ここの所、支那や北朝鮮の水害の話を書いてきたのだが、日本が無事かというと……。
雨量想定外で排水ポンプ“追いつかず” 東北 記録的大雨1週間
2024年8月1日 20時15分
山形県と秋田県で大きな被害が出た先月25日の記録的な大雨から1週間です。
山形県では最上川が氾濫し浸水被害が発生しましたが、川沿いの地域では別の要因でも浸水被害が起きていたことがわかりました。排水ポンプ施設が想定を上回る雨量によって能力の限界に達し、住宅地に水があふれる「内水氾濫」が起きていたということです。
NHKニュースより
これは先日の台風の影響で浸水した世という話なのではあるが、記事を読んでみるとなかなかに深刻な事態である様に思える。
国交省は何やってんの?!
最上川の氾濫
今回氾濫したのは最上川。

まあまあ大きな被害を出し、被害を受けられた方々にはお見舞い申し上げたい。
正直、僕が住んでいる地域がこんなことになったら、泣くに泣けないよ。
とはいえ、最上川は古来から氾濫を繰り返してきた河川でもあって、幾度となく周辺地域の治水が行われてきた。敗戦後の日本でも、積極的に治水に取り組んできた地域でもある。
この時期特有の太平洋高気圧の縁をまわる暖かく湿った空気のほかに、台湾付近を西寄りに進んでいた台風3号周辺の空気が遠く離れた東北の雨に影響した可能性があるということです。
気象庁は「台風の接近以外でこれほど暖かく湿った空気が東北で観測されることはあまりない。なぜこれだけ記録的な雨となったかについては詳しい分析が必要だ」としています。
NHKニュースより
つまり、気象条件が通常と異なっていたとはいえ、氾濫リスクのある地域であったことは間違いないのだ。
排水ポンプの能力が追いつかない
とはいえ、羽越豪雨(昭和42年)の経験に基づいて、多目的ダムが複数建設され、更に大久保遊水池などの設置も進んだことで、近年では水害が減少していた。



今回の降雨はその想定を更に超えてしまったというのである。
国土交通省新庄河川事務所によりますと、戸沢村中心部の排水ポンプ施設「古口排水機場」は住宅地の浸水を防ぐために設置されていて、排水する能力は毎秒1トンだということです。
畑井言介副所長は「住宅地に流れ込んでくる雨の量が多く、最上川の水位も上がっていた。気象が激甚化しているので、排水施設の対応だけではすべてはまかなえない。ポンプに限らず堤防も同じで限界があるので、気象の条件によっては被害が生じるおそれがあることを日頃から住民に伝え、早めに避難してもらえるよう努めていきたい」と話しています。
NHKニュースより
戸沢村にはある程度被害を見込んで排水ポンプを用意してあったのだけれど、この排水能力を超えてしまったらしい。

国交省が今回の被害に関するレポートを上げていたので、そちらも紹介しておく。

こんな感じで氾濫してしまったようで。
割と、「想定を超えた被害」ということであったようだ。
近年に被害がなかったわけではない
ただ、想定外だったから仕方ないのだ、等という積もりは全くない。
記録的大雨 7年で3度も水害、山形・戸沢蔵岡で嘆く声「地区ごと引っ越したい」
2024年7月29日 6:00
山形県を襲った記録的大雨で、山形県戸沢村の蔵岡地区では最上川が氾濫し、家屋が3メートル近く浸水するなど、ほぼ全戸に被害が出た。同地区は2018年と20年にも内水氾濫に見舞われている。度重なる水害に住民からは「本望ではないが、地区ごと引っ越したい」と嘆く声が漏れた。
河北新報より
実際に被害の大きかった戸沢村は、ここ10年位の間に3度の浸水被害に見舞われている。今回は特に酷かったようだけれども。

どちらかというと下流よりの地域なのだが、河川の形状が複雑になっている地域なのだよね。

浸水地域の地図を見ると、何というか「納得」と言わざるを得ない。
河川のおよそ40箇所で氾濫
被害が大きかった酒田市や戸沢村では、未だに避難している方もいると言うことで、少しでも早い災害復旧をお願いしたいものである。
また、最上川など国や県が管理する河川のおよそ40か所で氾濫が発生するなどして、日本海側の庄内地方や北部の最上地方で大きな被害が出ました。
NHKが1日午後5時までに各自治体に取材したところ、浸水被害があった住宅や小屋などは、酒田市、遊佐町、戸沢村でそれぞれおよそ300棟など、あわせて17市町村で1400棟余りにのぼっています。
また、断水は酒田市、遊佐町、鮭川村のあわせておよそ400戸で続いています。
NHKニュースより
しかしそれにしても、40箇所で氾濫というのは中々の被害である。


