ああ、腹が立つ。
コメ不足の“犯人”は明らかだ 米国頼みの食糧政策に危機感ゼロのメディアと日本国民
公開日:2024/09/01 06:00 更新日:2024/09/01 06:00
「令和の米騒動」だと騒いでいる。
メディアは、猛暑で米が不作だった、南海トラフ地震が来るかもしれないと備蓄を始めた、米を目当てに来る外国人観光客が増えたからだと理由を並べるが、どれも的を射てない。
日刊ゲンダイより
しれっと、「自分は関係ありません」ってな記事を書いているが、犯人はオマエもだよ!まあ、この記事は後で触れるが、タイトル詐欺なんだけども。
注:サムネの写真は今年のものではありません。
どうあっても政府の責任にしたい
放言を続けるゴミメディア
かなり歪な記事を書いている日刊ゲンダイの記事は論評に値しないのだが、取り敢えず突っ込んでおく。
- 令和の米騒動とメディアが騒いでいる
- 「外国人がー」「不作だったー」「自信の備蓄がー」と的外れの分析をしている
- そもそも日本は慢性的な食糧不足
- 食糧自給率を上げるためには、洋食中心から和食中心の食生活に変更すべき
- 農業政策も転換しろ!減反政策を止めろ!
あれ?こうやって要点だけ抜き出すと、割と真面なことをいっているぞ。でもこれ、「令和の米騒動」の話は余り関係ないな。タイトル詐欺なのかもしれない。
それと、「減反政策」そのものは終わっているのを知らないのかな。今は価格調整のために減産を行っている「減産政策」というほうが正確である。
まあいいや、別のアホメディアの記事も紹介しておこう。
令和の「米騒動」 米不足で価格は26%上昇も”備蓄米放出せず”「消費者不在」のコメ行政【播摩卓士の経済コラム】
2024年8月31日(土) 14:00
店頭の棚からコメが消え、コメが手に入らないと悲鳴が上がっているのに、「全体としてコメは足りています」、「落ち着いて行動して下さい」と言うだけの農林水産省は、一体、何のために存在している役所なのでしょうか。こんな官僚答弁を繰り返すだけで、消費者不在の行政を続けるのなら、農水大臣は政治責任さえ問われて然るべきです。
TBS NEWS DIGより
読む価値はないが……、こちらも要約しておこう。
- 農水大臣、責任をとって辞任しろ
- 品薄の理由が「8月はもともと端境期で在庫が少ない」「南海トラフ地震臨時情報や台風による需要増」
- 政府方針は「品薄は新米が流通する9月頃には解消する」「だから政府備蓄米放出はしない」「必要な量だけ買うなどの落ち着いた購買行動をお願いしたい」
- 消費者のせいにしているが、米を入手できない消費者がいるんだ!なんとかしろ
- 農水省は「円滑な流通に取り組む」方針に微調整
- そもそも年に毎年4~500億円もの財政負担をしながら100万トンもの米の備蓄をしているのに、こういう時に使え!
- 米の価格は上がっているじゃないか!
- 「備蓄米の放出」はアナウンス効果がある
- それをやらないのは農政の失敗だ!
なんか、ピックアップして悲しくなってきたな。農政の失敗という話は前回の記事でも指摘したし間違いではないんだけど、ちょっと論旨はおかしいよね。
米価が上がっている
まず、こちらのニュースを。
全国的な“コメ不足” 新米入荷も4割高 備蓄米放出に農水省幹部「放出すればコメの価格がさがる」
2024年8月31日(土) 15:09
スーパーなどでコメの品薄が続く中、政府は30日、改めて備蓄米の放出には踏み切らない考えを示しました。なぜなのでしょうか?
~~略~~
このスーパーでは、普段から取引のある農家から新米を入手。ただ、仕入れ値が上がっているため、例年より4割高い価格で販売しています。
TBS NEWS DIGより
ああ、これもTBSか。

