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イスラエルとテロ組織ヒズボラが報復合戦

イスラエルニュース
この記事は約6分で読めます。

火薬庫で火遊びをするのが、テロ組織ヒズボラの流儀だってことだね。

イスラエル、レバノンを「先制攻撃」 ヒズボラはロケットを数百発発射と発表

2024年8月25日

イスラエル軍は25日朝、レバノン南部にあるイスラム教シーア派組織ヒズボラの標的に対し、戦闘機約100機で「先制攻撃」を実施したと発表した。ヒズボラはその後、イスラエル北部にロケット弾やミサイルを多数発射したと発表した。

BBCより

引用記事のタイトルは、イスラエルがレバノン南部に先制攻撃を仕掛けたといった感じになっているが、イスラエルが唐突に他国を攻撃したという話ではない。

というか、積極的に報道されていないだけで、テロ組織ヒズボラからのイスラエル攻撃は散発的に行われていて、その延長線上にある話なんだよね。

注:サムネの絵は、BBCより「レバノンからの発射物を迎撃するため、おとり弾を発射するイスラエル軍の戦闘機」というキャプションがついている。

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レバノン共和国もイスラエル戦争に参加するのか

不安定なレバノン共和国

レバノン共和国といえば、地中海に面する小国で、イスラエルの隣国でもある。

記憶に新しいのが首都ベイルートでのベイルート港爆発事故(2020年8月4日)で、倉庫で保管されていた硝酸アンモニウムに引火したことが原因とされていて、驚くことにこの倉庫の外壁の溶接作業を行っていて、それが引火したという話になっている。

危険物を杜撰な管理で長期間保管していたことが原因だという結論になっていたが、どうにも怪しい感じはする。

8月4日にベイルート市内のベイルート港内の倉庫にて大規模爆発が発生。本爆発の原因として政府の怠慢等を非難する大規模反政府デモが発生し、10日にディアブ首相は内閣総辞職を表明。その後1年以上にわたる政治空白を経て、ミカーティ元首相を首班とする内閣が2021年9月10日に発足した(第3次ミカーティ内閣)。翌10月には、ベイルート港大規模爆発事案の捜査を担当する判事の解任を求めるデモ隊による衝突事案が発生した。

外務省のサイトより

レバノン国内でも、この一件について政治不信が高まり、2022年の議会選挙の後、政治勢力間の対立が起きて新内閣が成立していない状況だという。

イスラエルのエスカレーションの中でレバノンは国土を守る権利がある、とミカティ暫定首相

03 Aug 2024 12:08:17 GMT9

ナジーブ・ミカティ暫定首相は金曜日、レバノンは自国の国土と主権を守る決意を固めたと述べた。

彼は「犠牲があろうとも、我々は躊躇しない」と述べた。

ARAB NEWSより

今は、ナジーブ・ミカティ氏が暫定首相として統治しているようなのだけれど、レバノンの政治は宗教や周辺国の影響を強く受けて左右されることが多く、宗教、特にレバノン国内に組織されるテロ組織ヒズボラ(急進的シーア派イスラム主義組織)が強い力を持っているようだ。

ヒズボラはレバノン議会に議席を持っていて、レバノン国内のシーア派住民からの熱狂的な支持に支えられている。故に単純なテロ組織の行動と断じることもちょっと難しいという立ち位置にいる。

そして、ヒズボラは政治目標として、反欧米の立場を取りイスラエルの殲滅を掲げている。

イスラエルによる攻撃

そんな訳で、テロ組織ヒズボラの成り立ちからして、イスラエルとは相容れないことは仕方のない面があって、定期的にロケット弾をイスラエルに撃ち込んでいる。

イスラエルがレバノン深部を攻撃、ヒズボラが報復 ゴラン高原にロケット弾

2024年8月22日

イスラエル国防軍(IDF)は21日、隣国レバノンのベカー渓谷にある武装組織ヒズボラの武器貯蔵施設などを夜間に攻撃したと発表した。これを受け、ヒズボラはイスラエル占領下のゴラン高原に向けてロケット弾数十発を発射した。

