このウクライナ軍の決定は、かなり事前に練られた作戦だったようだが、ヨーロッパにとっては寝耳に水だったろうと思う。
プーチン氏「犯罪であり処罰する」 ウクライナ軍のクルスク州越境攻撃
2024/8/21 07:49
ロシアのプーチン大統領は20日、ウクライナ軍による露西部クルスク州への越境攻撃や、ロシアが一方的に併合を宣言したウクライナ東・南部4州に対する攻撃は「犯罪」だとし、関与者を「処罰する」と表明した。2004年に露南部・北オセチア共和国ベスランで児童を含む300人以上が死亡した学校占拠事件の遺族代表らとの会談で発言した。
産経新聞より
プーチン氏は随分お怒りのようなのだが、10日前も似たような事を言っていた割に、特に状況は改善していないようだ。
苦悩するプーチン氏
越境攻撃は許されるのか
ウクライナ軍による越境攻撃は、8月10日にウクライナ大統領のゼレンスキー氏がその事実を認めたが、それまでは支援国にもその事実を認めては来なかった。
ゼレンスキー大統領 ロシア西部への越境攻撃認める
2024年8月11日 19時24分
ウクライナのゼレンスキー大統領は10日、ロシア西部への越境攻撃がウクライナ軍によるものだと認める一方、ロシア側はウクライナ軍を撃退する作戦を行っていて、国境地帯から7万人以上が周辺の地域に避難するなど、混乱が続いています。
NHKニュースより
少なからずその事に西側諸国は動揺している。
ウクライナの奇襲に動揺するロシア 事前通知なしの米高官「驚いた」
2024年8月15日 10時30分
ロシアの侵攻を受けるウクライナ軍によるロシア領内への反撃が1週間を過ぎても止まらない。予想外の越境攻撃は侵攻開始後、最大規模で、ロシアにとっては第2次世界大戦後で初めて領内に外国軍の本格的な進軍を許す「失態」となった。ウクライナには今後の和平協議などをにらみ、ロシア側を揺さぶる狙いがあるとみられる。
朝日新聞より
越境攻撃開始は8月6日頃からで、南西部クルスク州の国境地帯からロシア領に侵攻。当初は、「リスクばかりでリターンのない狂気の作戦」などと揶揄されていたが、8月22日現在でもウクライナ軍がロシア領地の一部を占領している状況は続いている。
ウクライナ軍が秘密裏にこの作戦を遂行したとはいえ、しかし西側諸国、特にアメリカ軍がまさか見逃したはずもない。衛星でも逐一情報を監視しているのだから、ウクライナ軍の動きはアメリカ軍に筒抜けだろう。
寧ろ、アメリカ軍からロシア領内の軍の動きなどを仕入れている可能性も高いのだから、「知らなかった」というのはちょっと無理がある。ただし、公式には認めて来なかったのは事実だ。
その事はすなわち、国際常識に照らして許されない行為ではあるが、ウクライナ軍が攻勢に出るためには黙認せざるを得ないという共通認識が各国首脳の中にもあるのだろう。
軍事作戦としては成功だが
実際のところ、8月6日から22日まで16日間あまり占領を続けていて、その領地を拡大しつつある。
ゼレンスキー氏、クルスク州の92集落、1250平方キロ超を制圧と発表 ロシア西部への越境攻撃2週間
2024/8/20 09:30
ウクライナ軍によるロシア西部クルスク州への越境攻撃は20日、6日の着手から2週間となった。ウクライナのゼレンスキー大統領は19日、越境攻撃の結果、同州の集落92カ所と1250平方キロ超を掌握したと発表した。多数の露軍兵を捕虜にしたとも表明した。
産経新聞より
しかし、ウクライナ東部戦線はウクライナ軍の劣勢が続いており、おそらくドネツク全域の陥落は近いだろうと言われている。
ウクライナ、東部の都市住民に避難指示 ロシアが進軍
2024年8月20日
ウクライナ当局は19日、東部ドンバス地方の主要都市ポクロフスクと周辺の村落で、子供がいる世帯の住民に避難を命じた。ロシア軍が進軍を続けているためという。一方、ウクライナ軍はロシア西部クルスク州で進軍を続けている。
BBCより
国内の防衛線は後退させるしかない状況に、ウクライナ軍幹部としては歯がみをしていることだろう。