大阪府知事の吉村氏が、「備蓄米を出せ」と放言して話題になったが、あの人はいつも炎上商法だから参考にすべきではない。
備蓄米の放出は計画的に行うべきだが、7月頃から品薄傾向にあったから「出せば良かった」という話をするのと、「今から出せ」というのは随分と話が違う。
米の価格が高騰しているのは事実だし、米が品薄になっているのも事実である。
「コメ騒動」農政に転換迫る 8月購入量1.5倍・価格4割高
2024年9月2日 2:00
8月に入り、スーパーなどの小売店でコメやパックご飯の購入量が例年の1.5倍に増えたことがわかった。品切れを懸念し、多くの消費者が商品の確保に走った。混乱の裏側には、供給を抑え米価の維持を優先する旧来型の農業政策がある。今こそ政策を見直す好機といえる。
日本経済新聞より
この記事も「農政の失敗」を指摘しているが、重要なのは8月の流通量が例年の1.5倍になったという点である。
当然、例年の傾向を見て需要予測を立てている政府に、そんなことを予測できたはずもない。
煽るメディア
実は5月から7月にかけて、メディアがスクラムを組んで「米不足」を煽っていた。
「スーパーに米がない」SNSで“米騒動”心配する声も… 農水省「93年とは状況違う」冷静な対応を呼びかけるワケ
7/15(月) 9:00配信
日本人の主食である米をめぐり、5月ごろから「米の価格高騰」や「米不足」がNHKや地方局などで報じられている。
SNS上でも、「スーパーに米がない」「米がめちゃ値上がりしてる上に、売り場すかすか」「また平成の頃のように米騒動が起こるのかな」といった声があがっている一方で、「近所のスーパーはいつも通り」との声も見受けられた。
Yahooニュースより
NHK、てめーか!
コメ価格上昇 今後は? “低価格帯は不足気味”の報告も 5月は前年同期比12%高く
2024年6月17日
さまざまな食品が値上がりする中、去年の猛暑の影響で、コメの価格も上がっています。5月、JAグループなどが卸売業者に販売した去年産のコメの価格が発表されました。すべての銘柄の平均で60キロあたり1万5500円あまりと、去年の同じ時期に比べて12%高くなりました。コメの価格や供給の状況、今後の見通しなどについてまとめました。
NHKニュースより
主食用コメの在庫が過去最少に 去年より20%減
2024年7月30日 19時00分
コメの値上がりが続くなか、先月末の時点の主食用のコメの在庫が去年より20%減って、記録を取り始めて以降、最も少なくなったことがわかりました。
NHKニュースより
もう、解体した方がイインジャナイかな?
日本経済新聞も頑張って火種を作っていたようだが。
コメ6〜8割高騰、猛暑不作にインバウンド需要が拍車
2024年5月21日 5:00
コメの卸会社が取引する価格は5月以降、代表的な新潟産コシヒカリが前年同期比で6割高と、約13年ぶりの高値をつけた。8割高の銘柄も登場。2023年の猛暑でコメの品質が低下したことで、流通量が減ると同時にインバウンド(訪日外国人)回復で需要が膨らみ、品薄感が強まった。硬直的な生産・流通体制が家計の負担増につながっている。
日本経済新聞より
結局のところ、こういった報道が外食産業などに先手を打たせ、米の安定確保を目指して消費の先食いが生じた結果、品薄感が加速して米の価格が高騰したという結果になったと理解すべきだろう。
実際に、外食産業においては米不足という状況にはなっていない。
どんな農政が望ましいのか
減反政策は世紀の愚策だったのか
さて、ちょっと誤解を生じているので「減反政策」に関して少し説明しておきたい。
減反とは 廃止後もコメ生産量の減少続く
2022年7月2日 2:00
▼減反 コメの過剰生産を抑え、米価を維持するために国がコメの生産量を調整する制度。農林水産省によると、食生活の変化で1960年代半ばにコメが余り始めたことを受けて70年に始まり、2018年の廃止まで続いた。国が都道府県ごとの生産量を決めた上で、各地の農業協同組合などが農家ごとに生産量を割り当てていた。田んぼの面積を表す単位である「反」を減らすことから減反と呼ばれた。
日本経済新聞より
そもそも減反政策は何故始まったのか?といえば、昭和40年代に入って、日本人の食事の欧風化が進行した。これは、GHQ主導で行われた食糧事情改善政策に起因しているといわれているが、アメリカの小麦戦略にも大いに影響を受けている。つまり、アメリカは格安で日本に小麦を普及させて、日本の主食転換を狙い、顧客を増やそうと試みた結果なのである。
その狙いにまんまと乗って昭和45年に始まったのが、減反政策なのである。小麦の消費が増えた結果、米の消費量は減少の一途を辿り、その為に政府は米の余剰をもてあますようになった。
実は、日本人の食糧事情改善の一環として、食糧管理制度によって政府が農家から米を買いあげて、価格付けをして販売するということをやっている。米の消費が減っている状況なので、生産量を落とすために始めたのが減反政策である。


