件の韓国リチウム一次電池工場発火事件の続報である。
非正規職は知っても開けなかった非常口… 「安全行方不明」アリセル
入力2024.08.23。午後3時56分 修正2024.08.23.午後3時57分
非常口は正しく設置されておらず、一部の非常口は出入証を所持した「正規職」のみ出入りすることができた。
NAVERより
ニュースの概略としては、発火した場所から非正規職の作業者が非常口に辿り着くためにはIDカードを使って開くタイプの扉を通過する必要があり、その扉はIDが発行された正規職の人間しか開けなかったということのようだ。
当時、工場内に正規職員は殆どいなかったようで、実質、見殺しにした疑いが強いようだ。
杜撰な安全対策と徹底したコストカット体質
大規模工場火災
先ずは、前回の記事のリンクを。
2024年6月24日、結構な規模の工場で出火して23人の犠牲者を出してしまった事件である。

こんな状況で、消火剤を撒いたが効果なし。
実は、この火災の2日前にも小火を出していたのだけれども、対策なし、報告なし。
挙げ句に、工場の構造変更を勝手にやっていたことが発覚。届け出した図面と実態が異なっていて、安全性に配慮していない疑いが濃厚となった。
冒頭のニュースはその続報である。
非常口に辿り着けず
何が問題かというと、非常口の設置が不適切であったということだ。
また非常口は常に開いておかなければならないが、一部の扉にはセキュリティ装置が設置されており、IDカードを所持した「正規職」のみ出入りすることができた。
ただ、ほとんど非正規職だった今回の火災犠牲者の場合、IDカードがなくて脱出できなかった状況ではなかったと警察は説明した。
警察関係者は「当時午前10時30分3秒に最初の爆発が発生し、10時30分40秒に最後に避難した人が確認される」と犠牲者たちは脱出しようと痕跡なく孤立して死亡したと説明した。
「発火地点から両非常口まで60m、23mだけで、このゴールデンタイム37秒間、誰かが避難案内だけをしたとしても相当数の犠牲者を救えただろう」と話した。
NAVER「非正規職は知っても開けなかった非常口」より
一般的な感覚からは分かりにくい話であるが、非正規職の作業者が脱出不可能な状況で作業をしていたというのが実情である。
非常口から脱出できなくとも、別の出入り口はなかったのか?とか、色々考えてしまうのだが、本件は適切な非常口の設置が行われていなかったことが問題視されているのである。
これに先立ち、労働部が今回の火災が発生した3棟を除いたアリセル工場残りの10棟に対して行った産業安全保健特別監督でも非常口不適正設置と安全教育未実施など65件の法違反事項が確認された。
NAVER「非正規職は知っても開けなかった非常口」より
で、燃えた工場ではなく、別の10棟を調査したら、こちらも非常口の設置や安全教育未実施が確認されたとのこと。
安全教育には金がかかる
多分、非正規職の作業者に安全教育をすると、お金がかかるので嫌がったのだろうね。
労働部は、アリセルの総体的な安全不良に経営責任者であるパク・スングァン代表の責任があると見て、産安法と派遣労働者保護などに関する法律(派遣法)のほか、重大災害処罰などに関する法律(重大災害処罰法)違反の疑いも併せて適用した。
NAVER「非正規職は知っても開けなかった非常口」より
ただでさえ、格安で電池を作っていたのだから、削れるところは削ろうという意図だったのだと思うが、犠牲者の大半が非正規職だったということを考えると、何ともやりきれない。
今回の事故で死亡した23人のうち20人は非正規職で、人材供給業者所属だった。
アリセルは人力供給業者と請負契約の形で労働者を供給されたが、労働当局はアリセルが事実上これらの労働者に指揮・命令をしたとみて、請負ではなく「派遣」と結論付けた。
NAVER「非正規職は知っても開けなかった非常口」より
韓国のことなので、これ以上突っ込んでも仕方がない面はあるのだが、それにしても酷い話ではある。
労働部の今回の派遣法調査過程では、労働者321人に対する賃金滞納も確認された。
また、アリセルが2022年に発生した下請業者労働者の指の負傷を産業災害で処理する代わりに、合意金を与えて隠蔽した事実も確認された。
NAVER「非正規職は知っても開けなかった非常口」より
起こるべくして起こった事故だったということなのだろうが、韓国のことなので、コレだけではないのだろうね。
コメント
こんにちは。
平時には効果がなくて、金食い虫で、なんなら作業効率を落とすのは「安全」。
赤チンは、死ぬまで使わなければ一番だけど、無いと使いたくても使えない。
優良企業(雇用主、と言っても良い)は、そこを分かってる。
短絡的なコストカッターは、そこを切って「ヨシ!」。
そして。
儒教というかまちがった朱子学の影響下にあるかの国は、労働者=最下層、白丁だから、両班たる雇用者は一顧も顧みずに切り捨てて逃げてOK。
そんな文化で、さらにはコピー元の製品が隣にあって、あろうことか親切なバカ共が手取り足取り技術漏洩したんですから、「漢江の奇跡」くらい起きなきゃ嘘ってもんですよね。
で、今、その後遺症が出てる。
でも、何故そうなるかはもう誰も理解出来ない。
何故なら、これが既に遺伝子レベルの常識だから。
自分の尻は、自分で拭いて貰いましょう。
こっちはもう、充分以上に金も物も人も出したのですから。
※出さなくて良かったのに。
こんにちは。
安全というのは金がかかる割に、得られるものが少ないと感じられるものなんですよね。
親切にも教えてくれる人がいるのに、「安全」とか「環境保全」とか、そういう概念を学ぼうとはしなかった彼らは、今もかなりその辺りが杜撰なんですよね。
法律なんかは、ほぼマルコピーで持っていったのに、アノ国、法理ではなく人理で裁きますから。
そういう話なんだと思います。