近況は「お知らせ」に紹介するようにしました。
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時速4000kmの高速化を目指す支那鉄道

中華人民共和国ニュース
この記事は約13分で読めます。

面白い記事を発見したので、紹介しておきたい。

【時速4000km】中国が計画するレールガンみたいな鉄道「T-Flight」

2024.08.15 Thursday

東京から大阪まで僅か6分しかかからない、まるで夢のような乗り物が、現在中国で開発中です。

飛行機を使って1時間ほどかけていた距離を、コーヒー1杯を飲み切らないうちに進んでしまうのです。

これを可能にする「時速4000km」という目標を掲げたプロジェクトが中国で進行中です。

ナゾロジーより

何が面白いかというと、ほぼ実現不能なところがだ。科学の発展に犠牲は付きものだけれども、コレは酷い。

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どんな鉄道になるのか

鉄道に力を入れる支那

先日、こんなニュースがあった。

中国高速鉄道、苦肉の値上げ策 負債120兆円膨張に焦り

2024年8月21日 19:42

中国国有の鉄道会社、中国国家鉄路集団が運賃改革を急いでいる。高速鉄道の主要路線で実質値上げに踏み切ったほか、高価格帯の座席グレードも新たに設けた。これまで路線網の拡大によって売り上げを伸ばしてきたが、そのツケで膨らんだ負債は120兆円を超す。既存路線での稼ぐ力の強化が求められている。

日本経済新聞より

鉄道料金の実質値上げをするという話なんだけれども、そもそもちょこっと料金値上げしたくらいで120兆円相当の負債が回収出来るのか?と考えてしまう。

支那の鉄道営業距離は15万9千kmで、高速鉄道は4万5千kmとなっている(2023年末の時点)。日本の新幹線の総延長は3300kmなので、段違いだね。鉄道総延長距離は2万7700km(2022年の時点)で、世界有数の鉄道大国なのだが、その凄さは伝わるだろうか。

なお、世界トップの鉄道総延長距離を有するのはアメリカで22万5千km。ロシアが3位で8万7千kmである。日本は、世界では9位(2019年)なんだけれども、旅客鉄道としてはトップレベル。主要国は鉄道輸送の方が主流のようだ。

では、支那は?というと、貨物輸送にも力を入れているが、近年伸びているのは旅客鉄道のようで、高速鉄道に力を入れているのは数字からも分かる。ただし、収益性は最悪で、仕方なく料金の音和えに踏み切るというのがこのニュースである。

ただ、現行の校則鉄道でもこんな感じなのに、更に高速化したいらしい。

高速鉄道の開発

日本はリニア鉄道を実現しつつあるが、それより速い高速鉄道を手に入れたいらしいね。

中国、飛行機に代わる超高速鉄道の実現にまた一歩近づく―仏メディア

2024年8月22日(木) 7時0分

2024年8月20日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは、中国が飛行機に代わる超高速鉄道の実現に向けて再び少し前進したと報じた。

レコードチャイナより

なにやら、色々な車両を開発するのに腐心しているのだが、先月上旬の実験で620km/hを実現したとか。2kmの実験線を使ったらしいのだけれど、専用設計の格納容器を使ったとか何とか。

img

まあまあ格好いいね。

試験は専用設計の格納容器内に作った長さ2キロのトンネルで行われ、時速620キロ以上の速度を実現したと伝えた。

レコードチャイナ「中国、飛行機に代わる超高速鉄道の実現にまた一歩近づく」より

これって、「格納容器内に作った」って、ハイパーループ仕様だったってことかな?明確にはしていないけれど、多分そうだということにしておく。

しかし、実験している新型リニア鉄道は、巡航速度を1000km/hとすることを目指していると、この記事では紹介されている。

また、実験を進めている新型リニアの設計速度は飛行機の巡航時速約900キロを上回る時速1000キロとなっており、実現すれば約1500キロ離れた北京市と上海市をわずか1時間半で結ぶことができるようになると説明。プロジェクトを担う中国航天科工集団のエンジニアたちが現在、車輪と軌道の間の摩擦力や、車体上の空気抵抗という軌道交通が直面する二つの大きな問題を解決する超高速鉄道技術の開発に取り組んでおり、新たな技術競争市場の一角を占拠しようとしていると紹介した。

