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岸田氏はハイブリッド戦争でNATOと連携の意向

安全保障
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NATOの首脳会談で、ハイブリッド攻撃の話が争点になったのか。

“ロシアの「ハイブリッド攻撃」欧州で激化”NATO 各国対抗へ

2024年7月14日 17時33分

NATO=北大西洋条約機構は、今月、アメリカで行われた首脳会議で発表した首脳宣言で、ロシアがヨーロッパなどで「ハイブリッド攻撃」を激化させ加盟国の脅威になっていると指摘し、各国が連携して対抗することを確認したと明らかにしました。

NHKニュースより

この動きに対して日本の首相も連携していく姿勢を示しているようだが、どうもそれに対する批判も結構あるようなんだな。

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西側諸国の連携は必須

日本とNATOの秘密情報用専用回線の設置

7月9日の記事だが、こんな話がでてきた。

日本・NATO、機密情報の専用回線設置へ 安全保障分野の連携強化

2024年7月9日 12時30分

日本と北大西洋条約機構(NATO)は、機密情報をやりとりするため専用通信回線を設置する方向で最終調整に入った。安全保障分野の連携強化が目的。岸田文雄首相が10日から訪米してNATO首脳会議に出席するのに合わせ、正式合意を目指す。

朝日新聞より

これに関しては無事合意できたようだ。

日NATO、専用回線で秘匿情報の共有態勢を強化 日本で偽情報対策の会議も

2024/7/12 06:13

米国を訪問中の岸田文雄首相は11日、NATO(北大西洋条約機構)のストルテンベルグ事務総長と会談し、専用回線を通じた秘匿情報の共有体制の強化など、4項目の協力に合意した。昨年7月に交わした協力計画の具体的な進展を図る。

産経新聞より

一体何に使う回線なのか?という話は、余り積極的に説明されていないのだが、端的に言えばNATOから日本に情報を下さいという話なのだ。

ただ、情報をお漏らししたら話にならないので、その体制は日本側で整えますよという意味も含んでいる。

日本からNATOへの情報提供はあるとは思うけれども、相手側には余り重視されているとも思えない。敢えて言うなら共同訓練には意味があると思われているかも知れないが。

協力は、①秘匿情報の共有体制の強化②サイバー分野③偽情報対策など戦略的コミュニケーション④共同訓練-の4項目。

具体的には、日本が専用の通信回線によるNATOの情報共有システムに加わることで、秘匿情報を扱う会合に日本から参加できるようにする。ラトビアにあるNATOの「戦略的コミュニケーション研究センター」に要員を新規派遣し、今年度内に日本で偽情報対策の会議を開催する。

産経新聞「日NATO、専用回線で秘匿情報の共有態勢を強化」より

いずれにせよ、外国の機密情報を得られる機会を手に入れたことは意義深いところである。これを機に、欧州のやり方を学ぶといいと思うよ。

批判する野党

これに反対する層もとうぜんながら居るんだが……。うーん、この専用回線ゲットに反対することに何の意味があるのやら。

「西側諸国がオワコン」とか意味不明な事を主張しているのだけれど、じゃあ、オワコンではないのは東側諸国ってことになるのかな?

少しは考えて口を開くとイイヨ。

ハッキリ言って、意味不明の主張なんだけれども、まあ、意味不明なのはれいわなので仕方がない。日本共産党とも親和性の高い方みたいね。

さておき、今回のNATOとの関係強化は野党サイドからは評判が悪いようだ。

ハイブリッド戦争

しかし、欧州もそうだが日本としても「戦いは既に始まっている」という認識を共有していて、警戒感も高まっている。

ヨーロッパ諸国では、この数か月、商業施設や公共施設などで不審な火災が相次いでいて、各国はロシアがウクライナを支援する国々に対し新たに「ハイブリッド攻撃」をしかけているとして警戒を強めています。

ことし、5月上旬には、バルト三国のリトアニアの首都ビリニュスのショッピングセンターで火事が起きました。

その直後には、ポーランドの首都ワルシャワで1400以上の店が入る大規模なショッピングセンターが全焼しました。

NHKニュース「ロシアの「ハイブリッド攻撃」」より

不審火の話が書かれているが、これがどういう狙いで行われているかということについて、ロシアの関与が強く疑われている。

ポーランドのトゥスク首相は、ロシアからの指示を受けて放火など破壊工作を行おうとしていたとして、ポーランドやベラルーシ、それにウクライナ国籍の9人を拘束していると明らかにしたうえで、ショッピングセンターの火災について「ロシアの情報機関が関与している可能性が高い」としています。

NHKニュース「ロシアの「ハイブリッド攻撃」」より

ロシアが社会不安を煽ることで、「ウクライナに支援している場合じゃない」というような世論を誘因している。

あっちこっちでこの手の工作をやっている感じで、全てロシアのせいとは言わないのだけれど、かなり疑われている。

チェコのプラハで起きた事件について、捜査を進める情報機関、公安情報局のトップ、コウデルカ長官がNHKのインタビューに応じ「犯人とロシアのつながりを示す非常に明らかな証拠があり、ロシアの情報機関が今回の攻撃の背後にいる重大な疑いを持っている。ロシアはウクライナへの支援に積極的な国を狙っている」と述べ、ウクライナへの支援国を狙ったロシアによる攻撃だとする見方を示しました。

