最近、意味がわからないニュースも結構増えている。
ポケベル爆発 ヒズボラ“イスラエルによる犯行だ”報復を示唆
2024年9月18日 19時35分
中東レバノンの各地で「ポケットベル」タイプの通信機器が爆発し、これまでに12人が死亡し、2700人以上がけがをしました。
NHKニュースより
ポケベルが鳴らなくて……。いや、現代でもポケベルが存在すること自体が信じられないんだが。
狙われた通信機器の電池
本当にポケベル?!
うーん、意味が良くわからない。
イスラエルの隣国レバノンの各地で17日、メッセージを受信できる「ポケットベル」タイプの通信機器が相次いで爆発し、レバノン保健省によりますとこれまでに12人が死亡、およそ2750人がけがをしたほか、ヒズボラは関係者2人が死亡したと発表しました。
~~略~~
一方、この通信機器の製造元と伝えられた台湾のメーカーの代表が18日、台湾北部の新北で報道陣の取材に応じ「ブランドの使用権を与えている会社が製造したもので、わが社の製品ではない」と述べました。
NHKニュース「ポケベル爆発」より
メッセージを受信できるタイプの通信機器だったらしいことはわかったのだが、どんなアイテムなのか。

検索すると、AR-924というアイテムはこんな感じの通信機器らしい。本当にポケベルっぽいな。リンク先はエラーになってしまうので、キャッシュをキャプチャーしてきたのだが、見る限り、テキストメッセージを受け取って表示させる機能くらいしかなさそうだ。
ヒズボラはイスラエル側から位置を追跡されることを避けるため、テキストメッセージを受信する機能のみが付いたポケベル型の通信機器を連絡手段として使用しているらしい。
日本ではサービス開始が1968年で、1996年に利用者がピークに達し、その後衰退して2007年にはサービスが終了している。
現代では
そういえば、一部の病院で呼び出し用のアイテムとしてポケベルのようなアイテムを使っているところがあったな。
調べたら、大井電気というところが作っているらしい。僕が見たやつはこれじゃなかったが…。

台湾のゴールド・アポロ社が、一体どんな業態で、どんな需要に対応しているのかイマイチ不明なのだが、メッセージを一斉送信するアイテムも、それなりの需要はあるのではないか?というような気はしている。
イスラエルは、ヒズボラのポケベル爆弾にこのハンガリーの企業を利用したのだろうか?
2024年9月18日 13:40 公開 最終更新日: 2024年9月18日 15:51
台湾のゴールドアポロが、端末にロゴがあるにもかかわらず製造元ではないと発表したため、ブダペストに拠点を置くBACに注目が集まっている。同社のウェブサイトを調査すると、謎はさらに深まるばかりだ。ゴールドアポロの台湾担当マネージャーは、BACの支払い方法は「奇妙」で、中東経由だと述べている。
israelhayomより
ほー。
レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの最高指導者ナスララ師はことし2月13日に行ったテレビ演説で、ヒズボラの関係者に対し安全を確保するためとして、携帯電話を持ち歩かないよう呼びかけていました。
このなかでナスララ師は支持者に向けて「家族を守るため、携帯電話は埋めてしまうか、鉄の箱に入れておこう」と呼びかけています。
この時期、ヒズボラはイスラエル軍によるヒズボラの戦闘員を標的にした攻撃を繰り返し受け、合わせて100人以上の戦闘員が死亡していました。
こうしたなか、ロイター通信などによりますと、ヒズボラは居場所が特定されないよう、携帯電話に代わる通信手段として「ポケットベル」タイプの通信機器を戦闘員から医療従事者までさまざまな関係者に配ったとしています。
NHKニュース「ポケベル爆発」より
なるほどね、レバノンの指導者が「携帯電話を持ち歩くな!」と呼びかけたおかげで、別の通信手段として、レガシー技術であるポケベルに目を付けたわけか。
注文したのは数ヶ月前らしいので、今年初めに急いでシステムを構築したのだろう。ところが、その動きは目をつけられていた。
埋込式の爆発物
どうやら、通信機器本体には少量の爆発物がバッテリー横に埋め込まれていた模様。
爆発した通信機器には少量の爆発物が本体のバッテリーの横に埋め込まれ、遠隔操作で爆発させるためのスイッチも後付けされていたということです。
ニューヨーク・タイムズによりますと、現地時間の午後3時半、この通信機器がヒズボラの指導部を装ったとみられるメッセージを受信し、それによって爆発が引き起こされたとしています。
NHKニュース「ポケベル爆発」より
なんとも大掛かりな作戦だが、ロシア軍などでもウクライナ戦線で携帯電話を使用して位置を特定されて爆撃されるみたいな話があったので、割と一般的な技術なのだろう。
そりゃ、強い電波を発信する機械であれば、特定は容易だよね。
そして、今回はソレを警戒して情報を受け取るだけの装置を配布していたのだけれど、そこに目をつけられて、内部に爆発物が仕込まれ、バッテリー横にセット。バッテリーはリチウムイオン系だろうから、爆発の威力を増してくれるわけだ。
レバノンでは気温が高い日々が続いていることから、比較的薄着で受信機器を身に付けていたんだろうね。

で、皮膚の近くで爆発が起きれば、そりゃ命に関わるだろう。胸ポケットなどに入れていようものなら、心臓の近くで爆発するということになる。尻ポケットに入れていたとしても、大怪我は避けられまい。

うへぇ、酷いことするな。
イスラエルの仕業だ!
