良くない傾向だね。
イギリス 偽情報に端を発した暴動が全国に拡大 約380人逮捕
2024年8月6日 8時47分
イギリスで、反移民感情をあおる偽の情報に端を発した暴動が全国に拡大し、これまでにおよそ380人が逮捕されました。スターマー首相は5日、「暴力行為に加担した全員に法の全力をもって対処する」と強調したうえで、インターネット上で暴力を扇動する行為も刑事罰の対象になると警告しました。
NHKニュースより
日本はこの事件を「他山の石」として戒めねばならない。
暴動の根底にあるモノ
偽情報が暴動を煽る
起こった事象としては、イングランド北部の亡命希望者が避難所としているホテルに放火されたという事件だ。
極右の暴徒、亡命希望者の避難所襲撃 過去数年で最悪の社会不安、英国
2024.08.05 Mon posted at 14:33 JST
英イングランド北部で4日、亡命希望者の避難所として使われているホテルに暴徒らが放火し、侵入した。同国はここ数年で最悪の社会不安に直面している。
CNNより
なかなか酷い事件で、暴徒がホテルに放火したという構図ではあるのだけれど、その動機が酷い。
この暴動は、イングランド北西部の街サウスポートで先月末に起きた少女3人の刺殺事件がきっかけで発生した。極右の暴徒らは、犯人が移民であるという虚偽の主張を含む偽情報を拡散。反イスラム、反移民の抗議運動をたきつけた。警察によると、事件の容疑者は英国生まれだ。
CNNが位置情報を特定した映像には、抗議者らがイングランド北部タムワースとロザラムのホテル2軒を破壊し、放火する様子が映っている。
地元当局によると、タムワースでは抗議者らが物を投げつけ、窓ガラスを破壊し、放火。警察官1人が負傷した。ロザラムでは、木の板を投げつけ、警官に向かって消火器を噴射、ホテル付近の物に火をつけたあげく、建物に侵入するために窓を割った。
CNN「極右の暴徒、亡命希望者の避難所襲撃」より
どうやら、ネットのデマを拾ったイギリス人の右翼思想の方々が、不満の捌け口として弱者を狙ったという事のようだ。
日本でも他人事ではない
この話は、日本でも他人事とは言えない状況にある。
特定の組織を論うのは良くないと思うのだが、先鋭化している日本保守党やマイルド左翼的な参政党などは、かなりリスキーな言論を振りまいている。今のところそれが暴動に繋がったということはないのだが、一歩間違えばそうなる可能性があるという意味だ。
例えば、日本保守党であれば党首の妄言を信じたネットイナゴ達が、よってたかって特定アカウントに群がる様子が毎日のように観測される。参政党の方はもうちょっと実害のある話があって、ジャンボタニシ事件に関わっている。
参政党の方は、党首が火消しに走ったので取り敢えず酷い事態を招くことはなかったかもしれないが、ジャンボタニシは日本国内で増えていて今年の夏も随分と苦労している方がいたようだ。

こちらの記事ではNHKがマイルドに記事を書いているが、意図的にジャンボタニシをバラ撒いている人もいるようで、農家にとっては死活問題に繋がりかねない話だ。
おっと、日本保守党と参政党を例示したが、別に他の政党が健全というわけではない。分かり易い事例があったので敢えて取り上げさせて貰っただけだ。支持している方は気を悪くしないで頂きたい。日本保守党は知らないが、参政党の首相は全てが全ておかしいというわけではないし、彼らの学びに貪欲な姿勢は評価すべきところもある。ただ、方法論は間違っているように思うのだが……。
この2つの政党より寧ろもっと質の悪い組織がある。それが日本共産党である。日本共産党に比べたら、日本保守党や参政党は可愛いものである。
核なき世界実現へ交流
2024年8月6日(火)
広島への原爆投下から79年を前に5日、広島市内で核兵器廃絶を目指して市民社会やNGOがさまざまなイベントを開催しました。
しんぶん赤旗より
何か素晴らしい理念を唱えているようにも見えるが、現実はこんなモノである。
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デモの自由というのはある程度容認される必要はあると思うが、やっていることは不法占拠に近い行動でかなり下劣だ。これを煽ってやらせるのが日本共産党であり、その関連組織なのである。
ブレグジット以降の移民増加
