あまり注目されていないニュースだと思うんだけど、太平洋・島サミットが始まった。
島サミット首脳宣言、中国の覇権主義的な動きをけん制へ…「力による現状変更に強く反対」明記
2024/07/17 05:00
太平洋島嶼国の首脳らを招く「太平洋・島サミット」が16日、東京都内で開幕した。政府は、最終日の18日に採択する首脳宣言に「力または威圧による一方的な現状変更の試みに強く反対する」と明記し、覇権主義的な動きを強める中国をけん制する方向で最終調整している。
讀賣新聞より
正確には「太平洋・島サミット(PALM)」という名前なのだけれど、これでも10回目になるんだよね。
島サミットで利益を共有できるか
太平洋島嶼国は親日国が多い
第1回の島サミットは、平成9年に始まっている。議長国は日本で、当時の首相は橋本龍太郎である。
対象となる島嶼国はこちら。

お分かりの方も多いだろうが、大東亜戦争の際に関わりのある国家が多い。
サミットには16の島嶼国・地域の首脳らに加え、豪州とニュージーランドの閣僚級が参加する。
讀賣新聞「島サミット首脳宣言、中国の覇権主義的な動きをけん制へ」より
日本が侵略戦争をしたという歴史があることを「事実か事実でないか」について争う気はない。
戦略上、侵略して支配する必要があった島嶼国はある。それが幸福だったか不幸だったか、という話も様々だ。
ただ、そういった歴史も含めてパラオなどを含めて親日国家はそれなりにある。それは、歴史的反省を含めて以前からこうした太平洋島嶼国に対してODAなどの投資或いは支援を行ってきたからである。
支那の勢力拡大
一方で、太平洋島嶼国にとって、アメリカやオーストラリア、そして支那も警戒する対象であるという位置づけである。
この辺りの話は以前も言及したので、そちらの方の記事を参考にして欲しい。
大雑把に書くと、支那が随分と手を広げてきていて、太平洋島嶼国にも手を伸ばして絡め取ろうとしているよというお話。
以前、ニューカレドニアに関するニュースにも触れたのだけれども、パプアニューギニアやサモアにも魔の手は伸びている。
かつて大日本帝国がそう考えたように、支那としてもこの太平洋島嶼国への影響力強化というのは、海洋侵出にとって極めて大きな意味がある。
実のところ、太平洋島嶼国の全てを掌中に収めると、アメリカとオーストラリアの分断が可能となるし、事実上太平洋の半分を手にする様な結果になる。
日本がやっていた地道な支援を真似て、支那はチャイナマネーをバラ撒いて影響力工作をやった結果、あちらこちらでトラブルが発生している状況になっている。
「力による現状変更」を否定する
一応、閉幕にあたって首脳宣言を出すことができた。
「太平洋・島サミット」首脳宣言 “力による現状変更に反対”
2024年7月18日 17時42分
日本と南太平洋の島しょ国などによる「太平洋・島サミット」は首脳宣言を採択して閉幕しました。気候変動など共通の課題に協力して取り組むことに加え、中国の海洋進出などを念頭に、力による一方的な現状変更の試みに強く反対することが明記されました。
~~略~~
また、海洋進出の動きを強める中国なども念頭に、法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序の重要性や、力による一方的な現状変更の試みに強く反対することが明記されました。
NHKニュースより
まあ、「法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序」が何処まで守られるのか?というのは、実のところ日本の努力が何処まで通用するかという話になってしまう。
太平洋島嶼国にとって、海洋秩序を守れるような海軍力を保有するということがそもそも出来ない。近所の大国であるオーストラリアも海軍力はかなり微妙。
日本はフィリピンなどの海軍力の強化という方向に動き出してはいるけれども、太平洋全体という文脈だと厳しい。
フィリピン沿岸警備隊なども含めて、シーレーン防衛という意味では意義がある。そして、インドネシアとの連携を強めてはいる。
協力強化で地域平和を ステルス護衛艦初寄港 海上自衛隊
2023/06/03
