うーん、これは。
ワルツ氏の中国体験、選挙戦に影響も-期待から不満に転じた対中認識
2024年8月7日 14:27 JST
米民主党の副大統領候補ティム・ワルツ氏は、何十年も前から中国とのつながりがあり、ハリス政権が誕生すれば対中政策に貢献する可能性がある。
Bloombergより
バイデン氏が有能に感じる日が来るとは思っていなかった。よくよく考えると、バイデン政権って懸念していたほどは悪くなかったんだよね。良くもなかったのだけれど。
外交政策に不安な民主党陣営
副大統領候補のワルツ氏
で、カマラ・ハリス氏が大統領になった時に、副大統領になるのがこのティム・ワルツ氏ということらしい。
アングル:米副大統領候補ワルツ知事の手腕、フロイドさん事件で批判と称賛
2024年8月8日午前 9:37
米ミネソタ州のティム・ワルツ知事が民主党副大統領候補に選ばれたことで、2020年の黒人男性ジョージ・フロイドさん暴行死事件をきっかけとした抗議行動への同氏の対応が再び注目され、批判と称賛を受けている。
共和党のトランプ前大統領の支持者や極右の批評家は、ミネアポリスで起きた抗議行動に伴う略奪や放火、暴力を止めるために警察を動員するのが遅すぎたと批判。一方で支持者はフロイドさんの死亡に関わった警察官の訴追に尽力したとして同氏を称賛している。
ワルツ氏らは最善を尽くして問題に対処したとしながらも、暴動から数日後の記者会見で、州兵派遣などの決定が遅れたことを認め、市当局の対応は「悲惨な失敗」との認識を示した。
ロイターより
記事によるとミネソタ州の知事だったらしく、ミネアポリスで起きたジョージ・フロイド事件の対応をした人物らしい。この事件は後のBLM暴動に発展していった切っ掛けにもなっていて、個人的にはこの知事の対応は愚劣であったと思っている。
が、ワルツ氏は警官訴追に尽力したとして評価されているらしい。そうですか。去年はこんな痛ましい事件もあったんだけど。
フロイドさん殺害で有罪の元警官、刑務所内で刺され重傷=米報道
2023年11月25日
2020年5月に米ミネアポリスで黒人男性ジョージ・フロイドさん(48)を殺害した罪で有罪となった元警官が24日、収容先のアリゾナ州の刑務所で刺された。米メディアが報じた。
~~略~~
同受刑者はその後、2021年4月にを受け、6月に実刑22年6か月の量刑を言い渡された。
2022年7月には、フロイドさんの公民権を侵害したとして、さらに20年の量刑を受けている。
BBCより
そもそも実刑判決で22年6ヶ月+20年って、幾ら何でも酷いだろう。確かに容疑者を死に至らしめた事を咎められるというのは、仕方がないのだが。
おっと、ワルツ氏の話から少し逸れてしまったが、この件でワルツ氏の責任がかなりあるのだという事を指摘しておきたい。
責め手が少ないトランプ陣営
だが、このワルツ氏は、黒人社会の味方をしたのだという認識がアメリカでなされている為に、一部で高い評価を受け、アメリカ社会全体でも批判できない位置にいるようだ。
アメリカの専門家も以下の様に分析しているらしい。
同団体の創設者Jotaka Eaddy氏は「ワルツ氏の在任期間は、社会正義を推進し、弱い立場にあるコミュニティーや有色人種のコミュニティーを守るという確固たる決意があった」と述べ、重要な時期に「効果的な統治」を示したと評価した。
専門家は共和党がワルツ氏を攻撃するのは難しいとの見方を示している。
ジョンズ・ホプキンス大学のリア・ライト・リグール歴史学教授は「ワルツ氏を追い詰めるのは本当に難しい。彼はトランプ支持者を含むミネソタ州の保守的な共和党支持者から絶大な人気がある。同時に、過去2年間の行動から左派からも多大な支持を得ている」と述べた。
ワルツ氏は知事として、学校給食の無償化、気候変動対策、中流階級への減税、ミネソタ州労働者への有給休暇の拡大などを含む進歩的な政策を推進してきた。
ロイター「アングル:米副大統領候補ワルツ知事の手腕」より
……ワルツ氏の知事としての実績を見ると、かなり「ロクデモナイ」という認識を持つのは、僕だけかも知れないが、これで共和党からの人気も高いというのは理解できない。
が、ともあれ難敵ではあるのだ。
ところが、冒頭のようなニュースが出てきて、この話にも疑問符が。
ミネソタ州知事のワルツ氏は1989、90両年、中国広東省で英語を教えていた。70年代に駐中国大使を務めたジョージ・H・W・ブッシュ氏以来となる中国での生活経験を持つ副大統領候補だ。
Bloomberg「ワルツ氏の中国体験、選挙戦に影響も」より
うーん、バリバリのパンダハガーだな。
対イスラエル政策は
副大統領候補として名前が挙がっていた人物として、ペンシルベニア州知事のシャピロ氏がいた。
彼はユダヤ系の候補らしく、イスラエルに対してかなり親和的なようだ。
米民主副大統領候補、ワルツ・シャピロ両氏に絞り込み=関係筋
2024年8月6日午前 11:23
米大統領選で民主党の候補指名を確実にしたハリス副大統領が選挙戦を共に戦う副大統領候補を、ミネソタ州のワルツ知事とペンシルベニア州のシャピロ知事の2人に絞ったと、関係筋が明らかにした。
