、一連の爆発について公式な反応を示していませんが、ガラント国防相は18日に北部の空軍基地を訪問し、「重心は北に向かっている。戦争は新たな局面に入った」と述べ、レバノンとの国境付近で部隊を増強する考えを示しました。

また、ネタニヤフ首相も18日に声明を出し、ヒズボラとの攻撃の応酬で、イスラエル北部から避難している人たちを「安全に帰還させる」と強調しました。

NHKニュース「レバノン 爆発 2日間で37人死亡」より

この態度は当たり前といえば当たり前なんだと思う。

何しろ、ここまで大規模で綿密な作戦が行える組織と言えば、中東にはモサドくらいしか存在しないのである。つまり、イスラエル当局が知らないわけがない。

したがって、証拠もなく犯人扱いされても無理もない話ではある。イスラエルとヒズボラは敵対勢力で、戦争状態にあると言っても良い感じになっているからね。

じゃあ、イスラエル側が否定すれば良いかというと、作戦自体は極めて順調に発動してヒズボラに対して大きなダメージを与えたことから考えても、否定するメリットはない。

肯定すれば、外国での大規模なテロ活動を実行したとして、国際法違反の誹りを免れないような状況になるだろうが、イスラム社会では「やったった!」「神の意志が示された」と、胸を張るような事案であるのだろう。敵対勢力を滅ぼすのは彼らの正義なのだから。

犯行の手法は不明

さて、今回の話、イスラエル側の犯行だとしたら、コレは許されないことをしたという国際的な非難は避けられない。

そして、その犯行の手法は明らかにされる必要があるだろう。

18日の爆発に使われた可能性があると報じられたトランシーバーについて、大阪市に本社がある通信機器メーカー「アイコム」は「およそ10年前に販売が終了している」としたうえで、「機械を使って非常に早い速度で製造しているので、爆発物が混入するような時間はない。偽物も多く出回っていた機種なので、自社の製品なのかどうかを確認したい」としています。

また、爆発した「ポケットベル」タイプの通信機器の製造に関わったと指摘されたハンガリーの企業「BAC」についてハンガリー政府の報道官は18日、Xで「その企業は取り引き仲介会社でハンガリー国内に製造拠点を持たないことを確認した」と投稿しました。

一方、アメリカの有力紙、ニューヨーク・タイムズは複数の情報筋の話として、「BACはイスラエルのフロント企業とつながっていて通信機器の製造者の本当の正体を隠すためにこのほか少なくとも2つのペーパーカンパニーもつくられていた」と伝えています。

そのうえで「BACは一般の顧客とも取り引きしていたが、ヒズボラ向けの通信機器は一般向けとは別に製造され、高性能爆薬を仕込んだ電池が組み込まれていた」としています。

NHKニュース「レバノン 爆発 2日間で37人死亡」より

ポケベルにしても、無線機にしても、市販品の段階で爆発物を仕込むというのはなかなかハードルが高い。

恐らくは、仲介する業者が一手に改造まで引き受けている感じで、中古品を買い漁ってリフレッシュするみたいな仕事をやっている業者がいるのだろう。

しかし、ポケベルの改造もかなり手の込んだやり方をしていたようだが、アイコムの無線機は正直、改造の余地がない。小型・軽量化のために徹底的に隙間をなくしているんだよね。

模造品が使われた可能性が高い

そして、何れも製造元は今回の騒ぎに関与していない可能性が高い。

アイコムは、同社のロゴが入った双方向無線機がレバノンで爆発したとの報道を把握しており、調査中だとBBCに説明。

声明では、「IC-V82は、当社が2004年から2014年10月にかけて中東を含む海外向けに生産・出荷していたハンディ型無線機です。約10年前に終売しており、それ以降本社からの出荷は行なっておりません。すでに本体を動作させるためのバッテリーの生産も終売しているほか、偽造品防止のためのホログラムシールが貼付されておらず、当社から出荷した製品かどうかは確認できません」とした。

~~略~~

これに先立ち、アイコムの米子会社の営業担当役員は、レバノンで爆発した無線機器は同社製ではなく、模造品のようだとAP通信に話した。また、模造品はインターネットで簡単に見つかるとした。