海上自衛隊のステルス護衛艦「くまの」(多目的フリーゲート艦)が5月9日、北ジャカルタのタンジュンプリオク港に寄港した。インドネシア海軍との親善訓練などを通じ、日イ両国の防衛協力の強化を図り、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想を実現する任務を負った。
ただ、その先となるとアメリカとの連携も前提に日本が何処まで関与出来るのか?ということが問われる話になるとは思う。
一応、支那の侵出にくさびを打ち込む効果があったかどうか、という結果にはなったが、この辺りの話は日本が何処まで主導できるのかという側面もあるだけに、工夫が必要だということになりそうだ。
今や航空機による直行便もないので、これらの国々とはなかなか疎遠になってしまっているんだけどね。
コメント
太平洋戦争時にアメちゃんが、どう帝国海軍を追い詰めたかを考えると、
やはり広い範囲に島が散らばるので、
①各島域に1つハブとなる軍用空港
②輸送機と護衛機の用意。レーダー網
③兵力の高速移動と、長期潜行できる潜水艦の警戒
とかにならないですかねぇ。まず一国ではムリっすね。米国やオーストラリア以外のASEANとか引き出す必要あるすが。
インドネシアの沿岸警備隊とか貧弱ですからねぇ。ただシナ海軍は一度も実戦経験が無いし、あの国は黄海海戦で日本帝国にボロ負けした事しか海戦経験が無い。なので、実際にどの程度の実力あるのか解らないんですよね。
実際に太平洋島嶼国を味方につけるとなると、周辺海域の防衛は考えねばなりません。
ですが、日本一国ではとても手が足らない。海上自衛官はそれでなくとも人手不足ですから。
海上保安庁の手を借りるにしても、人員が足りません。そうすると、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカ辺りを巻き込むことは必須なのですが、コレがどうにも宜しくない。アメリカはハワイの近くということでそれなりに「気になる」のでしょうけれど、オーストラリアやニュージーランドは海軍力が貧弱です。
コレに輪をかけて貧弱なのがインドネシアにフィリピン、それ以外の国は期待するだけ無駄ということになりそうです。
出来ることからやっていくしかありませんが、なかなか厳しいですよね。
そうだ……この海域(ってもとても広いけど)のカイテイケーブル網はどうなってるんてすかね?
日本でも東電系列の@東京とかが、変電所や発電所とツルんだ巨大地下データーセンターを所有してますよね。戦争になればモロに攻撃対象となるが(関東だと千葉県に集中してますね。あと江東区とか)、これだけ広範囲な防衛海域となるど 宇宙からのフォローでは追いつかない。
すると海底ケーブル網は必要すね。
そのへんは施設してると想うんですよ。
てのは、図の海域のパラオとフィジーの中間あたりで、1970年代にソ連原潜が沈んで、そのサルベージを巨額予算でCIAとDIAと海軍が実行し、その時に原潜ごと入手した何かの回路を、米国のコンピューター産業に役立てたって話があるし。
つーと、もうその頃から南太平洋の海底の地理地形地質は可視化されてて(原潜サルベージ計画で始めてソナー反射を映像化する技術が導入された)、どこにケーブル引いて、どう隠すかは解ってたはすなんで。冷戦崩壊前までに軍事用海底回線はとっくに引かれていたはずですから。
今でも軍事機密でせうから表には出てこないだろうけれど、対中国の海の布陣を敷くには、それ抜きでは作戦立案てきないように思えますね。
インフラ投資ですと言って、発電所をつくり、ほれを軍事用データセンターと繋げれば、海底で探索する潜水艦や航空機や無人機に解析データーを送信てきると想うのですが。
モノのトランスポートの他に、大規模な情報のハブも必要ですから。
海底ケーブル網は極めて貧弱ですよ。
https://jpn.nec.com/press/202306/20230606_02.html
2023年になって「はじめて」の敷設が決定されています。
ここでも出資者は日本、アメリカ、オーストラリアなんですけどね。
私しゃ太平洋地域で英仏などのNATO諸国と連携するのは賛成なのですが(オーストラリアも基本は白人のキリスト教圏だし)対中国で味方は欲しいですから。
ただどうなのだろう?