さて、日本の話はともかくとして、イギリスの方に視点を戻していこう。
EU離脱以降の外国人の増加
国別労働トピック:2023年6月
EU離脱以降、EU域外からの就学や就労を目的とした外国人の流入が急速に増加している。離脱に伴い、EUからの労働力の維持・調達が困難になったことが一因と考えられるが、具体的な影響や、外国人労働者の受け入れによる状況改善の可能性は、業種によっても異なるとみられる。
労働政策研究・研修機構のサイトより
そもそもイギリスは、移民問題に危機感を感じてEUを離脱したハズなのだが、どういうわけか外国人の流入が増加している。

こんなことならブレグジットをすべきだったのか?という疑問も噴出するというものだが……。
労働党が勝利した背景にも、社会不安が募っていたからなのだけれども、しかし労働党の方向性としては移民容認なんだよね。
そもそもブレグジット以降、イギリスは労働力不足に悩まされてきた。技術力の失われつつあるイギリスだが、それでも未だ産業はあって、2020年1月31日にイギリスはEUから離脱した際に、EU加盟国からの人の流入が減った一方で非EU加盟国からの外国人の流入が増えてしまった。
これしかし、日本も目指していることなんだよねぇ。ため息しか出ないが、こういった失敗事例があるにもかかわらず、「他に手段がない」等といって労働者獲得に汲々としているのが日本の現状だ。
同じような事がイギリスで起きていて、その規模は2022年通年で61万1000人(入国者107万6000人に対して、出国者46万5000人)と、日本の倍ほど(令和5年の増加数は33万5779人)となっている。イギリスの人口は6,700万人規模なので、現時点で人口の14%、ロンドンに至っては人口の35%が外国人であるというから、「そうなったときに何が起きるのか」は日本にとって実に分かり易い教科書といえよう。
移民増加に伴う不満
で、今回の事件はその事例の1つだと捉えるべきだ。
イギリスでは、先月29日に中部サウスポートで子ども3人が少年に刺されて死亡した事件の直後から、インターネット上で「少年はボートでイギリスに来たイスラム教徒の移民だ」などと反移民感情をあおるような偽の情報が拡散されました。
そして事件の翌日から各地で政府の移民政策などへの抗議活動が行われ、モスクにレンガを投げ込むなどの暴動に発展しました。
NHKニュース「イギリス 偽情報に端を発した暴動が全国に拡大」より
移民に対するヘイトが溜まっているので、火を付けるネタがあれば容易に暴発するような事態になっている。
英国暴動、右派不満浮き彫り 反移民政党に支持400万人
2024年8月6日 20:31
英国で反移民や反イスラムを主張する暴動が始まって1週間がたつ。5日は同国第2の都市バーミンガムや南西部のプリマスなどで発生した。7月の総選挙で中道左派の労働党が大勝した陰で、右派が強い不満を抱える実相が浮き彫りになった。
日本経済新聞より
そもそも、前スナク政権がイギリスに不法入国した外国人をルワンダに強制的に移送する計画が持ち上がった背景には、こういった不法入国外国人が増加傾向にある事にある。
岐路に立つイギリスの移民・難民政策
公開:2024年5月15日(水)午後2:51 更新:2024年5月15日(水)午後2:51
イギリスの難民政策が岐路に立っています。
難民申請を目的にフランスから小型のボートで海を渡ってきた人を、6500キロ離れたアフリカ東部のルワンダに強制移送する政策。政府は早ければ数週間のうちに、第一便を離陸させたいとしています。税所解説委員に聞きます。
~~略~~
さらに審査をする人の不足などから過去の審査が滞り、難民認定を待っている人は、2024の年初で約95000人に膨れ上がっています。
こうした人たちを収容する施設やホテルなど、難民のための費用は年間40億ポンド、現在のレートでおよそ8000億円に達しています。
NHKニュースより
日本でも似たようなニュースが最近あったんだけど、イギリスはその比じゃないんだよねぇ。
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そりゃ不満も出るよ。
「あいつら、俺たちより良い飯食ってるんだぜ」「その上、犯罪まで起こしやがって」という感じだ。