NHKニュース「ロシアの「ハイブリッド攻撃」」より

こうしたトラブルが引き起こされることこそが、ロシアの狙いという側面もあるしね。

移民爆弾

さて、NHKの記事には無いのだが、ハイブリッド戦争の太陽の1つとして懸念されているのは、移民の押しつけ行為である。

ベラルーシから欧州へ「移民殺到」人道的な大問題

2021/11/20 9:00

現在、EUの東の国境でベラルーシを経由した移民問題が勃発し、大きな国際問題となっていることをご存知だろうか。これに関連して、イギリスの制服組トップであるカーター国防参謀長は、「冷戦時代のいかなる時点に比べても、ロシアとの偶発的な戦争のリスクが高まっている」と発言している。

東洋経済より

少し前の記事ではあるのだが、北欧が気にしているのはこの移民の押しつけ行為なのである。

これはアメリカもかなり苦労している話で、トランプ氏のように国境の壁建設というとんでもない手段を講じたとしても、不法移民を防ぐことが難しいという。人道的にも民主主義国家において移民を完全に受け入れないという選択肢はとりにくい。

日本もこれは他人事じゃないんだよね。岸田政権もこれに関して、厳しい手を打てないでいる。

ポリコレ紛争とカーボンニュートラルの枷

あとは、アメリカが巻き込まれているポリコレ紛争かな。

「ポリコレ」ディズニーに猛反発…保守派が制作する、もう1つの『白雪姫』とは

2024年05月30日(木)15時45分

白雪姫が政治論争の渦中に投げ込まれた。白雪姫を主人公とする実写映画が2本作られたのだが、これが実に対照的なのだ。

昨年10月、保守系メディアのデイリー・ワイヤーは、ディズニーの実写版『白雪姫』に対抗して独自の実写版を公開すると発表。デイリー・ワイヤーの『白雪姫と邪悪な女王』は、同社が運営するファミリー向け動画配信サービス、ベントキーで年内に公開される予定だ。

Newsweekより

それが如実に表れたのがディズニーの戦略で、左派を巻き込んだポリコレ路線は本当にヘイトを募らせているのだが、表だって批判できない雰囲気づくりがなされている。

まあ、それより酷いのがLGBT紛争なのだけれど、触れると面倒くさいので止めておく。

それよりも生活に大きな影響が出るのがカーボンニュートラルの方だよね。

カーボン・ニュートラルとエネルギー安全保障を両立させる方策を考える ――第7次エネルギー基本計画の策定を前に

3年に一度の改定が本年度に予定されているエネルギー基本計画(第7次)の策定を前に、日本のエネルギー政策が岐路に立たされている。同計画はエネルギーの安定供給、環境への適合、エネルギー安全保障の確立を主目的に、エネルギー政策の指針となるが、日本の現状は目的の達成からはほど遠い。

笹川平和財団より

笹川平和財団のサイトに、一応提案はされているんだけど、そもそもエネルギーの安定供給とカーボンニュートラルの両立は不可能なんだ。

矛盾してしまう。

それを分かっていて北欧は何か拗らせているんだけど、アメリカや支那は全くそんなのしらねぇという立場だ。

個人的には、この辺りも「仕掛けられているんじゃないの?」と疑ってはいる。根拠は無いけれどね。

さておき、そういった情報をNATOから得られるというのは、それなりに意味があることなので、情報収集のツールが増えることは歓迎すべきだと思う。それ以上に、欧米のやり方を学ぶ機会にもなるので、この話は積極的に推進して欲しいと思う。その為の法整備も必要だしね。

コメント

  1. 河太郎 より:

    仕方ない事です。頼らねばならないのはシャクに触りますが、現状、ロシアの沿海州が隣国として存在する以上、欧州の情報が必要なのは、日露戦争の明石大佐の歴史を見ても明らか。
    ましてやロシアはハイブリッド戦に長けているとされる。
    西側がオワコンというのは、国家百年の計として見れば、あるいは文明史観的に見れば確かではある。しかし、この先に半世紀くらいは根強く影響力を持つのも事実です。大航海時代から世界の覇権を握ってきた文明が、たかだか数十年で影響力を失うはずもない。東インド会社などは社名変更して未だに企業活動しております。なので「オワコン」は先走り過ぎるでしょう。多極化に向かうか?とかロシアが敗北するか?について、フランシス・フクヤマとエマニュエル・トッドが議論してましたが、トッドが各国の家族制度を基に次々と世界情勢の予測を的中してきたのに対し、フクヤマの「歴史の終わり」は大外れしてきました。
    グローバルサウスとドル、そういう動きは無視できぬものの、オワコンは早急に過ぎる結論と思います。

    • 木霊 木霊 より:

      良くも悪くもNATOはロシアとの戦いにおいて最前線にいますから。学ぶべきところは多いと思いますよ。
      味方だと思っていると後ろから撃ってくる手合ではありますが、彼等は一応彼等のルールに従って戦いたがりますから、まだ手の内が分かり易い。

      西側がオワコンといいますが、それなりの求心力は残されています。そして、東側も随分とオワコンなのですよね。
      だから、どちら側に居ればいいというものでもないと思っております。グローバルサウスも、未だ海のものとも山のものともつかぬ状態です。秩序なき争いの世にならねばよいのですけれど。そこで、アジアの盟主となる日本が……、とやると、大東亜共栄圏の二の舞いなのですけれどね。