レコードチャイナ「中国、飛行機に代わる超高速鉄道の実現にまた一歩近づく」より

ところが、冒頭の記事は4000km/hを目標とするらしいので、常軌を逸した計画と言わざるを得ないね。ハイパーループならば、理論上は実現可能なんだけれども。

思考実験をしよう

運行本数と採算

ええと、北京市と上海市との間の距離は概ね1500kmだというから、速度を1000km/h出すことができれば、計算上は1時間30分で走破できるということになる。

現在は、最高速度300km/hの鉄道と250km/hの2種類の列車を使っているらしいのだけれど、最高速度が300km/hの列車は63往復、250km/hの列車は27往復で1日当たり合計90往復の列車が運行されているらしい。

確かに、これだけ走っているとこの時間を短縮できるのは大きな意味があるように思われる。日本の場合は東海道新幹線が1日平均300本程度運行されている(現時点では平日が314本、土曜日が303本、休日が296本)ので、「リニア鉄道作って時間短縮できたらいいんじゃね?」という発想になったからね。

とはいえ、専用線を作らねばならないので長期計画になる。

日本でもリニア鉄道は赤字になるのでは?と危惧されているが、1日90往復程度の路線では更に厳しいのではないか?という気がする。

速度の上限はないが、加速度に上限はある

鉄道を運行するにあたって、速度に上限は無いとされているが、起動加速度には制限がある。加速度 8.0 km/h/s以上となる場合には、立ったまま乗車というのは認められないと、日本国内の基準ではそうなっている。一般的な鉄道の起動加速度は、概ね2.0km/h/s程度だと言われている。

なお、日本のジェットコースターでド・ドドンパという富士急で運用されていた機体があったが、これの起動加速度が115.4km/h/s(3.75G)で、因果関係は明らかになっていないが複数の健康被害(頸椎や胸椎の骨折)が確認されている。

話を戻そう。

開発に成功した最高時速が4000km/hの鉄道ができたとして、その運用にあたってはこんな感じとなる。

高速鉄道なので、加速度8.0km/h/sまでは許容するものとして、ざっと計算すると、停止状態から4000km/hまで加速するのに500秒(8.3分)程度かける必要があると、277.8km程度の距離走る必要がある。全体の19%くらいは加速に使う訳だね。そして、減速も同じ距離使う必要があるので、4割弱は加減速に必要だ。

折角、4000km/h出せるのに、トップスピードで走る区間が短いのは問題だ。例えば、5分くらいはトップスピードを維持するものとしよう。そうすると、333kmも走ってしまう。加速に277.8km、減速に同じ距離、そして、5分間のトップスピード区間を設ける計算だと、888.6kmの距離が必要となる。21.6分でその距離を進むのは偉いが、流石に途中駅を作らないという前提では困る。

仕方がないので、トップスピード区間は30秒にして、33kmだけ最高速で走る。その前後は加減速に使うことにすると、加減速を含めて588.6km必要になる。17分程度で600km近く走ってしまうのは凄いが、途中に作ることの出来る駅は精々1つということになる。

沢山お客さんを乗せたいので、立って乗車する乗客を許容すると、加速度4.0km/h/sくらいまでは落とす必要がある(新幹線の緊急停止加速度は4.0km/h/sに設定されている)。そうすると、停車状態から4000km/hまで加速するのに加減速に2000秒(33分)必要となる。走行距離は556kmだ。最高時速に達したと思ったら直ぐに減速に入らないと、危険である。

1時間程度で1500kmを走破できるのは凄いと思うが、それは途中の駅がない前提である。だが、途中の駅をなくしてしまうと営業的に成り立たない可能性が出てくる。

では、起動加速度をもっと高めれば良いではないか?!という話もあるのだが、新幹線N700系は2.6km/h/sに設定されている。快適な車内空間を実現するためには、余り起動加速度を高めたくないというのが実情なのである。まあ、通常の高速鉄道は、線路の上を走っているのでそれ以上出すことが難しいという事情もあるんだが。