BBCが調べたところ、アイコムのIC-V82とされる機器がオンライン販売されているのがすぐに確認できた。

BBCより

バッテリーの劣化を考えれば、10年前に製造した機器が使える道理はないわけで、模造品であるかリビルド品である可能性は高い。

実際に、支那製のコピー品は結構で回っているようで、商品名を変えて販売されているケースも見かけた。

ただ、それにしたって流通品に爆薬を仕込んで、気づかれないというのも凄い話で。

ポケベル爆発第二弾

そしてそれ以上にえげつない。

動画:レバノンで連日の同時爆発、20人死亡 葬儀中に起きた爆発の瞬間映像

2024年9月19日 10:22

レバノン各地で18日、イスラム教シーア派(Shiite)組織ヒズボラ(Hezbollah)が使用しているポケットベル(ポケベル)型の小型通信機器が前日に続いて同時爆発した。保健省によれば、この同時爆発第二波により20人が死亡、450人以上が負傷した。

~~略~~

AFPTVの映像には、この日午後にベイルート南部で行われたヒズボラ戦闘員の葬儀中に爆発が起き、参列者らが避難する様子が捉えられている。

AFPより

これが偶々そうなったのか、このタイミングを見計らったのかで、かなり話は違ってくるのだが。

葬儀中に爆発って、そりゃ、多数の人が集まった中で爆発させるのだから、効果は高いんだろうけれど、それをやるか?

ヒズボラも、危ないことが分かっているんだから持ち歩くなよ……。

ともあれ、これで戦争のエスカレーションは避けられないことになりそうだ。イスラエルとしては状況を動かす口実としては持ってこいなんだろうけれど、ちょっと不味い戦略だったのではないだろうか。

追記

犯人像は未だ不明

さて、事件の紹介だけで終わってしまった本文なのだけれども、追記で少し思うところを言及しておきたい。

レバノン 通信機器の一斉爆発で国連安全保障理事会 緊急会合

2024年9月21日 12時05分 

中東のレバノンで通信機器が一斉に爆発し多くの死傷者が出たことを受けて、国連の安全保障理事会で緊急会合が開かれ、レバノンの外相はイスラエルによる無差別攻撃で国際法違反だと非難しました。

NHKニュースより

今回の件、上にも書いたのだけれど、未だに犯人は不明。手口も不明の状態である。

しかし、レバノン政府は「イスラエルが犯人だ!」というテロ組織ヒズボラの主張をそのまま鵜呑みにしている感じである。

確かにイスラエルが一番怪しいのだが、しかしイスラエル側は犯行を認めたわけではないし、今のところ有力な証拠も出てはいない。何より手口が明らかになっていないのである。いや、ポケベルや無線機が爆発したことは事実だし、太陽光発電システムが爆発したという話もあった。

なにかこう、統一感のない話である。

そして、レバノン政府が指揮して捜査しているかどうかも良くわかってはいない。レバノンの警察組織は何をやっているのやら。

ポケベルは誰が製造したのか

今のところ、調査が一番進んでいるのがポケベルの話。

ヒズボラのポケベル型機器、関連企業について分かっていること

2024年9月19日

レバノン政府は17日、同国を拠点とするイスラム教シーア派組織ヒズボラのメンバーが使用する、ポケットベルのような小型通信機数千台が各地で爆発し、子供2人を含む12人が死亡したと発表した。

BBCヴェリファイ(検証チーム)は、「BACコンサルティング」という会社を調べている。この会社は爆発した小型通信機の製造と関係があるが、機器本体には別の製造会社名が付いていた。

17日の爆発から間もなく、破損した小型通信機2台が写った複数の未検証画像がソーシャルメディアに浮上した。画僧では、機器に「GOLD」の文字と、「AP」か「AR」で始まる型番が付いているのが分かる。これは、台湾企業ゴールド・アポロが機器の製造に関わっている可能性を示す。

BBCより

ポケベルの販売に関わったとされるのが、「BACコンサルティング」という会社で、この会社の活動実態は極めて疑わしい。

BBCヴェリファイがBACコンサルティングの会社記録を調べたところ、設立は2022年で、株主は1人だと判明した。また、ハンガリー・ブダペスト市14区の建物で登記されていた。