で、当然、レバノンの仲間、イランも激怒する。
イランの国営テレビは、一連の爆発でレバノンに駐在するイラン大使も軽いけがをしたと伝えました。
これを受けてイラン外務省は17日、声明を出し、アラグチ外相がレバノンのハビブ外相と電話で会談したと発表しました。
それによりますと、アラグチ外相は被害者に哀悼の意を示すとともに、イラン大使のけがの治療に礼を述べたということです。
その上で今回の爆発について「レバノンの市民を狙ったイスラエルのテロ行為だ」と強い言葉で非難したということです。
NHKニュース「ポケベル爆発」より
ふーん。市民を狙った卑劣なテロ、ねぇ。ただ、狙われたのはテロ組織ヒズボラ戦闘員らが使う通信機器なので、NHKはそのあたりを濁して伝えている印象だ。
爆発を受けてヒズボラはイスラエルへの報復を示唆しているほか、最高指導者のナスララ師が19日、演説を行うとしていてイスラエルとの間で緊張が高まることが懸念されます。
NHKニュース「ポケベル爆発」より
ただ、現時点ではイスラエルの関与は不明なんだよね。
なお、17日にレバノン各地で爆発した通信機器に続き、18日にもベイルート郊外で無線装置と思われる通信機器が爆発して被害者が出ている。
通信機器一斉爆発15人死亡 ヒズボラ標的、2日連続
2024/09/19
レバノンの首都ベイルート郊外など各地で17日、親イラン民兵組織ヒズボラ戦闘員らが使うポケットベル(ポケベル)型の小型通信機器が一斉に爆発した。レバノンのアビアド保健相は18日、子ども2人を含む12人が死亡したと発表した。負傷者は約2800人。ヒズボラは敵対するイスラエルの攻撃と非難し、報復を宣言した。米紙はイスラエルがヒズボラを標的に遠隔操作したと報じた。
ロイター通信などによると、18日もベイルート郊外など各地でヒズボラが使用する通信機器が爆発した。3人が死亡し、数百人が負傷した。爆発は2日連続。
共同通信より
この被害、隣国のシリアでも発生しているので、どうやら各地に点在するヒズボラの構成員が狙われたのは間違いなさそうである。
そして、こうした能力があるのはイスラエルなのだが……。そういえば、韓国製のスマホが爆発する事件が多発した時期があったよね。その後、支那製のスマホも爆発するとかなんとか。
今回の事件は、携帯する通信機器の電池に、かなりの破壊力があるということを理解したうえでの犯行であろうし、通信手段を寸断するという意味では極めて効果的な作戦だったと言える。
だが……、そこまで用意周到に作戦に使う電子機器を用意できるものだろうか?それこそ、分解すれば一発で怪しい電子機器であることはバレてしまうだろう。それが発覚しないような隠蔽工作がなされたということかもしれないが、果たしてそんなに上手くいくものだろうか。
逆に、それほど上手くいくというのであれば、敵対勢力が関与する可能性のある通信機器を使用するというのは、あまりに迂闊ではないだろうか。支那製の電子機器などは、その典型であると思うのだが。あなたの乗るEVは、本当に安全ですか?
