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イギリス各地で人種差別反対の抗議続く

北欧ニュース
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イギリスは落ち着いたような感じはしないね。火の勢いは弱まったけれども、あちこちで未だ火種が燻り続けていると見るべきだろう。

イギリス各地で人種差別反対の抗議続く 暴力扇動した「インフルエンサー」への捜査も続く

2024年8月12日

イギリス各地の町や都市で10日、人種差別に抗議する人々が、数千人規模の集会を開いた。これは、同国で先月末から続く、反移民などを主張する人たちによる暴動などに対抗するもの。暴徒への刑事手続きが進むとともに、警察は暴力をオンラインで扇動したいわゆる「インフルエンサー」への捜査も進めているという。

BBCより

今沸き起こっている抗議はカウンターヘイトらしいが。

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混乱の続くイギリスでは首相の決断が必要

反イスラム・反移民を訴える運動が暴動に

先ずは、関係記事のリンクを。

8月4日にイングランド北部で極右団体による暴動が発生。極右団体は反イスラム・反移民を掲げて抗議運動を展開したのだが、そのキッカケが「少女3人刺殺事件の犯人が移民である」というデマがネットで拡散されたことだったようで。

なかなか危うい世の中になったものである。

ただ、この手の暴動のキッカケというのは、正義が抗議する側にあるなんてことは実は少ないように思う。捏造された情報のほうが派手に燃え上がりやすいのだ。

実際に、抗議行動などをすっ飛ばして、過激派が暴動を起こす始末となった。

冒頭に紹介したのは、そうした反イスラム・反移民という思想に対する抗議活動のようだ。

ウェールズのカーディフや、イングランドのバーミンガム、ノリッジ、ペンザンス、サウサンプトン、シュルーズベリー、カーライル、ヘイスティングス、ケンブリッジ、デヴォンでは10日、数百人が集まり、人種差別に抗議した。

北アイルランドのベルファストでは、数千人規模のデモ行進が行われた。「アルスター地方は人種差別にノーと言う」と書かれたサインを掲げる参加者もいた。

BBC「イギリス各地で人種差別反対の抗議続く」より

「人種差別に抗議」ということになっているのだが、しかし、ベルファストか。

ベルファストという土地柄、過激組織が居たとすると、なにか別のことを想像してしまうのだよね。元過激派組織アイルランド共和軍(IRA)が活動し、イギリスとアイルランドの間で揺れた長く紛争の続いた土地だからだ。

アルスター地方は、そうした抗議活動・紛争の記憶がまだ色濃く残る土地だ。

もちろん、人種差別が良いことだとは思わないが、個人的には反イスラム・反移民という主張には賛同できる。そして、ベルファストではまさにイギリス派とアイルランド派が争った地域であり、差別とは話が違うのだが、どちらの主張を採用するかで揉めた過去を考えると、単純に今回の事件も「人種差別」で括って話をして良いのかは疑問に思う。

抗議運動と地元の意識

そもそも「人種差別」と移民受け入れ拒否・凍結というのは、次元の異なる話であると思う。

抗議デモの主催者「ユナイテッド・アゲインスト・レイシズム」(団結して人種差別に立ち向かう)は、このイベントは「ここ数日間の人種差別的な暴力行為に対する平和的な対応」を意図したものだと説明した。

「ここは私たちの道だ。私たちを分断しようとする人種差別勢力に譲るつもりはない」と、同団体のフィオナ・ドーラン代表は述べた。

ロンドンでは10日、官庁街ホワイトホールで約5000人が難民支援を主張して行進した。参加した人たちは、新党「リフォームUK」の本部へと歩いた。同党のナイジェル・ファラージ代表は、移民受け入れを「凍結」すべきだと主張している。

イングランド北東部ニューカッスルでは、人種差別に反対する数百人が集まった。近くでは少数の移民反対派が集まった。現地警察によると、武器所有や違法薬物所持などの疑いで14人を逮捕したものの、騒乱や暴行などを理由とした逮捕はなかったという。

BBC「イギリス各地で人種差別反対の抗議続く」より

今、イギリスで主流になっている主張は「人種差別反対」という印象のBBCの記事になっているのだが、どうにもズレているように思える。

【解説】イギリス暴動の根本原因をどうする スターマー首相が今後問われること

2024/8/13

「もっとひどいことになってもおかしくなかった」。イギリス首相官邸の顧問は私にそう言った。「中に人が大勢いるホテルに、火をつけようとしていたんだから」。

しかし、キア・スターマー首相は「集中している」のだと側近たちは強調する。そして、政治家になるまで刑事司法の世界に長年いた人だけに、「どのレバーをどうすればいいのか、首相は分かっている」のだと。