ウクライナ国民としても、こういった状況の悪化に関して良い印象を抱いてはいないだろう。
結局のところ、ウクライナ軍としては痛し痒しの部分があるのだが、ロシアへの越境攻撃は止むに止まれぬ事情ということなんだろう。それが良いかどうかはまた別の話だが。
ロシア軍の補給線を寸断
なお、ロシア領内への侵攻作戦は、そこそこ順調に推移しているようだ。
三つ目の橋破壊か、新たな浮橋設置も
ロシアの軍事ブロガーたちは19日、ウクライナ軍がクルスク州で、セイム川にかかる三つ目の橋を爆破したと主張した。ウクライナ政府は関与を主張していないが、橋が破壊されたことでロシア軍の兵站はさらに妨げられる可能性が高い。そして、ウクライナがロシアから奪った領土での支配力を固めるのに役立つだろう。
ただ、BBCヴェリファイ(検証チーム)は、セイム川に複数の浮橋が架かっているのを確認している。浮橋は恒久的な構造物がない場合に素早く建設・使用することができる。
BBCより
一進一退で僅かに前進という感じではあるが、橋の爆破は軍事的にはかなり意味のある攻撃となった。

現在、修復して新たにかけ直されている様子が確認できているが、ロシア軍の補給線を一時的にでも絶つ攻撃としては有効だったろうと思う。
少なくとも28集落を制圧し、欧州向け天然ガスパイプラインの施設も占拠したとみられる。数百人のロシア兵士を捕虜にしたとの情報もある。隣のベルゴロド州知事は14日、非常事態を宣言した。
朝日新聞「ウクライナの奇襲に動揺するロシア」より
他にも天然ガスパイプラインの施設や石油製油施設などを制圧したという情報もあり、ロシア軍の行動力を奪う意味では大きな成果と言えるだろう。
お互いに国内を食い破られながらも、戦争を続けている状況は両国民にとっても不安を感じる結果となっているだろうと思う。
ロシア国民も動揺
今回のウクライナ軍の作戦で一番大きな影響は、ロシア国民に対する心理的影響かも知れない。
「気づかないふり」はもうできない……ウクライナの越境攻撃で揺れるロシア国民
2024年8月15日
ウクライナ軍がロシアへの越境侵攻を行い、南部クルスク州の一部を掌握したことで、ロシアのウクライナ侵攻における均衡が変わり始めている。
BBCのスティーヴ・ローゼンバーグ・ロシア編集長がモスクワで取材したところ、市民からは不安を感じるという声が聞かれた。
BBCより
モスクワにいるロシア国民は、ウクライナ侵攻に関して「どこか遠くでの話」という認識でいたと思う。しかし、そうではなくなったのだ。
”モスクワ郊外でウクライナ無人機11機を撃墜” ロシア国防省
2024年8月21日 15時30分
ロシア国防省は21日、首都モスクワの郊外でウクライナの無人機11機を撃墜したと発表しました。
被害の情報はないということですがモスクワのソビャーニン市長は、「モスクワに対するこれまでで最大規模の攻撃の試みの1つだ」としています。
ロシア国防省は、21日、ウクライナの無人機による攻撃が仕掛けられたとして、この日の朝までにモスクワ郊外で11機を撃墜したほか、ウクライナと国境を接する西部のブリャンスク州やモスクワに隣接するカルーガ州など4つの州で34機を撃墜したと発表しました。
NHKニュースより
ウクライナ軍はここぞとばかりに無人機での攻撃も増やしているようで、モスクワにも無人機が飛来するようになっていて、今のところ被害は特に出ていないようだが、これに関してはおそらく心理的効果の方が大きな意味を持つのだろう。
プーチン氏も動揺
何より、ロシア大統領のプーチン氏が激しく動揺しているようだ。
越境攻撃に関してこれまでも「敵に報いを受けさせる」と主張してきたプーチン氏が、越境攻撃を撃退する意思を改めて示した形。
産経新聞「プーチン氏「犯罪であり処罰する」」より
10日前にも同じことを言っていたが、一向に状況改善ができないでいるという。
プーチン氏がチェチェン訪問、対ウクライナ戦闘準備部隊を視察
2024年8月21日午前 10:56