BACコンサルティングのほかに13社と個人1人が、同じ建物で登記されている。

BBCより

活動実態があることは判明しているが、製造拠点を持っているかどうかすら不明。

複数記録によると、BACコンサルティングの2022年の純売上高は2億5699万6000フォリント(約1億370万円)、2023年は2億1030万7000フォリント(約8500万円)だった。

ビジネス向けソーシャルネットワークサービス「リンクトイン」で公開されている会社概要には、BACコンサルティングが連携したと主張する8つの組織が掲載されている。これには欧州委員会や英国際開発省(DFID)が含まれる。

BBCより

だが、多額の利益を受けている可能性が高いのだ。

もう一つ不可解な話がある。

台湾当局、通信企業の2人を事情聴取 レバノンのポケベル爆発で

2024年09月20日18時36分配信

レバノンでイスラム教シーア派組織ヒズボラのメンバーが使用中に爆発したポケットベル(ポケベル)に関する捜査の一環として、台湾企業の2人が事情聴取を受けた。

時事通信より

アイコム製無線機「可能性低い」 レバノン一斉爆発で同社見解

2024/09/21 10:55

レバノンで起きた通信機器の一斉爆発を巡り、通信機器製造アイコム(大阪市)は21日までに「爆発した無線機が当社製のものである可能性は限りなく低い」とのコメントを発表した。19日時点では自社製品の可能性があるとの見解を示していた。

信濃毎日新聞より

製造元は両社とも製造に関与した可能性を否定。両方とも技術レベルの高い製品ではないので、他国でも製造は可能だ。だけど、結構古い型式の製品なので、中古品をリビルドするにしても、それなりのコストがかかる。沢山流通している中で、調達しやすいポケベルと無線機だったのだろう。

でも、それを一手に引き受けて改造品をレバノン国内に流し、ヒズボラの構成員に使わせたというのは、なかなかヒズボラの内情をしっかり把握していたということになる。

スパイにそこまで入りこまれていたということだろうか。

レバノン政府は報復を望まない?!

なお、こうした事態に至って、レバノン政府もイスラエルを犯人扱いしているが、報復までは考えていないらしい。

中東のレバノンでは、17日から2日連続でトランシーバーなどの通信機器が一斉に爆発し、合わせて37人が死亡、およそ3000人がけがをしました。

これを受けて国連の安保理では20日、緊急会合が開かれ、出席したレバノンのハビブ外相は、イスラエルによる無差別な攻撃だとしたうえで「イスラエルはこのテロ攻撃によって軍人と民間人を区別するという国際人道法の原則に違反した」と非難しました。

ただ「レバノン政府は報復は望まない」と述べ、外交的解決を訴えました。

NHKニュースより

レバノンにも国軍はあって、陸海空でおよそ8万人の兵力を有している。一方、ヒズボラの戦闘員は最大4万5000人で、そのうち2万1000人が常勤だとされている。

ヒズボラは国会議員まで輩出する組織で、2022年には(128議席中)62議席と過半数割れになっているものの2005年には連立内閣に参加するほどの政治勢力である。

つまり、ヒズボラの決定はレバノン政府にも大きな影響力を持っているという意味である。

イスラエル軍がレバノン空爆

とまあ、そんな状況でイスラエル軍が動いた。

イスラエル軍 “レバノン空爆 ヒズボラの幹部殺害”と発表

2024年9月21日 6時17分

イスラエル軍は20日、隣国レバノンの首都ベイルートに空爆を行い、イスラム教シーア派組織ヒズボラの幹部を殺害したと発表しました。レバノンで通信機器が一斉に爆発し、ヒズボラがイスラエルに報復する構えを示す中、攻撃の応酬の激化で紛争が拡大することへの懸念が広がっています。

NHKニュースより

やっぱり無関係と言うには無理があるか。

なかなかやってくれるものである。

こうした中、イスラエル軍は20日、レバノンの首都ベイルートの郊外に空爆を行い、ヒズボラの幹部の司令官を殺害したと発表しました。

空爆があったのは住宅街で、レバノンの保健省はこれまでに12人が死亡し、66人がけがをしたと発表していて、地元のメディアは、死者に子どもも含まれていると伝えています。