BBCより

本質的に、この件を沈静化する責任は首相にある。イギリス新首相のスターマー氏は、老練な政治家らしいが、左派政権がどのような手段を講じるのかは、現時点では明らかにされていない。

政府は今のところ、移民について言及するのを避けている。前述のように、騒乱の一部が何かしら正当性をもつなどと受け止められるのを、避けるためだ。

しかし政府はそのうち、合法移民と不法移民について多くの人が懸念しているのは正当なことだと、首相はそう思っているのだと、有権者にあらためて周知するはずだ。

BBC「イギリス暴動の根本原因をどうする」より

そして、根本的な問題は「人種差別」などではなく、「移民問題」なのである。特に不法移民の問題をどう料理するかがポイントなのだが、アメリカのバイデン政権などを見ると、放置して悪化させるのが左派政権の特徴であり、事態が悪化してから過激な手段を取りがちである。

暴動の影響でより環境が悪化

だが、既に環境悪化が進んでいて、いち早く手を打たねばならない状況にある。

内務省統計を分析すると、ここ数日に暴動の影響を受けた都市や町の多くは、貧困の度合いが高く、難民申請者の滞在が国内平均よりも多い。

イギリスの低所得・中所得世帯の生活の質改善をテーマとする英シンクタンク「レゾリューション基金」が今月6日に発表した報告書によると、地域間の格差はこの数十年間、ほとんど変わっていない。

筆者のチャーリー・マカーディー氏は、「貧しい場所は貧しいままになりがちだし、裕福な場所は裕福なままだ」と私に話した。

BBC「イギリス暴動の根本原因をどうする」より

結局のところ、不法移民にお金を使って、貧困層の手当に手が回っていないことこそが問題なのである。地域で解決できるような問題ではなく、まずは不法移民を速やかに帰国させることが肝要なのである。

コメント

  1. 砂漠の男 より:

    以前にも指摘させていただいたと思いますが、結局のところ、移民志願者たちはすべからく出稼ぎのためにやってくることがほとんどなので、数多の移民志願者たちを受け入れて、国民以上の福祉を与えることより、移民志願者たちの母国に経済支援や技術支援を根気強く行うことのほうがマッチベターでしょう。魚を与えるより釣り方を教えるというこれまでのやり方です。
    いまどきの、なんでもカネで解決しよう、移民志願者たち手厚く保護しようというポリコレ政策は、国民感情だけでなく、政権を危うくしかねない誤ったやり方だろうと思います。

    • 木霊 木霊 より:

      まったくもって、ご指摘通りですね。
      自国で生活できるのであれば、そう出来るようにしてあげれば良い。
      生活基盤を自分の手で整える方が、よっぽどやる気も出るでしょうし。

      尤も、そうではない「寄生虫」狙いの方々もいるのでしょうけれども。

  2. 河太郎 より:

    結局は米国で起きている事と同じなんですね。移民問題は人種差別問題とは違う。
    そこを直視しない限り何も変わらないし、暴力による衝突は延々と続く。
    新政権がどう処理するのか見ようではありませんか。
    日本にはアルスター義勇軍のテロリストだった牧師もおり、その本を読んだ事もある。IRA側の本も。アレも解決まで20世紀いっぱい+アルファかかってますから、私は収まるとは思ってませんが。

    • 木霊 木霊 より:

      アメリカと同じ、かどうか判断できませんが。
      構造的には似ているのかもしれませんね、結局は外国勢力の排斥ということとなれば、対立構造に容易に変容する。
      暴力の連鎖は、理屈じゃ止められませんからね。新政権、トランプ氏ならとは思いますが、ハリス氏だとするとかなり厳しいような。

  3. 七面鳥 より:

    こんにちは。
    遅刻コメント失礼します。

    応酬のこれら移民がらみのヘイトとテロですが、日本も笑い事じゃないですよね。

    川口中心のクルド問題しかり、あちこちのイスラムの土葬問題しかり。

    基本的に、日本人以外は「郷に入っては郷に従う」が理解出来ない、というか、ハナからそんな意識は持ってませんから……

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      クルド関連の記事は、一体何が本当なのか?という状況です。
      イスラム関連のニュースもおかしな情報が出回っていますね。

      ただ、異文化の受け入れというのは、「良いものを取り入れる」というスタンスでいたいものです。日本文化側が譲歩するような形で受け入れるのは、違うと思うんですよね。そうでなければ「自国でやってくれ」と。