ロシアのプーチン大統領は同国南部チェチェン共和国を13年ぶりに訪問し、20日にはウクライナとの戦闘に備える部隊をチェチェン指導者のカディロフ首長と共に視察した。ロシア大統領府が発表した。
ロイターより
プーチン氏「貿易関係を発展」 中国の李強首相と会談
2024年8月22日 0:38 (2024年8月22日 7:47更新)
ロシアのプーチン大統領は21日、首都モスクワを訪問した中国の李強首相と会談した。両国の経済や貿易での協力強化などを確認した。
ロシア大統領府によると、プーチン氏は会談の冒頭に「両国は経済や人道分野での大規模な共同計画を策定している。貿易関係は順調に発展している」と述べた。
日本経済新聞より
そもそも易々と国内にウクライナ軍に侵攻されてしまった上に、これを追い出す戦力を確保できないでいる。
ウクライナ国内に多数のロシア軍を展開しているが、これを撤退させて防衛をするという選択もできないので、根本的に防衛力が足りない状況が明らかになってしまった。
プーチン氏のメンツは丸つぶれである。
色々なところを精力的に回って、支那には金の無心を、チェチェンには部隊派遣の要請でもしたのだろう。
ただ、ここまでしても状況の改善は難しそう、というのが実情なのだ。
何しろ、「ウクライナ軍はそんなことできないだろう」とたかをくくっていた節があり、その予測が外れてしまったことが今回の失態に繋がった。そして、次の手がうてていない。
ウクライナ側も厳しい判断をしたとは思うが、思いの外、ロシア側に衝撃を与えたというのが、現状なんだろうね。
追記
アメリカは今頃苦笑いしているだろうね。
ウクライナ、米国製「ハイマース」使用と表明 クルスク州越境攻撃
2024年8月22日午前 1:31
ウクライナ軍は21日、越境攻撃を続けるロシア西部クルスク州で、橋などの攻撃に米国製の高機動ロケット砲システム「ハイマース」(HIMARS)を使用していると明らかにした。
ロイターより
引用記事には動画も添付されている(動画は引用できない)ので、一見の価値あり。まあ、アレで「ハイマース使ってません」とは言えないでしょうな。
同盟国はウクライナがロシア国内で西側諸国の兵器を使って長期的な攻撃を行うことを禁止している。しかし、ロシアが今春ハリコフ州に新たな攻勢を仕掛けて以来、越境攻撃についてはその使用を許可している。
ロイターより
実際に、アメリカはウクライナ軍が越境攻撃にハイマースを使うのを禁止はしていない。積極的に使ってくれるなとは言っているのだろうが、おそらく戦略的にそんなことを言っていられない状況である。
ロシア、兵員不足に直面 ウクライナ越境攻撃で逼迫
2024年8月20日 20:00
ロシア軍が国土防衛に必要な兵員不足に直面している。侵略中のウクライナ東部に多くの兵員を割いている事情もあり、西部クルスク州でウクライナ軍が越境攻撃を続ける中、掃討するための十分な兵員を確保できていない。越境攻撃は長期化の様相を呈しており、国民の不安も高まる。
日本経済新聞より
そして、実際にロシアにとってウクライナの越境攻撃は効いている。
ウクライナの攻撃でロシア石油施設の延焼続く、ロシアの司祭が消防車に聖水
2024年8月22日
ウクライナのドローン(無人機)攻撃を受けて大規模な火災が発生した、ロシア南部ロストフ州プロレタルスクの石油貯蔵施設は、3日経った21日も燃え続けた。こうした中、ロシア正教の司祭たちが火災現場を訪れた。
消防士500人以上が石油貯蔵施設での消火活動に当たっている。
地元当局がロシア国営RIA通信に語ったところによると、貯蔵タンク74基のうち約20基が燃えている。
地元のロシア正教の司祭たちは21日、消防士の努力を支援するためにイコン(聖画像)を手に現場を訪れ、消防車の横で祈りをささげた。
「(司祭は)消防士たちと言葉を交わし、すべての消防設備に祈った」と、地元のヴォルゴドンスク教区関係者はロイター通信に語った。
司祭たちは、火災に対するお守りとされる「燃えない茂み」が描かれた大きなイコンを持参した。
BBCより
そして、神頼みというから、よっぽど困っているんだろう。

何というか、文句はプーチン氏に言ってね?