まあ、その効果は絶大だったようだが、その結果、何が起きたのかといえば食糧自給率も減少の一途を辿っているということだ。カロリーベースの食糧自給率なんだが。

……食糧自給率は、カロリーベースの指標なので実態との乖離はあるのだが、減反政策の推進と自給率の減少には相関があるようだ。
あれ?食糧自給率の向上を政策として掲げてませんでしたっけ?
更に、こんな話も農水省は推進している。
方針自体を批判するつもりはないのだが、これが今般の米不足に拍車をかけてしまった事実はある。
やっぱり、減反政策はダメだったんじゃないかな。
減産政策
しかしながら、農水省は減反政策はやめても方針転換した、というわけではないようで。
政府は02年に消費者、市場重視の需要に即応したコメ作りを推進するとした米政策改革大綱を策定。07年に生産調整の決定主体を国から産地に移し、減反政策を実質的に止めた。しかし、この年の米価が前年から7%下落したことで反発が起きたため、すぐに生産調整の主体を国に戻した経緯がある。
減反政策が廃止され、農家は自主的な経営判断でコメを作れるようになったが、人口減少の影響もあり、飼料用を除くコメの生産量は右肩下がりだ。21年産は756万トンで、00年産の947万トンから20%減少した。農水省は減反政策をやめた後も主食用米の全国の生産量の目安を示している。コメから転作する農家に補助金を継続しており、主食用米の生産量を絞る仕組みを残している。
日本経済新聞「減反とは 廃止後もコメ生産量の減少続く」より
結局のところ、食糧管理制度を続ける以上は、農水省が米価の調整するという結果になる。
だから、減反政策を止めても、消費が拡大しない以上は減産して欲しいという風な動機が働くわけだ。その一端が転作支援である。
コメ農家の野菜転作支援 農水省、機械導入など補助
2016年8月31日 20:20
農林水産省はコメから野菜への作付け転換を促す制度を創設する。稲作農家に対し、専用機械の導入や野菜の栽培技術を確立する取り組みを支援する。稼ぐ力が弱く、補助金に頼りがちなコメへの偏重を改め、農業の競争力を高める。
日本経済新聞より
農水省の農政において、一番のネックになっているのが稲作に対する助成措置である。稲作に関してはかなり手厚い助成がなされている。まあ、作った米は政府が買い取ってくれるので、低品質の米を作ってもそこそこ儲けが出る構造になっている。
関税も米だけは280%(以前は778%としていた)となっていて、ココだけ見ても手厚さは解ろうというもの。
稲作保護の一方で、整合性をとるための生産調整というバランスの悪い状態になっているので、歪んだ政策になっているのは事実だろう。

こんなことを言われている状況なのだから、そろそろ米だけ特別扱いするのは止めた方が良いのだろう。
来年もおかしな方向性は続く
で、未だにこんな状況なんだけれども。

まあ、既に公表されている方針なので、コレから方向修正ということは考えられるため、参考程度にしかならないのだけれども。
そもそも日本の農業従事者が減っているのだから、少しでも後継者が増えるような方向性を促せば良いのに、どうしてこう小手先の対策が先行するのか。
備蓄米放出は可能なのか
さて、では、政府が備蓄米を放出すれば良いのか?というと、部分的にはYesということになるが、トータルで考えるとマイナスの方が大きいと思われるのでNoだ。今、放出すべきではない。

実のところ、現在は市場に流通している米の量は少ない状況にあるが、民間の倉庫には結構な量の米があることが統計上判明している。
農水省の調査では、前年度比マイナス40万トンとあるが、82万トンほどの在庫(7月末現在)があることが分かっている。この数値が正しいかどうかはハッキリしないところはあるが、減っている理由は実は別にある。
米の民間在庫330万t 前年同月▲21万t 11月末現在 農水省発表
2023年1月20日
出荷段階・販売段階合計の民間在庫量は対前年同月差▲21万tの330万tなった。同5.9%減。
出荷段階では同▲20万tの278万t、販売段階で▲1万tの52万tとなっている。
販売段階の在庫は2022年3月から21か月連続で対前年比減となっている。コロナ禍による販売不振で卸等が在庫を持たなくなったことが要因と考えられる。
JAcomより
これは去年の1月の記事なのだが、民間在庫はその頃から減少傾向にあったのだ。