これだけの被害があって、「想定外」を口にしたらこの地域の方々が納得できるのか?といえば、そんなわけはないのだ。
ここ数年で集中的に降雨する傾向が高まっていて、「ゲリラ豪雨」などという言葉も人口に膾炙されてきた印象がある。しかし、今は使われなくなった「篠突く雨」「鉄砲雨」「滝落とし」などという言葉があったように、過去にも激しい雨が降るようなことはあったのだ。ただ、ここ70年ほどは気象庁のデータが蓄積されつつあり、この記録にない状況を「過去に例を見ない」というような表現で表されているだけであると、僕は感じている。
支那の記事も取り扱ったが、傾向として被害が激しくなることは分かっているのだから、全国的に見てリスクの高い地域というのはピックアップをしてある程度指摘をすべきではないのだろうか。
そういう話を何処ができるのか?といえば、国交省なのである。
サボってるんじゃねーぞ!
コメント
親分が公明党じゃなあ
国交省は色々やることが多すぎるという側面もあるんですが、災害対策こそしっかりやって欲しいですよ。
こんにちは。
国交省、トヨタイジメみるにつけ、一度ぶっ壊さないとダメじゃないかと。
※もちろん、トップたる公明党のアホンダラは吊す。
※新宿公認会計さんの言うとおり、「選挙で選ばれず罷免もされないのに巨大な権を持つ国交省幹部」も、どげんかせんといかん。
とはいえ、単なる革命は反対です、革命してその後まともに政府運用出来たためしなし、明治政府は幕府の幕臣を引き抜いたからこそ。真に国を思い、能力のあるもので組織を作り直さないと……
こんにちは。
国交省にやることが集中していると言うことは、すなわちそれだけ利権がぶら下がっているという意味でもあります。
財務省も結構利権が指摘されていますが、国交省も大概だと思っています。
素人考えではありますが。
越流→決壊のパターンが続いているので、堤防の中心を連続地中壁などを支持層まで打って補強すればいいと思っているのですが。
(これは決して都市河川にありがちな鋼矢板ドブ川にしろというのではなく、堤防の斜面はそのままの状態にしての話)
これなら、スーパー堤防でなくても、表面をコンクリートで囲うなど自然破壊風味のことをしなくても、見た目そのままで安くできそうな気がするのです。
(もちろん表面そのままなので大雨では削れるけれども、越流しても連続地中壁が最後の砦になると思うので少しはマシかと)
ただちょっと調べてみた限りでは、港湾ではできても河川では法令(土堤原則の指針?)でできないみたいで。
国交省も利権スーパーな堤防ばっかり推進でなくもっと柔軟になってもらいたいもんです。
(とはいえ、民主党のアホみたいなことも言いませんが。)
また長野新幹線水没みたいなことが起きるのではないかと心配です。
※あまり言うと技研製作所の回しもんみたいになっちゃうんでこのへんで。
ちなみに私は、技研製作所とは縁もゆかりもありません。
連続地中壁や土留の技術はそこだけではないし。
技研製作所って、なんの話かと思ったら、鋼矢板の様々な技術を提供している会社ですか。
なるほどご指摘のような話は、技術的にはそんなに難しくはなく、工事箇所を絞ればコストも抑えられる可能性はあります。
ただ、今回の話、結局のところ水の質量が問題なんだと思います。
日本の民法を改正してでも、公益のために移住させることができるようにして、いつまでも居座る方々を合法的に排除し、遊水池を確実に作っていけるような感じにしないとダメなんじゃないかと。溢れても大丈夫なように川幅を確保するのはなかなか大変なんですけれども。
他人事ではなくて、荒川や利根川も怖いですからねぇ。0m地帯というと東京の下町ですが、実は埼玉の川口から大宮あたりまで(見沼地域)はその範疇ですからねぇ。もともと縄文海進の頃は、さいたま市まで東京湾ですから。
大宮の氷川神社はもともと巨大な水海の畔ですし。本宮に対して二宮は元は島ですし。二宮には水神の龍神が祀られてたと思いましたが、あの地域の見沼田んぼは秋に藁で作った夜刀神(手足の無い龍みたいの)を飾るのですが、これ武蔵(東京・埼玉)だと、あきる野市あたりでしか見られない。それだけ多摩川流域と共に水害が多かった地域なのが夜刀神の巨大藁人形の奉納から解るです。
板橋あたりで決壊したら、銀座あたりまで水位2mになるとか。それが武蔵野台地に沿って大宮あたりまで水浸しになるかと(ハザードマップで観ると)想うと、
背筋が冷たくなるすね。
木霊様がご幼少の頃か……神田川の氾濫で
高田馬場のビルのB1Fが水没し、僅か数十分で中の人が溺死する事件ありました。その頃からゲリラ豪雨はあったのですが、ガチであっという間ですからね。
東京は暗渠化されてるから目立ちませんけど、新宿歌舞伎町や渋谷など、元が低湿地の谷に繁華街がある事が多い。
暗渠から溢れたら目も当てられない地域は少なくない。他人事ではないですね。
私の住む神奈川は大雨による土砂災害が酷い。国土交通省にはしっかりとして頂きたいものです。
東京都は巨大な地下神殿(首都圏外郭放水路)を作って対策していますから、未だマシでしょう。
神田川氾濫は神田川・環状七号線地下調節池にも期待して良いのでは?
ただ、それは一部の話ですから、投資の容易な都市部なら未だしも、大半の地域は別の対策が必要なんでしょう。
投資に見合わない現状を変えるためには、ある程度寒村部の人口集約的な事は、政策として立ち上げていく必要があるんでしょうね。