コメント
ほほう。ちょいとウクライナ見直しましたな。すぐ補給を絶たれて逃げ戻る思うた。
んで、西側が動揺してるって(笑)
基本的に古典的な戦争終結は、敵国の首都包囲または陥落させて武装解除する。
そもそも越境攻撃してきたのはロシアなのですよ。セオリーとしてはモスクワ陥落させてプーチン処刑がセオリーです。
反攻するウクライナに「越境攻撃は止めてね」と求めるのは、彼ら(西側)の本音つまり「武器を税金で売れるから戦争続けさせほ。終わらせるな!」がスケスケすな!
逆に言えば、そろそろ何らかの落とし所を見つけてくれないと、EUそのものが崩壊しかねない岐路に来てるって話では?
現実にロシアはリン鉱石の世界の過半を産出国で、ウクライナはアフリカや中東を安定化する為には穀倉地帯。つまり両国は世界の食糧供給源。そしてウクライナ産の穀物輸出が閉じたままだと中東やサヘル地域の治安が液状化する。
すでに紅海が安物ドローンで米国艦隊を追い払っている上に、イランとイスラエルが衝突すればペルシ湾まで封鎖されオイルルートは壊滅。つまりウクライナ戦争で儲けてきた連中にしてから、これ以上の世界秩序の流動化は自らに跳ね返るリスクと認識し始めたのでないですかね??
ウクライナ、なかなかしっかりと作戦を練って侵攻したようですが、狙い通りになったかは不明。
恐らくは、ロシア軍が侵攻の手を緩めるのではないか?もしかしたら、停戦交渉のとっかかりになるのではないか?と、そんな目論見があったようですが。
西側諸国の動きは様々ですが、取り敢えずは容認する方向らしいですね。
ただ、国内の引きしめというか、軍備増強という方向には動いているところが多くて、慌てている様子が見られますね。
こんにちは。
この件は、航空万能論GFさんのところを追っかけるとかなり即時性の高い情報が得られますが、スルスクは西部をほぼ無力化した(橋を落とし、架橋しに来た露軍をHIMARSで潰した)うえ、クルスクの隣のブリャンスクにも攻め込んだという話しも聞きます。
とはいえ、ウクライナ領の東側及び南側の戦線が押し込まれていることも事実で、露軍の進撃を止められていないのも事実。
これをもって「ウクライナは賭けに失敗」「露軍は戦力を移動させていない」とする意見もあり、それはそれで確かでしょうが、「引き抜きたくても抜けない」のが実態なのかな?とも思います(エビデンス無し)。攻勢にある今抜くのは悪手ですし。
クルスクほっといていいのかというとそれはダメなんでしょうけど、プーさん、イエスマンから色よい事ばっか聞いてて事実誤認してたんじゃないでしょうかね。
ウクライナが自国領内でジリ貧なのは事実なので、どこかで大きく戦線を後退させて立て直す必要があると思ってますが、そのついでに嫌がらせ程度でも露軍のロジを攻撃出来れば……なんて、素人の茶飲み話にしかなりませんね。後方の側面叩けるならもうやってるでしょうし。
正直、イスラエル以上に、ウクライナは終わらせ方が見えません。
※西側が一斉に連合軍作って短期決戦で押し戻して、ってのが一番早いのですが、あり得ないでしょうし。出来ればロシアをこの機会に常任理事国から蹴落としたいし……
我慢比べですが、ロシアも国内情勢が万全でないことは確かなので、なんとかプーを凹ませたいものです。
こんにちは。
航空万能論さんのところは、毎日拝見しています。
ただ、あそこの情報を見ていると、ウクライナはかなり劣勢でもはやどうしようもない状況になっているように感じてしまいます。
ということなので、視覚的に理解できて重宝しているのですが、何処まで信用するのかはちょっと。
さておき、ウクライナが厳しいのは事実で。窮鼠猫を噛む的なムーブは分かるのですが、その先の戦略がどうなっているのかは、とても気になりますよね。
前回、ウクライナ軍のクルスク州侵攻では、まったく先が読めませんとコメントしました。