民間在庫が減っているのは、単純に流通量の減少ということもあるのだけれども、そもそも多くの店が在庫を置かないような方向に舵を切っていたことも関係している。
とはいえ、民間在庫が払底している状況ではないのに、ここで備蓄米の放出を行うと、民業圧迫ということになりかねない。
政府は消費者への配慮も必要ではあるが、販売店などの動向にも一定の配慮をする必要のある立場にあり、更に、新米の出回るこの時期に備蓄米を放出しようものなら、生産者の販売価格にも打撃を与えかねない。
おそらく、備蓄米の放出があるとすれば、民間在庫が払底してしまう予測が出た状況か、新米販売の価格付けが終わった後のタイミングしかないだろう。今、アナウンス効果を効かせると、効き過ぎてしまうことも考えねばならない。
よって、このタイミングで放出というのは、政策としては宜しくないだろうと言う事になる。
自民党の総裁選挙に影響を与えようと、主要メディアは画策している節もあって、今般の米騒動は演出されている可能性も否定できない。
そもそも、今メディアがアナウンスすべきは、民間在庫の状況は未だ安定的であって、新米入荷は始まっているので安定的な新米入荷ができる9月中頃までには価格も落ち着くだろうという見立ての報道であって、「米がない」と騒ぐことではないのだ。アナウンス効果は、メディアこそが担うべき分野なんだが。
最悪なのは、日本共産党で、このタイミングで大騒ぎしている。
根本的な問題が分かっていたのなら、何故政策を是正する方向に活動しない。今必要なのは、騒ぐことではなくて政策の見直し提言だろうに。
メディアは、こういう馬鹿騒ぎに乗じて炎上商法を狙っている。いつものことではあるが、どうしようもない。
コメント
なにこいつら!
英国の反イスラム暴動を煽った奴らと変わらないじゃないすか????????
NHK解体。バカな報道のデスクは死刑!!
農水省か作況指数101だと言っておるが!
平成米騒動の時は冷害で74だ。27の差かあるのわからないのか??
だいたい食糧自給率の低さも、減反もこいつら批判して止めようした事ないじゃん!
まぁ一橋文也が新聞社やめてルポライターになるわけだなぁ。
ウソ八百で人心を惑わすならば、それはショッカーとか死ね死ね団と変わらんです。
どうなっているんでしょうね?
仕事しないメディアも大概なんですが、どうにもNHKを始めとした主要メディアは仕込みされている気がするんですよね。
それはさておき、稲作関連の政策は見直すべきだとは思っています。
実際、海外に売っていくスタイルにはなっていますから、頑張ってその方向で儲けが出るような方向性でいって欲しいですね。
こんにちは。
マスゴミは、危機感を煽るか、醜聞をまき散らすか、自国は最低だと自虐するか、この三つくらいしかやる事知らないようですからね。
景気も何も、マスコミが盛り上げれば割と回復するものなのにね。
※もちろん、実態の力強さがなければバブりますが。
ネットも、マスゴミより即時性が高いだけに、そしてつられるバカの沸点が低いだけに、非常にやっかいです。
木霊様のような、信頼出来るソースを複数確保しておかないと……
※まあ、「彼ら」にとって「信頼出来るソース」は、数字や科学を信じない教祖達なんでしょうけれど……
こんにちは。
騒ぐことこそが飯のタネであると、そのような認識なんでしょう。
しかし、自身の使命を忘れていらっしゃるのは、困った話ですね。つまらない話をすると、受けが悪いという問題はあれど、それを偏向してまでバズらせたいというのはちょっと。
角度を付けた報道(ギリギリ嘘は言っていない)というので、マッチポンプ的に事態を加速させるのは、悪意しか感じません。
弊ブログでは、できるだけ間違った情報をお伝えしないように努力していますが、なかなか難しいですね。おかしいときは遠慮なくご指摘下さい。