~~略~~

こうした中、パレスチナ自治政府主流派のファタハは、イスラエルがレバノンにいるファタハの武装組織幹部を暗殺し、地域紛争を引き起こそうとしていると非難した。

BBCより

で、このヒズボラに連動するのがパレスチナ自治政府主流派のファタハだというから、厄介である。

おそらくイスラエルは、パレスチナという国そのものを滅ぼしてしまいたいと考えているんだろうけれども。

そう簡単にいかないのが、イランとテロ組織ハマスが連携しているからなんだよね。

中東情勢はややこしいが、どこに正義があるという簡単な構図でもないので、解決の糸口すら見えない。

イスラエルとヒズボラが交戦 航空便に欠航や遅れ

2024.08.26 Mon posted at 09:53 JST

中東地域で25日、イスラエルと、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとの間で大規模な攻撃の応酬があった。昨年10月に起きたイスラム組織ハマスによるイスラエルへの奇襲以降、イスラエルとヒズボラとの間では緊張が高まっている。

~~略~~

交戦時には航空便は一時的に欠航となり、イスラエルの主要な空港であるベングリオン空港では大幅な遅延が発生している。テルアビブでは海岸が閉鎖されたほか、レジャー活動も休止となった。

CNNより

周辺国への影響も色々と出ているのだが、簡単に終息するような話でもないところが頭が痛いところである。

第二段階は

そして、ヒズボラは「報復の第一段階だ!」と、以降も報復を考えていることを臭わせている。

ヒズボラは声明で、今回の攻撃は最高幹部フアド・シュクル氏が7月30日にイスラエルによってベイルートで暗殺されたことへの報復の第一段階だとした。

翌31日にはイランの首都テヘランで、パレスチナ自治区のイスラム組織ハマスの政治指導者イスマイル・ハニヤ氏が暗殺された。背後にはイスラエルがいたとの見方が強まっている。

以来、中東地域は、ヒズボラとイランの両方の報復がいつなのかと待つ状態となってきた。

BBC「イスラエル、レバノンを「先制攻撃」」より

場合によっては、イスラエルとレバノンとの交戦ということになりかねないのだが、幸いにもというか、レバノンは国家の意思を統一できるだけの指導者がいないので、テロ組織の独断で動いているという状態が続くと思われる。

イランとイスラエルとの間で戦端が開かれることになれば、状況は大きく変わるかも知れない。

追記

なるほど、先制攻撃の意味がわからなかったが、こういうことのようだ。

ロケット弾発射台数千基破壊とイスラエル

8/25(日) 14:57配信

イスラエル軍は25日、レバノンの民兵組織ヒズボラからの攻撃を事前に察知し、戦闘機による攻撃で数千基のロケット弾発射台を破壊したと明らかにした。レバノン国営メディアによると、1人が死亡したという。

Yahooニュースより

所謂、策源地攻撃というヤツだ。

つまり、テロ組織ヒズボラがロケット弾の発射台を用意していることを確認して、これを戦闘機の爆撃によって破壊したということで、冒頭の記事によると「ヒズボラはその後、イスラエル北部にロケット弾やミサイルを多数発射したと発表」とあるので、ヒズボラ側はイスラエルの攻撃は無効だったというアピールをしたかったようだ。

コメント

  1. 河太郎 より:

    あのう……。サムネの写真って、対空ミサイルをフレアでかわしている図ですよね?
    対空砲火が至近弾で来てるのではない。
    しかし戦闘機100 機とはガチすね。20世紀にイランの核施設を戦闘機で爆撃した時は数機だったような……。
    んで、何で戦闘機なの?
    クルーセイダー(イントゥルーダー?)
    とかA10で良くね? 
    どうせヒズボラって対空みさいる

    • 匿名 より:

      あやや…途中で送信してもた。m(_ _)m
      ヒズボラが対空ミサイルの持ち合わせないなら、低速でも重装備のA10で良いじゃん。
      やはり「お前らとは違う」と見せびらかしたいのかな?
      こんなにあるから、大軍で越境しても皆殺しだぞ!と。たしかに戦闘機に燃料気化爆弾を積んで行けば、大軍でも一撃なのはクォート侵攻した時の(親父ブッシュの湾岸戦争)イラクの負け方を観ても解るす。
      核を持ってるのだから燃料気化爆弾くらい持ってるでせう。
      でも、デモストレーションするという事は、実際に侵攻して来られると困るちう話でもあるんですよ。かなり無理してないか。と思いましたが……
      しかし、おっ始めましたね。中東はどうなるんだろう? 石油の97%を湾岸諸国に頼る日本にとっては心配の種。

      ところで前に誘われたマリ共和国ですが、
      東京新聞(笑)が、「可哀想なトゥアレグ族をワグネルが虐殺してる」記事を書いてましたね。ネットで無料記事出てる(笑)
      まぁワグネルならやりかねん。そこは恐ロシアの傭兵会社ですから。
      でも書いてる記者が日本とハーフのフランス人なんです(笑)
      いや、お前らはアルジェリアやベトナムで何やってたよ??
      てか、そもそも北部のトゥアレグや南部のナントカ族が反乱するのって、元をたどればお前らフランスのCFRフランだかの通貨を押し付けて、外貨の50%を収奪するかるだろうよ。そのせいで少数民族へ経済政策や教育政策する予算ができない。
      根源であるフランスの二枚舌を書かず、何でもかんでもワグネルに押し付けるフランス人の言い分を、これまた何も考えずに載せる処が実に東京新聞(笑)

      • 匿名 より:

        A-10は米空軍のみ、写真はイスラエル空軍のF-16D バラク(ワイルド・ウィーゼル/
        レーダーサイト攻撃機)

    • 木霊 木霊 より:

      サムネの写真は若干誤解を招くものだったかも知れません。
      一応、冒頭の記事でBBCが使用しているものを拝借しているのですが、どのシーンなのかはちょっと分かりかねます。

      ワグネルの話はなかなか緊迫感がありますね。
      一歩間違えれば、という感じでしょうか。
      ただ、東京新聞ですからねぇ。その「虐殺」の話が何処まで本当かは若干疑わしい。そして、ご指摘のような背景もありますから、何とも言えない気分になりますね。

  2. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    イスラエルがパレスチナを更地にしようとしているのは、誰が見ても明らかですよね。
    ドリフターズの信長曰く「国を取ったら二つに一つしかないのだ。きれいさっぱり滅ぼすか、姫をあやす様に全てを与えるかだ。」これ正論。
    そもそも、イスラエルという国の存在自体が、これをガン無視ししているのですから、自分が死ぬか回りを死なすかの二択しかない。
    中庸は、無い。

    そう思ってます。

    ※有り得るとしたら、イスラムの戒律が変化して、他教を認めるようになる(具体的には、イスラムから他教への改宗を認めるようになれば……)ことですが、それは基本あり得ないので。

    • 河太郎 より:

      うん、ありえませんね。
      米国の庇護も永遠ではないので、かといって周囲すべてのイスラムを絶滅させるのもムリかある。すると、米国が見捨てるか、ユダヤ系財閥が見捨てるか、米国力が目に見えて衰えた時にイスラエル消滅かと。
      その時は100倍返しにされるんだろうなぁ。

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      正直、イスラエルの件というか、イスラームの話は決着を付けることは難しいと考えています。
      スンニ派とシーア派は一生わかり合えないでしょう。唯一神の解釈違いですから。ゲスな話ですが、オタクにとって同担拒否は根が深い問題ですから。え?違う?
      頂く神が同じなのに、困った話です。

      • 七面鳥 より:

        >オタクにとって

        戴く神は同じでも、そのカップリング、かけ算の前後が違うと血で血を洗う抗争になるのが腐女子の冥府魔道……
        嫌いなサークルの机を蹴る、本をわざと落とすなどは日常チャメシ・インシデント。
        身近なだけに、ある意味テロリストよりこわいです。

        ……ていう程度で収まってくれるといいんですけどねぇ……<宗教対立