高性能な車は0.5Gの起動加速度(15km/h/s程度)が出せるようだが、そんな起動加速度を高速列車が出せたとして、快適かどうかはまた別の話。旅客機が離陸時に0.3G程度(10km/h/s程度)の加速度となるようなので、せいぜいその辺りまでが許容範囲との認識で良かろうと思う。旅客機の離陸時の加速はほんの一瞬のことなので、10分も15分も続くと何か体調に影響あるかもしれないが。

高性能な真空ポンプが必要

更に、途中の駅の問題は別の理由でも作りたくない。

減圧チューブの中は大気がほとんどない(推測では、地上の気圧の7%程度)ため、空気抵抗が大きく低減されます。

また、磁気浮上式であるため摩擦による抗力や熱も抑えられるでしょう。

ナゾロジーより

更に、1500kmの長大なトンネルの内部を地上の気圧の7%程度、700hPa程度にまで減圧するために要所に排気速度の高い真空ポンプを設ける必要がある。

技術的には、真空度を維持するトンネルを作ることはおそらく可能だ。が、トンネルが長くなれば長くなるほど、真空漏れなどのトラブルに見舞われる可能性は高くなる。

駅にはゲートを設けておいて、列車が通過した後にゲートを閉じることで、道中の真空度を保つことになると思うが、乗客が乗り降りするためには大気圧に戻す必要があるため、そこからまた真空状態を作るまでに、できるだけ高性能な排気ポンプを複数運用する必要があるだろう。半導体を作る時に使うターボ分子ポンプみたいのであれば、そこそこ早く排気はできるはずだ。が、乗客のために列車内を与圧しておく必要があるので、急激な圧力変化は車体に影響が出るリスクもある。その辺りとの兼ね合いで排気速度は決定されるのだと思う。

更に、問題は道中に真空破壊が発生したことを検知した時に、列車を緊急停止させられるのか?ということである。先ほど書いたように加減速には人体が耐えられる上限があるからだ。

こういったトラブルに対応するために、道中にも真空度を維持する為のゲートを設けることは考えられるが、ゲートの扉の開閉速度の問題と、真空漏れが発生する要因になることからできるだけ作りたくない。故障によって扉が開かなかったりしたら、大惨事だしね。

となると、途中に駅を作る?とんでもない。真空漏れトラブルの要因を増やしたくないので、できるだけ駅は作りたくないということになる。

そういった事情や技術的課題は複数挙げられるが、ハイパーループが実現不可能だとまでは言わない。遙かにそびえる技術的障壁があるが、やってできる程度の範囲のようには感じられる。ただ、コストはえらくかかりそうなんだよね。そして、設備を維持することも難しい。

まあ、壮大な実験はどんどんやって欲しいとは思うけどね。

追記

ちょっと調べていたのだが、過去にもこの手の関連報道(4000km/h鉄道を実現する話)があって、支那は随分この分野に力を入れているんだよね。

ハイパーループ、中国に進出 10キロの路線建設へ

2018.07.21 Sat posted at 14:21 JST

(CNN) 米ハイパーループ・トランスポーテーション・テクノロジーズ(HTT)は21日までに、中国貴州省で超高速輸送システム「ハイパーループ」の試験路線を建設する契約を結んだと発表した。中国でハイパーループの契約が締結されたのは初。

ハイパーループは米起業家のイーロン・マスク氏が2013年に初めて構想を発表した。低圧状態にして摩擦をほぼゼロに抑えたチューブの中を、時速約1000キロで人や貨物を輸送できる。乗り物には気密カプセルを使用する。

CNNより

この報道があったのが2018年だが、このハイパーループTTという会社、どうにも詐欺まがいの話を世界各国で持ちかけたのか、或いは本当の自信があったのかは知らないが、2024年にこんな報道が。

トゥールーズでのハイパーループの大失敗後、アメリカ企業はイタリアに移転

Publié le 23/02/2024 à 13:18 , mis à jour à 16:47

低圧チューブの磁気浮上により、時速1000キロ以上で乗客を浮上させるよう設計された未来的なカプセルは、トゥールーズの南にある旧フランカザール基地に数ヶ月間放置されていたHyperloopTTの蜃気楼の最後の名残のひとつである。多くの政治家の夢であった未来の輸送プロジェクトは、今や別の場所に移りつつある。