この話、手口が明らかになれば世界を震撼させることになるかもしれない。
追記
おおっと、別の意味で日本を震撼させるニュースが。
日本製トランシーバーか、レバノンで通信機器がまた爆発 20人が死亡、450人以上負傷
2024/9/19 07:32
レバノンの首都ベイルート郊外など同国各地で18日、新たに通信機器が相次ぎ爆発し、20人が死亡、450人以上が負傷した。ロイター通信によると、機器は親イラン民兵組織ヒズボラが使うトランシーバーで、日本製だとみられる。通信機器の一斉爆発は17日のポケットベル(ポケベル)型に続いて2日連続となった。
産経新聞より
製品の型番など詳しい情報は出ていないが、すでに生産していないものらしいという話はチラホラ出回っている。
そして、同時に出ているニュースがこれ。
18日の爆発も17日と同様にヒズボラが影響力を持つベイルート南部やレバノン東部ベカー高原を中心に発生した。国営通信によると、家庭用の太陽光発電システムも爆発した。
Yahooニュースより
太陽光発電システム……。十中八九支那製だろうね。もう、どこの国の製品かは関係なくなってきたな。
追記2
あ、あと、無線機の情報が。
ICOMのIC-V82か。画像の出所はCNNみたいだけど。
爆発したトランシーバーは日本メーカーの製品 レバノン通信省
2024.09.19 Thu posted at 10:34 JST
中東レバノンで18日に起きたトランシーバーの爆発事件で、爆発したのは日本企業のアイコムが製造した「IC―V82」というモデルだったとレバノン通信省が明らかにした。IC—V82の生産は既に終了している。
CNNより
ふーん。アイコムも認めているな。それにしても10年前に生産終了しているのに、よくもまあ出回っていたものである。実のところIC-V82の偽物って、外国でもかなりの数でまわっているんだよね。CNNの写真は、アイコムの文字が見えるように写しているけれども。
IC-V82は、当社が2004年から2014年10月にかけて中東を含む海外向けに生産・出荷していたハンディ型無線機です。約10年前に終売しており、それ以降本社からの出荷は行なっておりません。すでに本体を動作させるためのバッテリーの生産も終売しているほか、偽造品防止のためのホログラムシールが貼付されておらず、当社から出荷した製品かどうかは確認できません。
~~略~~
当社の無線機は、すべて和歌山県にある生産子会社・和歌山アイコム株式会社でISO9001/14001/27001に基づく厳格な管理体制のもとで生産しており、規定の部品以外を使用することはございません。また、すべての無線機を同工場で生産しており、海外での生産は行なっておりません。
icomのサイトより
大騒ぎになってるんだろうね。
コメント
最初はサムソンの爆発話かと思ったら……
たしかにポケベルって、細胞の受信専門なら
有用ではあるのですね。宇田川警備隊とか最初期のチャイニーズドラゴンとか、いまの半グレの源流となるチーマー連中はよくコレを多用してましたよ。連中に同行してる時に敵対チームに囲まれてアワアワしてたら、一斉連絡機能で援軍を頼んでいた。あっという間に(別々の方向から)20人以上が集まってきて驚いたものです。
発信元が移動する事を前提にすれば、受信する細胞・兵隊には探知が行きませんから便利かもしれません。ポケベルの電波到達力は、携帯やトランシーバのそれより高いんですよ。
サムスンのスマホ爆発ニュースなら、ホノボノニュース扱いでいい(多数同時に爆発する話ではないので)のですけれどね。
文字通信だけ受信するというタイプは、組織では結構使いやすいかもしれませんね。
そして、チャイニーズドラゴンはまだまだ暗躍していますねぇ。
爆発した日本製品はトランシーバー、起爆信号は潜入工作員か買収された現地人。
トランシーバーの製品情報は未だ見当たらないのですが、廃盤になったアイテムっぽいですね。
昨夜のNEWSでBACなる会社の取材映像があり、所在地はほぼ普通の民家で複数の会社表示があり、たまに郵便物を取りにくるだけ、との証言でした。これはもう典型的なダミーカンパニーで、本当のメーカーは別にあるのでしょう。そこで爆弾仕込んだポケベルを製造し、商標権を買ってある台湾メーカーのラベル付けて、複数の商社経由で台湾製を装ってヒズボラに売る、と。
モサド恐るべし、ですな。
今のところはモサド犯人説が濃厚ですね。
しかし、本文のところにも書きましたが、そんなに旨いことハマる戦略だったとはちょっと信じ難い気分です。
まあ、信じ難い作戦を成功させたからこそ、効果は絶大なわけですが。
横合いから失礼。
>そんなに旨いことハマる戦略だったとは
数撃った「下手な鉄砲」のうちの、上手いこと中った鉄砲だった、そんな感じでしょうか。
多分、ものすごい数の「鉄砲」を撃ってると思います。どの陣営も、どこもかしこも。
日本もこれくらいの工作てきる諜報機関を公式に持つべきですよ。