その侵攻作戦の開始から3週間近く経ちますが、いまの動きに変化が見られないため、ゼレンスキー大統領は今後も侵攻作戦を止めないことが考えられます。
ゼレンスキー大統領は、これまで何度も「有利な停戦交渉のため」の侵攻作戦と明言していますが、その意図は、ロシア軍が占領したウクライナ領土とウクライナ軍が占領したロシア領土の交換にあるのではないか?と(いかにもスラビヤンな発想として)
ゼレンスキー大統領は、停戦の仲介(=軍事援助の停止)を示唆しているトランプ前大統領の再選を強く意識しているはずですし、そのことが政治圧力になっているだろうと思います。
トランプ氏は、大統領選キャンペーン中にEUを恫喝して、各国に2%国防費の達成を声明させたほどの影響力を示しましたから、ゼレンスキー大統領はトランプ氏の発言をジョークとは捉えていないでしょう。
また逆に、ハリス氏が次の米大統領になれば、当面は米欧からの軍事経済援助の継続が見込まれますし、継戦能力を維持できれば、ロシアとの停戦交渉やNATO加盟の機会を待つことも可能でしょう。
他方でプーチン大統領は、緒戦で下手を打ち、ウクライナにズルズルと消耗戦に引き込まれ、しかも現時点で決定打に欠けています。彼はいまだに理性的ですが、軍と国家経済はすでに相当な出血を強いられています。戦時経済損失は莫大なものになるでしょう。故にトランプ氏が停戦仲介に乗り出すとき、プーチン大統領は乗ってくるはずです。
それがわかっているゼレンスキー大統領と首脳陣は、トランプ氏からの停戦仲介を蹴れば、一転して悪者にされてしまうので、そんなことなど出来ませんから、停戦交渉で最大限の領土を奪い返すために、今回の大博打に撃って出た…ウクライナのクルスク州侵攻作戦の戦略目的は、トランプ大統領(仮)の仲介による停戦交渉での領土回復の最大化-と、こんな仮説も成り立つのではないでしょうか?
仮に次の米大統領がハリス氏であっても、ウクライナ側の限界がもう大分近いはずですから、遠からず停戦交渉の機会は巡ってくるでしょう。
おお、なんか難解パズルがパッと解けた感じです。さすがです。
そもそも何で無謀な進撃するのか不思議たったのです。
砂漠の男様の推理を読んで、スッキリと納得しましたよ。なるほど、停戦交渉時に
領土交換等で有利に立ち回る為か!
それは思ってもみませんでしたが、言われてみるとパズルのピースがピッタリと合う。
いや、さすがです。
自分の仮説は頭の体操程度のお目汚しですが、それはさておき、8/27付けロイター電に拠りますと、ゼレンスキー大統領は9月のUN総会に出席し、その際にバイデン大統領やハリス氏、トランプ氏と会談する意向で、ロシアとの停戦案を提示するとのことです。
https://www.reuters.com/world/ukraines-zelenskiy-present-plan-biden-end-war-with-russia-2024-08-27/
その中身はどうであれ、ようやく停戦に向けた具体的な動きが始まるようです。
ウクライナ軍は随分苦労しているようですが、今以て状態を侵攻を維持しているようです。
ロシア軍がウクライナ軍を撃退できない状態は続いているようですが、国内を食い破られつつあるのでこのままの状態を維持するのは難しい様に思えます。全土への空爆も受けていますしね。
ゼレンスキー氏の狙いが交渉材料にあるとしても、ウクライナ世論を揺さぶる戦術に出てきているロシアに手を焼きそうですね。
ただ、仮にゼレンスキー氏の狙いが交渉材料にあったとすると、トランプ氏が当選した後に起こるハレーションに対応するため、恐らくは長期間この状態を維持しなければならないという弱味ができてしまい苦しいところ。
ゼレンスキー氏には次の一手が欲しいところですね。