持続可能な次世代高速輸送の開発における世界的リーダー」であるカリフォルニアのハイパーループは、2月23日(金)に発表された長いプレスリリースの中で、「研究開発センターをフランスのトゥールーズからイタリアに移転する」と発表した。

ladepecheより(原文はフランス語)

ああー、これは、アレだ。

うんまあ、なんというか。

イーロン・マスク氏もこの分野からは手を引いたし、アメリカでの壮大な実験線もあっという間に撤収されてしまって、このハイパーループTT社も手仕舞いをしたということなんだろう。

こう言う話は結構あるんだよね。空飛ぶ車系の話も、大抵こんな結末で終わるのだ。

が、支那はそうは思わなかったようで。

上海・杭州間をわずか15分に 世界初の超高速輸送システム建設で実現へ

2023年5月5日

中国の研究チームはこのほど、超高速輸送システム「ハイパーループ」の世界初の実用化が上海・杭州間で実現する可能性が高いとの見解を示した。上海・杭州間に全長150キロの減圧されたトンネルを建設し、磁気浮上式鉄道(Maglev)を走らせれば、時速1000キロの超高速輸送によりわずか15分での移動が可能になるという。香港の英字紙、サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)が報じた。

36Krより

どのような経緯で技術を手に入れたのかは不明だが、或いは自主開発の芽が出たということかも知れないが、とにかく、システム建設という方向に舵が切られた。

共産主義国家では、この手のプロジェクトが立ち上がるとそう簡単には止められないのである。

このニュースに先立って、こんな話もあった。

中国、超電導リニアの浮上運行に成功 時速600キロの実現に向け一歩

2023年4月10日

鉄道車両世界大手「中国中車(CRRC)」 傘下の中車長春軌道客車はこのほど、高温超電導リニアの全要素試験システムが、初の浮上運行に成功したと発表した。今回の運行テストにより、超電導リニアシステムのコア技術が十分に検証され、事業化に向けた基礎が築かれたという。

超電導リニアは、車両と軌道のほか、けん引、給電、運行、通信などのシステムで構成され、高速・超高速列車や低真空パイプラインなどでの運用に適している。将来的には時速600キロを超える高速運行が可能となる見込みで、安全で快適かつ環境に優しいという強みもある。

36Krより

おそらく、途中に引用したレコードチャイナの記事の関連だと思うのだが、紹介されている設備はハイパーループ仕様には見えないんだよね。

うーん、レコードチャイナの車両とは別の形状である。

だが、この記事に出てくる支那中車(CRRC)がレコードチャイナの記事に登場した車両を作ったのは間違いなさそうだ。

中国が研究加速 時速600キロのリニア路線を計画

2023-12-08 14:00:37CRI

中国科学技術部は4日、「第14期全人代第1回会議第2199号提案に対する回答」を発表しました。科学技術部によると、第13次五カ年計画期間(2016年-2020年)には時速600キロの高速磁気浮上列車の基盤技術を突破し、第14次五カ年計画(2021年-2025年)国家重点研究開発計画により磁気浮上動力技術の基礎研究を積極的に支援して、時速600キロの高速リニア試験線計画と商業運営全般の解決策を研究して形成し、中国の高速磁気浮上交通の発展に科学技術の支援を提供します。

CRIより

こちらの記事に出てくるのが、CRRCの車両なんだそうで。

この画像も、ハイパーループ仕様にはなっていない。

中国初のリニアモーターカーは2003年に上海リニア線で運行を開始しました。中国中車(CRRC)は2021年に完全に独自の知的財産権を持つ時速600キロ高速リニア交通システムの開発に成功し、青島市で車両を完成させました。この高速リニアモーターカーを利用すれば、北京から上海までが航空機より短いわずか2.5時間で移動できます。中国のリニア産業の発展に伴い、高速リニア交通システムは人々により素晴らしい移動体験を提供するとみられています。

CRI「中国が研究加速 時速600キロのリニア路線を計画」より

ふーん。

動画が付いているニュースもあるね。

動画:世界最速600キロリニア、中国・青島で公開 「1500キロ圏内で最速の移動手段」
【8月4日CNS】中国鉄道車両大手の中国中車(CRRC)は7月20日、山東省(Shandong)青島市(Qingdao)で最高時速600キロのリニアモーターカー(5両編成)を公開した。