~~略~~
シャピロ氏(51)は大統領選の重要州であるペンシルベニアで高い支持率を誇る党の新星。勝利すれば米国史上初のユダヤ系副大統領となる。
同氏のイスラエルへの強い支持は、進歩的な有権者の一部から反感を買う可能性があるが、穏健派へのアピール度は高いとみられる。
ロイターより
ハリス氏がペンシルベニア州のジョシュ・シャピロ知事ではなくワルツ氏を起用したことを考えると、それはもっともな疑問だ。長い間副大統領候補の最有力候補と見られていたシャピロ氏はイスラエル人とパレスチナ人に対する同氏の見解をめぐって、ネット上の多数の左派を分断させた。
注目すべきは、ワルツ氏もこの問題に関して多くの同じ見解を共有しているが、ユダヤ人であるシャピロ氏よりはるかに反発が少ないことだ。
CNNより
そして、ワルツ氏も同じ路線であるらしい。
ただし、シャピロ氏がユダヤ系であるのに対して、ワルツ氏はそうではなく、同問題に対しては反発が少なく済むだろうとの読みはある様で。
ハリス氏、イスラエルへの武器禁輸を「支持せず」 政策変更望む声も
2024年8月9日 9時30分
米民主党のハリス副大統領の側近は8日、米国のイスラエルに対する武器禁輸を支持しない考えを明らかにした。軍事支援を止めてイスラエルに圧力をかけるよう求める声もあるなかで、イスラエルの自衛権を重視する立場を明確にした。
朝日新聞より
ハリス氏もイスラエルに対しては支援する立場を見せているので、この辺りはトランプ陣営と認識は似ていると言って良いだろう。
そうすると、良くも悪くも大統領がどちらになったとしても、アメリカの対イスラエル政策は大きく変わると思われる。
対支那戦略が鍵となるか
そうすると、やはり争点になってくるのは対支那戦略だろう。
今やアメリカ議会の多数派を占めるのが、対支那強硬路線であり、バイデン氏はこれを抑える感じの立ち回りをしていた。
ワルツ氏はしばしば中国の人々について愛情深く述べてきた。90年に中国から戻った後、「彼らに適切な指導者がいれば、成し遂げられることに限界はない。彼らはとても親切で、寛大で、有能な人たちだ」と地元紙に語った。
~~略~~
ワルツ氏はまた、インドに亡命しているチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世と「人生を変える」昼食会をしたとソーシャルメディアに投稿している。
Bloombergより
副大統領はそうした政策の中でキーマンになる可能性はあるが、何というか、立ち回り的にワルツ氏のやっていることは支那に評価されない可能性が高い。
ハリス氏が外交的失敗をする事で有名な人物であるが故、外交においてはワルツ氏が矢面に立つシーンが増えそうなのだが、対支那アプローチはなかなか宜しくない感じである。
つまり、支那に親和性が高い一方で、民主化することを望んでいる感じなんだよね。支那の習近平氏にとっては耐えがたい認識だろう。
同氏は中国関連の政策も立案。下院議員時代には2017年の香港人権・民主主義法を含む数多くの法案を共同提案した。天安門事件を巡る中国の検閲を非難する決議案や、中国政府が非合法としている気功集団「法輪功」への対応に懸念を表明する決議案など、数多くの決議案にも関わった。
Bloombergより
かつてのアメリカの失敗を再び繰り返す可能性の高い人物ということになりそうなんだが……。これで、ハリス氏が外交面で強ければ未だ許せる人選かもしれないが、副大統領時代の実績が皆無なんだよね。
そういう意味では、バイデン政権って民主党陣営のなかではかなりマシな人材だったと言えそうである。不幸なことに。
コメント
いえいえ疑念は私も同様です。
ワルツの給食無償化? 写真でしか見てないけど、食った子の文の自動翻訳だと、ほぼ「ムショのメシ」ですね。臭い飯より臭い説もある。
ホテルカリフォルニア(長期刑務所)に10年入っていた日本人が「囚人が捨てている」と書いた中身にそっくりなのす。
それを美談にされましてもなぁ。
あと記者の質問への受け答えが翻訳されていたのですが、長い割にイミフすぎる。国語力ないと言うか、よくけんじやってられたな? というくらい起承転結とか序破急がない。メリハリなく結論を得ない感想が続くだけ。
恣意的にアルゴリズムと、翻訳者がイジってるのでなければ……間違いなく今後の討論会やら記者会見などで「ボロ」が出てくるはず。その時に支援者は応援し続けるか否か。
しかしマジでこの人はバカなのか?
だとししたら「そんな人」が検事に成れてしまう。その事の方が怖いすね。
あ、すみません。
それを美談にされてましてもなぁ 以降は
ハリスについての話です。
間違えて分かりにくくなってしまった。
ワルツ氏の評判はあまり宜しくないようで。左派ウケする人材のようですが、なかなか過激みたいですね。
ハリス氏よりも過激というのが前評判みたいで。
民主党政権が誕生すると、とんでもないことになりそうです。