そして、今回の暴動に対して「厳正に対処」すると更に不満が溜まるという悪循環なのだが、イギリス経済は不調なので改善の見込みは薄いんだよね。

これは更に加熱する可能性があって、その捌け口を何処に求めるか?という話に繋がりかねない。
事実であるかどうかは余り問題ではない
しかし、今回の問題の深刻な点は、イギリスの実態がこの暴動に反映されているかというと、必ずしもそうとは限らない点である。
【解説】 英騒乱で明らかになった根深い怒り……しかし沸点には達していない
2024年8月6日
2日の夜、私は誇り高いサンダーランドの街が犯罪と暴力の波に飲み込まれるのを見ていた。
極右活動家たちは、これまでにサウスポートやハートリープール、そしてロンドンでしてきたように、女の子3人が殺された事件に抗議すると主張しながら、平和を維持しようとする警察を攻撃した。警察署の隣にある相談センターに放火し、モスク(イスラム教の礼拝所)に石を投げ、店舗で略奪行為に走った。
しかし、覆面姿のならず者たちが警官隊に物を投げている側では、イングランド代表の上着を着た家族たちがそれに声援を送っていた。赤ちゃんをベビーカーに乗せた母親たちや父親たち、そしてイングランドを表す「聖ジョージの十字」の旗を肩にかけた小さな子供たちが、行進に参加するのを私は目撃した。
~~略~~
一方で、移民の影響については概して否定的な意見より肯定的な意見の方が多いことが、同じ調査で明らかになっている(ただし、肯定と否定の差は、2022年以降に縮小している)。
長期的な態度については、信頼性の高い「欧州社会調査」によると、2022年には、イギリスのほとんどの人々が移民は経済と国の文化的生活にとって良いことだと考えていた。また大多数が、移民はイギリスをより住みやすい国にしたと答えている。
また「世界価値観調査」によると、移民が犯罪や失業の原因になるという意見に同意する割合が最も低い国はイギリスだった。隣人に移民がいたら嫌だと答えたイギリス人はわずか5%で、これもどこの国よりも低い割合だった。
BBCより
このBBCの記事が何処まで正しいのかは何とも言えないところだが、移民が増えたから即、社会が混乱するというわけではない。
極右団体に煽られて暴動を起こしている組織は、不満を抱えているのは間違いないのだけれども、その不満が正当なものであるかどうかはまた別なのである。
そして、記事の中でチョイチョイ日本の事情も挟んだのだが、ヒトゴトじゃないんだよね。
一方で、異なる文化の人々が暮らすようになれば、当然、文化同士の衝突が起こることは避けられない。この状況にまんま当てはまるのが日本で言えば川口市辺りの事態なのだけれど、備える側としては最悪を想定して備える必要がある。
社会が不安定化することは、移民・難民を国に招けば(日本で言えば外国人労働者を増やせばという意味に等しい)当然に起こり得ることだ。煽る側は正にそういったタイミングを狙っているしね。
追記
怪しい感じはしていたけれども、テロ認定してきたね。
ロンドン警視庁の元テロ対策トップ、英暴動の一部は「テロの領域」と
2024年8月6日
イギリス各地で1週間近く続く騒乱について、 かつてロンドン警視庁でイギリスのテロ対策を統括したニール・バス元副総監は5日、一部の暴力行為は「一線を越えてテロリズムの領域に達した」とBBCに話した。
~~略~~
ソーシャルメディア「X」(旧ツイッター)上では、極右活動家のトミー・ロビンソン(本名スティーヴン・ヤクスリー=レノン)元受刑者が週末の間、何千人ものフォロワーに対して扇動的なメッセージを投稿していた。ロビンソン元受刑者は現在、キプロス滞在中で、プールでのんびり寝そべる姿が報道されている。支持者への扇動メッセージはすべて、キプロスから発信されたもよう。
ロビンソン元受刑者のXのアカウントは凍結されていたが、Xを所有するイーロン・マスク氏が昨年11月に復活させていた。
BBCより
極左活動家が扇動した結果、右派活動家が動いたということで、政治的意図を持ったテロリズムであると認定したということのようだね。

イギリスの治安維持のリソースが随分と浪費させられている感じだが、パリの事案といい、なかなかヨーロッパの状況も怪しくなってきた。これでロシアの影がチラチラし始めると、なかなか厄介な事態だと言えるんだが。
コメント
こうなる事は解っていたのに……????????