これを、600km/hを超えて走らせるのか、なるほど、なるほどねぇ。今のところ、実験は成功していて620km/hで走ったということになっていて、日本のリニア鉄道の最高速を超えたということらしい。

で、速度を上げることは出来るんだけど、音速を超えるとソニックブーム問題が発生する(約1236km/hを超える速度で、衝撃波が生まれる)ので、それの解決策として低圧のチューブの中を走らせるぜ!というのがハイパーループってことになる。

つまり、4000km/hで走らせようとすると、必然的にハイパーループを選択せざるを得ない。うんうん、期待大だね。

コメント

  1. 河太郎 より:

    ども。加減速に必要な距離まで求めるのがさすがは木霊様で。で、言及するかな?と思ったらやはり……なのが減圧。以前の記事を思い出せば当然なのすが。
    時速4000kmって、直線路におけるF1マシンのトップスピードやレシプロ戦闘機のトップスピードなどの「10倍」です。
    そのスピードを長〜い胴体の列車で突っ走るわけで、それ加減速にかかるGや、しゃたいに掛かる負荷は、急停止する戦艦やタンカーや空母なみなのでねすか?
    戦艦や満載タンカーより質量が軽くても、速さが速さだから、発生するジュールは同じと思えるんですよ。
    んなもん、巨大な減圧チューブでしか実現できっこないですよ。どんだけムダなんだ? んでんで想うのは、まぁEVや太陽光発電とかと同じでね?です。
    要は中国への投資を取り戻す為に上げたアドバルーンで、ガチで実現する気はないと。こんなん実現できるなら、サウジが計画している「アラビア半島を横断する長城型の巨大壁都市」の方が実現性は高い。

    • 木霊 木霊 より:

      まあ、以前にも似たことが書きましたから。
      そして、想定される空間の排気速度の計算を始めて、絶望的な気分になったところで、そこまでは言及しませんでした。
      「できそうだ」とは書きましたが、やるとなるとかなりとんでもないことに。

      ただ、そこを超えて実現して欲しいと、個人的には思っていますよ。

  2. 匿名 より:

    日本も世界トップクラスのリニア技術があるのだからそれを応用して電磁カタパルトでも作れたら良いのですけどね
    レールガンなんかはその一例ですな

    • 木霊 木霊 より:

      今のリニア鉄道の技術を使うと、電磁カタパルトの弾体の値段が高くなっちゃうんですよね。
      いかに安く上げるか?は重要なので。

  3. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    これ、よく分からないのが、いわゆるハイパーループなのか、普通に大気圧でやるつもりなのか。
    リニアは、もしかしたら大気圧かも……って思ってるんですが、そこで1000km/hって、音速ですよね。
    地上で音の壁が見れるなんて胸熱。

    ハイパーループは……まあ、お後がよろしいようで、ですね。

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      記事の途中に紹介しましたが、「気圧を大気圧の7%にする」ということですから、ハイパーループだと認定して良いと思います。
      日本のリニア鉄道は実験線で603km/hを記録していますが、聞くと「空を飛ばないように設計するのが大変だった」そうですね。300km/hを超えた辺りから問題になるようで、「そもそも大気圧下で高速化するなら、空を飛ばした方が良い」と。誰に聞いたか内緒ですが。
      対地速度1225km/hが音速域(気温にも影響される)ですから、1000km/hはかなりヤバイ領域だと思いますよ。

      • 七面鳥 より:

        スラストSSCが1,227.985キロメートルですから……地上(海抜0m)では、このあたりが限界でしょうね。

        見てみたい気はするけど、乗りたくはないですね。
        埋められちゃうし……

  4. 音楽大好き より:

    木霊様、皆さま、今日は

    >真空破壊が発生したことを検知した時に、列車を緊急停止させられるのか?