大統領選挙では今さらバイテン降ろししても無所属立候補のRケネディJR以上の人気ある民主党員を出して11月までに選挙準備を整えるの無理だと想うですよ。
んで、トランプはロシアと関係回復したいし、ロシアと接近してるエルドアンは
立場的にNATOを離脱せざる得なくなるかも知れない。軍事費を巡りトランプ氏は
NATO離脱を言い出しかねない。でもNATOの軍事力では米国とトルコがそれぞれナンバーワンとツーなんですね。この両者が抜ければNATOは残骸でありましょう。
現実的な話、トランプ再当選になると、
もう、ウクライナの勝利までとかEU諸国はいってられなくなるんでないですかね? それはそれで太平洋の島嶼防衛にも影を落としそうで(だって英仏もアジアに構ってられなくなるから)ウクライナ嫌いの私も頭が痛い話なのですが。
記事にしようとして断念しましたが、バイデン氏を下ろすのはもう確定事項ですね。
しかし、候補者がいない。
一番恐ろしいのは、次に狙われる可能性があるのはバイデン氏だということでしょうか。
今、バイデン氏が倒れると、その穴を埋めるのはカマラ・ハリス氏です。まあ、外交も内政もまったくあてにならない活動家みたいな人物ですから、アメリカがめちゃくちゃになるのは避けられません。
良くも悪くもトランプ氏再選の流れになっていますが、そうするとウクライナ情勢は激変する可能性があります。
トランプ氏も副大統領のバンス氏もウクライナに金を出す気はさらさらありません。そして、対支那強硬姿勢は鮮明化するでしょうから、国際関係は激変するでしょう。日本もウクライナに目を向けている場合ではなくなる。そういう意味でも今の時期にウクライナへの資金融資を決めた事は意味がありますが、それにしたってロシアを放置する結果になることは非常に危険です。
ロシアがウクライナと現状案での停戦合意した場合、恐らく数年後に再びウクライナへの侵攻を始めてウクライナ全土を手中に収めるというのがプーチン氏の考えでしょう。そうするとプーチン氏がいつまでご存命であるか?ということも焦点になるはずですが、あの国は影武者を仕立ててでも現行方針を進めるでしょうから、分かり易い形でプーチン氏が退場しないことには、戦争の火種は燻り続けます。そうすると、一発逆転を狙う支那が動き始める。ろくでもないシナリオですね。
横合いから。
>バイデン氏が倒れると、その穴を埋めるのはカマラ・ハリス氏です
なっちゃいそうですね。
ニュースでの「黒人でアジア系」という、ディズニーが大好きそうな設定に反吐が出ます。
まんま実写の人魚姫キャストですなぁ。実のところ埼玉県川口市のクルドの婦女暴行が不起訴になったりとか、いい加減にリベラルの嘘にうんざりしているんで、その出所になってる米国にリベラルに鉄槌下して欲しいんですよ。
スーパーマンが雑誌で男同士のキス見せる時代って、明らかに少数におもねらねばならない訳で、それはより少数の闘争を招くだけ。トランプ再襲来がこの40年続いたグローバリズムと歪んだポリコレの終焉の始まりなら良いのですが。
広い意味で「古い伝統」を否定・破壊するという意味で、ポリコレ(リベラル)≒共産主義革命、と同義と思ってます。
テレビでCM打ってる、「女性に学ぶ機会を、早婚その他の因習の廃止を」って奴も、内容そのものは理解するし賛同もするけど、その土地、その文化がどうしてそうせざるを得なかったか、に対する考察がすっぽり抜けてる。
イスラムやクルドが異様に他教に対し攻撃的なのも、そうしないと生きてこれなかった歴史がある(だからといって肯定はしませんが)。
アシモフ先生の『バイセンテニアル・マン』でも、人類の愚かしい流行廃りを、200年生きているロボットの目で淡々と見ている描写があって、アシモフ先生辛辣!とか思いました(※映画『アンドリューNDR114』の原作)
ヤジロベーは、揺り返すのですよね。
今は、傾きが急すぎる&大きすぎるから、揺れ戻しもそれなりのものになるでしょう、と思ってます。