バブル期に村上龍(最近は創作やめてますな)の「愛と幻想のファシズム」の冒頭に、裕福なフィリピン人難民キャンプを日本人庶民が襲撃するシーンがありましたが、アレを思いだしたなぁ。マイナーな感想ですが。
英国とくにイングランドは、1936.10.04日にもファシスト党がロンドンのイーストエンドで反ユダヤ移民デモを起こしてユダヤ民族評議会の集めた人員と大規模な市街戦してますね。
ファシスト党? ムッソリーニだろ?かもしれませんがロンドンです。サー・オズワルド・モスレイでググればどっかに出て来ると思いますよ。
んで、比較的に教育水準が高く、技能を持ち合わせる職人が多かったユダヤ系でも移民について反発は多かった訳で(まぁ世界帝国だったから仕方ないか)、
教育水準が低めで、徒党を組んで騒ぐ事が多く、かつ受入国に同化しないイスラム圏の移民を増やせば「こうなる」のは解っていた事。てか、それでEUを離脱したのだし。今さら騒ぐなよとかんじてしまう。やだなぁ、日本もこうなるのか。
川崎にビル持ち地主が同窓ですが、あまりに治安が悪くて私的に自警団を組織してますからねぇ。使いやすくて凶器とみなされにくい武器は何だ?と聞かれたから、「バールだ!」と答えたら、即日に
「災害救助用」の名のもとにホームセンターで何本も揃えてましたねぇ(笑)
彼自身「大半は善良」と言ってますが、
集団として厚みが出れば、無視できない犯罪者が紛れ込むのは原則で、そういう当たり前の事をレイシズムだと退けてきたから、誤解が生じたのでせう。
ただ、昨今のリベラル派の言動と、明らかにテック企業のプラットフォームでの「アルゴリズム操作」を観ていても、「本当に誤解だったのかな?」とは疑います。日本人女性への強制性交のクルド人が無起訴になったりしてますし。
黒蟻と赤蟻を同じケースに入れて飼っても、すぐには争いませんが、ケースをちょいと振ると凄惨な殲滅戦争が始まる。
ケースを振るようなトリガーは人の社会なれば常に潜んでいるもので、その時が来てから騒いでも仕方ないンですよ。
村上龍ですか。
『限りなく透明に近いブルー』『コインロッカー・ベイビーズ』辺りは読みましたね、そういえば。なかなか読ませる小説でしたが、思想はかなり過激な感じで、愛と幻想のファシズムは読んでいませんが、何となく河太郎さんの評価は理解できる気がします。
で、国家ファシスト党でしたっけ、と思ったら、オズワルド・モレーですか。あれは確かファシスト連盟だったかファシスト連合だったか。
調べてみたら本当に(あ、イギリスファシスト連合が正解でした)暴動をやらかしていますね。ケーブル街の戦い(1936年10月4日)で、150人が逮捕され、175人の怪我人が出た結構な騒ぎだったようで。
このあたりの歴史を殆んど知りませんでしたが、ヨーロッパがナチズムに過激に反応するのは分かる気がします。
イギリスでの暴動は、今回のこれもおそらくキッカケに過ぎないように思われます。
>聞かれたから、「バールだ!」と答えたら
そこでハラガンツールですよ!
https://jp-swat.com/equipment/entry_tool/blackhawk/special_operations_hallagan_tool.html
いや実際、一個欲しいです。
※これも、小説書くのにドアエントリーのやり方調べてて知った知識の一つで、小説内で使いました。
これ良いですね。田村装備開発とか輸入してくれんですかね。
似たような製品のサイトはヒットしますが……
https://ja.aolaifire.com/hand-rescue-tools/hallagan-tool.html
https://the-kyosei.co.jp/productshandled/destruction/halligan/
……怪しさ大爆発してますよね。
対ゾンビ近接武器かと思いました(笑)