    緊急停止も問題だけど、「車体が破壊されないか」とか「ゆっくり減速させる方法は?」といった問題もありそうですね。チューブ内の圧力が「ゆっくり」上がるのならば何とかなりそうな気がしますが、短い時間で圧力が上がると
    ・車体とチューブの間の空気が圧縮されて圧力、温度が急上昇しそうですね。
    ・空気抵抗が増えるので急減速する。
    その圧力、温度に車体、チューブは耐えられるのか・・・かなり大変そうだ・・・
    その上、衝撃波が・・・

    チューブ内なので、飛行機よりも条件が悪そう。

    という事で【お笑いネタに分類】でしょうかね。

    • 木霊 木霊 より:

      こんばんは。

      車体の破壊は怖いですよね。
      おそらくは与圧された状態でチューブの中を走っているでしょうから、短時間で周囲の圧力が上がった時には空気抵抗が増えて急減速するような事態はあり得るでしょう。恐らくトップスピードで走っていてそこから安全に停車するまでには、多少の時間が必要です。
      簡単に計算してみると、60秒でトップスピードから停止状態にするまでに33kmも走ってしまいます。乗客にかかる力は1.9G程度なので、まあ、命に別状はないかもしれませんが、大惨事にはなりそうですね。66.7km/h/sで減速しますが、その力が1分間かかり続けるわけですから、想像したくない事態にはなりそうです。

      問題は、抵抗が増えるに従って、空気の粘性抵抗が劇的に増えるために、ご指摘の衝撃波が!どの時点で衝撃波が生じるのかは空気圧との関係で決まりますが、そうするとトンネルの内壁と車体との間で爆発的な力が発生してしまう。

      温度は…、正直、温度に関してはどのような力が働くのかイマイチ理解していないのですが、多分大気圏突入する感じの摩擦熱は出そうですね。通常運行時の車内からの発熱もどう処理するのかわからないので、何か車内は安全、みたいな措置はあるのかもしれませんが。

      そもそも、トンネル内で列車が万が一故障した際に、どうやってレスキューに行くのかが、さっぱりわかりません。
      「お笑いネタ」より、かなり笑えないネタになりそうな予感がします。

      • 音楽大好き より:

        木霊様、返信ありがとうございます。 皆さま、今晩は

        超音速機(飛行機)で機体の温度上昇が問題になるのは、空気との摩擦熱ではなくて機体先端部が空気を圧縮(断熱圧縮)する事による温度上昇によるんだそうです。ならば、半端ではない高温になると思います。乗客が「むし焼き」になるのをどうやって防ぐのでしょうか。
        イラストだかCGだかを見ると「列車」のように見えます。大量輸送を想定しているのでしょうね。・・・怖い・・・

        「お笑いネタ」というのは、私程度の者がちょっと考えただけで「これほどの問題を指摘できる」物を[まじめに研究、開発しようとしている」者がいる??という点なんです。

        • 木霊 木霊 より:

          なるほど、空気の圧縮ですか。
          断熱圧縮というと、PV=nRTで示す熱力学の第一法則絡みのアレですか。いや、第一法則はQ = ΔU + Wでしたな。
          まあともかく、周囲の気圧が低く熱の行き場がない状態での気体圧縮ですから、確かに車体に熱が伝わって……。
          恐ろしい!

          思考実験するだけではアレなので、支那は実際に実験で示してくれるというご厚意かもしれませんね。

          まあ、この手のロマンは、実際にやってみて、解決方法を模索するところにあります。いきなり乗客を乗せて実験しなければ、お笑い枠でも良いと思っていますよ。

    • 七面鳥 より:

      横合いから失礼。

      気密破壊がどこで起きたか?にもよるでしょうが、充分に車両から離れた所で起きた場合、大気圧の空気がそれ自体ピストンみたいになって(圧力波、衝撃波と同義と思ってよい)真正面から車両に激突、なんて事も想像出来ますよね。
      圧力波は音速を超えないけれど、音速同士がぶつかるというのは……ちょっと、見物だと思います。

      • 七面鳥 より:

        送信してから気付きました。

        圧力波と車両が超高速でぶつかった瞬間、音楽好き様ご指摘の通り、断熱圧縮が起こりますから、少なくとも車両先端とチューブはものすごい高温&高圧に瞬時に曝されるわけで。
        チューブは爆発、車両先頭も破損、高圧高温の圧力波はそのまま車内を後まで駆け抜けて……

        あ、似たような現象が起きてましたね、タイタニック観光の潜水艇で……