一方、ヒズボラも20日、イスラエルに攻撃を繰り返していて、イスラエルメディアはレバノンから150発のロケット弾が飛来し、建物などに被害が出ていると伝えています。

NHKニュース「イスラエル軍 “レバノン空爆」より

しかし、イスラエル軍のレバノン空爆は、今に始まった話でもなく、それについてもイスラエル軍をレバノン軍が迎撃したという話も聞かない。何故か、イスラエルを攻撃するのはヒズボラなのである。

このあたりの構造がいまいち良くわからない。

コメント

  1. 匿名 より:

    1996年にモサドがハマスの爆弾製造者を携帯電話に爆薬を仕掛け暗殺しているからモサドの仕業とみられる。
    その割にはページャー(ポケベル)やトランシーバーのチェックをしないのも不可解。

    • 木霊 木霊 より:

      なるほど、伝統的な手法であると。
      ただ、ヒズボラ側の動きは結構不可解で、本当にイスラエルが主犯なのかは、若干疑っています。

  2. 河太郎 より:

    ヒズボラ=レバノンではのいのですが、実質的に軍事力持って圧倒的な影響力持ってますからねヒズボラは。ハマスで始末つけられんのに、ヒズボラを相手にするかい?と思わないでもない。
    そこバレバレの手法でやりますかねぇ?
    いや、今回はイスラエルを攻める気は毛頭ないんです。もともと私は政治手段としてのテロルを否定してない。テロというと赤色テロとかイスラム原理主義て浮かびますけど、白色テロてもんがあって、テロは反体制派の専売特許じゃない。
    ポケベルを利用して、危険分子を一斉に取り除くというイスラエルの決断力にはむしろ感心してます。テロはテロ後の世論操作や政治闘争で首を絞めるから「いけない」のであって、バレなきゃやって良いのすよ。
    CIAやSISや仏対外情報統局に旧KGBとテロ行為やってきてますよ沢山。
    CIA本部に星印★と地名だけ書かれた碑がありますけど、ソレ全部が秘密作戦中に殺されたエージェントの碑ですよ。
    その手の手段の問題は成功しても禍根を残す事ですが。でも禍根の残らぬ歴史なんかありませんし。
    なもんで、道義的な事でイスラエルを攻める気もない。ただコレでヒスボラが面子でカエシを討たざる得ない所に追い詰めちゃうと、イランが関わってくる。それ考えてんのかな? という疑問があるたけ。
    イエメンのフーシ派のドローンで、スエズの利用が下がってる。新大陸のパナマ運河は水量不足で物流がまならなない。
    ここでヒスボラにくっついてイランと事を構えると、ペルシャ湾の原油輸送が一変でアウト。腰の重いアメリカも手てこざる得なくなってくる。
    世界中が巻き込まれるのでせうねぇ、

    • 木霊 木霊 より:

      イスラエルがヒズボラ相手にドンパチやっているのは、ハマスの一件にかかわらずやっている印象です。

      白色テロ=右派が強権的手段でもって左派を鎮圧すること。為政者や権力者、反革命側(君主制国家の為政者あるいは保守派)によって政治的敵対勢力に対して行われる弾圧や暴力的な直接行動。
      赤色テロ=共産主義者が行なう反政府的暴力行為。

      テロの定義が崩れる……。てっきり反体制派からのものだけをテロと呼ぶと勘違いしていました。
      テロリズムとは「政治的目的を達成するために、暗殺、殺害、破壊、監禁や拉致による自由束縛など苛酷な手段で、敵対する当事者、さらには無関係な一般市民や建造物などを攻撃し、攻撃の物理的な成果よりもそこで生ずる心理的威圧や恐怖心を通して、譲歩や抑圧などを図るもの」
      うーん、なるほど。

      しかし、バレなければ良いというのは、あまり賛同できないのですが、ご指摘のように確かにCIAは結構暗躍していた記録が残っていますし、KGBはそれ専門みたいな印象はありますね。
      綺麗事だけでは政治はできないとはいいますが、この件はちょっと考えさせられました。

      そして、中東の火種が世界に広がれば、ご指摘のように世界中が巻き込まれる危険性が高そうですね。

  3. 河太郎 より:

    木霊様はフレドリック・フォーサイスの「ジャッカルの日」または映画を鑑賞した事がありますか?
    あれはド・ゴール大統領暗殺未遂事件を題材にしてますが。
    狙われるド・ゴールはレジスタンスを鼓舞した英雄で、アルジェリア独立を認めた事で右派から狙われる。スナイパーを雇い暗殺しようとするのが、OSAだったかな、アルジェリア戦争で活躍した外人部隊や遠征軍の元兵士による秘密組織。完全右派です。
    仏刑事警察は組織と刺客を追い詰める為に、ユニオン・コルス(コルシカマフィア)を動員して、怪しい元軍人を拉致誘拐、拷問していた。OSAの退役軍人たちはテロ資金の為に銀行強盗するなどメチャクチャ。
    かなりな数のマフィアも報復殺してるし。
    未遂事件当時にMI6から資金を貰って特派員に潜り込んだフォーサイスが取材メモを元に書いた世界的ベストセラーです。かなり事実を元に書いてる。
    フォーサイスの自伝と読み比べると、ド・ゴール暗殺未遂事件が、赤軍派的な反体制派は抜きに、国家主義者同士のテロ合戦だった事がよくわかります。

    • 河太郎 より:

      因みにフォーサイスは、このベストセラーで得た巨額の印税で、傭兵部隊を雇い、
      赤道ギニアでクーデターを起こそうとして失敗してる。(失敗したけど、失敗を元に「戦争の犬たち」を書いて大儲け????)
      その経緯みていて想うんですがね、ジャーナリストだと言ってる欧米の連中は、少なからず母国の軍や諜報機関とツルんでるもので、報道が唱える「中立」なんて、嘘八百なのが伺えますよ。

      • 匿名 より:

        SIS(英国秘密諜報部)出身のスパイ小説がなんと多い事か

      • 木霊 木霊 より:

        フォーサイスの逸話は知りませんでした。
        Wikiで確認してきましたが、なるほど、変人だ。
        MI6とコネができたばっかりに、スパイ活動までしちゃうとは。小説の成功で地位も名誉も得たはずなのに、不思議な話ですね。

    • 木霊 木霊 より:

      確か、映画の方は見ています。ただ、アメリカ版の「ジャッカル」の方を先に見たせいか、イマイチシナリオが混じっているので、内容を正確には把握できていない気はしています。
      「ジャッカルの日」の方は、エドワード・フォックスがジャッカル役をやっていましたっけ。狐なのにジャッカルなのかと。でも、「ジャッカル」の作り方とは全然違って、びっくりした記憶が。

      さておき、ドゴールの暗殺を企てるOASとフランス警察の戦いで、何故かマフィアが出てきて警察側に立って戦う話で、よく考えてみると不思議な話ですね。あれが、事実に基づいた話だとは。
      ですが、レバノンの話を考えても、事実は小説よりも奇なりを地で行く話ですから、理解が追いついていないだけで、そういう側面もあるのでしょうね。正義とは一体……。

      • 河太郎 より:

        あ、そのマフィア参戦は簡単すよ。
        もともと対ナチスでレジスタンス側だったコネです。
        シチリア上陸戦の時に、米国はラッキー・ルチアーノをシチリア島に空挺降下させて、現地農民と現地マフィアを味方につけますよね。
        同様にコルシカやフランス本土でも、
        シマ荒らしするナチスをマフィアは嫌っていた。それなりに撹乱戦術で効果を得ていたので、レジスタンス側つまり戦後のフランス司法にコネあったからでせう。
        これ南米てもそうてないですか。
        アルベルト・フジモリが亡くなりましたが、そもそも彼が戦ったセンデルロ・ルミノソやツパクアマルなどの反政府ゲリラが麻薬を財源にしていたのは御存知てせう?
        彼らの指導部が投獄中に、やはり刑務所にいた麻薬組織に、効率的な組織化を教えて、獄外の組織立て直しを手伝うんです。そうしてツーツーになり、
        反政府組織にマフィアを取り込んだ。
        こっちは極左ですが、彼らの特技はオルグと洗脳と集金てせう?
        軍政の下で瓦解しかけたマフィアとしては「筋の良い先生」で(笑)、マフィアと極左がツルんでいくんてすよ。
        戦争と刑務所は過激派とヤクザの初等教育機関なんてすね(笑)

        • 木霊 木霊 より:

          あー、警察も暴力団とのコネがあるとは聞きますし、イタリアやらブラジルやらなら、まあ、関係を持つなと言う方が難しいのかもしれませんね。
          納得の話です。

          ……納得したくないなぁ。