風説の流布でTBSを停波したほうがいいよ。
1ドル=200円の超円安で預金がおろせなくなる?【報道1930】
2024年6月20日(木) 15:30
歯止めの効かない円安と物価高騰が国民生活を脅かしている日本…。
“経済政策に打ち出の小槌はない”と言われる中、政府・日本銀行は“円安を受け入れ続ける”か“長期金利を引き上げる”か究極の選択を強いられている。しかし今、急激に金利を上げれば債務超過、つまり日本を企業に例えるなら倒産の可能性もある。
TBSニュースより
預金が下ろせなくなるわけないだろう……、取り付け騒ぎを起こしたいのかな?
円安は政策金利次第
悪意あるネタ報道は許すまじ
まあ、TBSを信じているような人は居ないので、「ネタ報道だ」と笑って終わりなんだと思うけれども、それにしたって酷い。インパクト勝負なんだろうけれど、書いて良いことと悪いことがあるだろう。
何しろ日本の借金(国債の発行残高)は1200兆円を超えている。金利政府の総債務残高のGDP比は252%でスーダンに次いで世界で二番目悪い。つまり借金(国債)で保っているわけで、金利が上がれば利息の支払いだけで膨大な支出となる。
結局“国が倒産するより円高容認の方がマシ”となれば、1ドル200円なんて時代が来ないとも限らない。そこで今回は怖い未来を想像してみた…。
TBSニュースより
いやいや、そもそも1ドル200円になるような円安を政府が放置するわけないじゃない。
円相場 一時1ドル=160円に迫る水準まで値下がり
2024年6月24日 11時57分
週明けの24日の東京外国為替市場は、アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会が利下げを急がないとの見方が広がったことから円安が進み、円相場は一時1ドル=160円に迫る水準まで値下がりしました。
NHKニュースより
現在、1ドル160円前後をウロウロしているのは事実だが、長期的なトレンドをみるとジワジワと円安が進んでいる様子が分かる。

大体、6ヶ月で10円程円安が進んでいるので、この状態で円安が進むと「40円分円安になるには2年後には!」という単純な算数をされる方がいるらしい。
アメリカの金利政策は当面変化なし
しかしながら、現在、日本が政策金利を上げていない理由は、アメリカの金利に追従するメリットがないからである。
【詳細】米FRB 政策金利「据え置き」決定 早期利下げ慎重姿勢
2024年5月2日 10時31分
記録的な円安水準が続くなか、円相場に影響を及ぼすアメリカのFRB=連邦準備制度理事会の金融政策を決める会合が開かれ、1日、政策金利を据え置くことを決定したと発表しました。FRBが金利を据え置くのは6会合連続です。
NHKニュースより
FRBが金利を5.5%に据え置いている理由は物価目標を2%に置いていて、その目標を達成できないからである。

アメリカのインフレ率が2%に向かわない理由は、供給が不調で需給ギャップが大きくなっているからということになっている。

現状を見る限りは、当面、金利の据え置きが続きそうですね。アメリカの大統領選挙の結果が出た以降はどうなるかは分かりかねるが、それまでは有効な対策は打たれないだろう。
日本のインフレ率
一方で、日本はどうかというと、インフレ率が若干上がる傾向にある。
消費者物価、5月2.5%上昇 エネルギー関連が押し上げ
2024年6月21日 8:32 (2024年6月21日 9:50更新)
総務省が21日発表した5月の消費者物価指数(CPI、2020年=100)は変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が107.5となり、前年同月比2.5%上昇した。電気代が14.7%と大幅に上昇した。再生可能エネルギー普及のため国が上乗せする賦課金を引き上げた影響が出た。
日本経済新聞より
インフレ率が上がったと言うことは、つまり利上げの検討という話になってくる。
物価に上振れリスク、「遅きに失することなく」適時に利上げ必要=日銀主な意見
2024年6月24日午前 11:22
日銀が13―14日に開いた金融政策決定会合では、物価の上振れリスクが出てきているとして、次回会合に向けてもデータを注視し「目標実現の確度の高まりに応じて、遅きに失することなく、適時に金利を引き上げることが必要だ」との意見が出ていたことが明らかになった。
ロイターより
直ぐに上がる様子はないが、何処かのタイミングで利上げをすることは確実である。
結局のところ、日米金利差を放置するということそのものは宜しくはないので、何処かで修正に向かうのである。
お分かりだと思うが、円安が問題ではなくてインフレ率の問題で政策金利は決定されるのである。
アホ議論1ドル200円説
というわけで冒頭の記事に戻っていくのだが、このTBSの論説は何処から出てきているのかというと、恐らくは日本経済新聞あたりであり、それは財務省からなのだと思う。

で、この論調はちょっと前から続いている。
なぜ円安は止まらないのか 円相場「1ドル200円超え」の暴落リスク? エコノミストのエミン・ユルマズさんに「高井さん」が聞く!
2024年4月26日
1ドル150円の節目を抜けても止まらない円安。エコノミストのエミン・ユルマズ氏は、IT関連サービスに伴う貿易赤字の累積や新NISA(少額投資非課税制度)の普及による個人マネーの流出拡大が構造的な円安を招いていると分析する。ようやくマイナス金利解除にたどり着いた日銀は、世界的なインフレが続くなか、「その先」の円安阻止に向けた覚悟が試される局面が続くという。デフレのノルム(社会規範)払拭やサプライチェーンの誘致を優先するスタンスを続ければ、円相場が1ドル200~300円まで暴落するリスクも排除できないと警戒する。
Foresightより
そういえば、ジム・ロジャース氏もそんなアホな発言をしていたなぁ。
去年末にも1ドル200円の話は出ていた。
この辺りの煽り記事を受けての妄想が、冒頭のTBSニュースなのだが、「そこで今回は怖い未来を想像してみた…。」って、1ドル200円になる説を前提として妄想している辺り、救いがない。
円安とは関係ない妄想
で、妄想が始まったら、「給食のメニューに影響がある」とか「花火開催に影響が」とか。
いやそれ、円安と関係があるの?

なお、オレンジジュースも家電も円安とは全く関係ない話である。
「サンキスト」「バヤリース」などオレンジジュースの値上げや販売休止相次ぐ…輸入先のブラジルで不作続き
2024/05/20 15:00
オレンジジュースが店頭から消える? 海外産頼みの原料果汁は、輸入先のブラジルが不作で、メーカーの販売休止や値上げが相次ぎ、先行きが見通せない。足もとでは物流費の高騰や円安を反映した値上げも重なる。国産のみかんを代わりに使おうとする動きも抜本的な解決にはならず、定番ジュースが入手しづらい「オレンジショック」はしばらく続きそうだ。
讀賣新聞より
オレンジジュースの価格高騰は、オレンジの不作によるものだ。
家電の話は単純で、国内に工場を作れば済む話である。

再生家電というビジネスを始めているところもあって、家電製品の話は円安がマイナスに働くばかりではないのだ。
関係ない話をくっつけて煽るのが目的の酷いニュースではあるが、結局、この報道は何がしたいかというと、「政策金利が抑えられているのは政府の陰謀だー、政策ミスだー」という風に繋げたいのである。
そもそも、インフレ率が向上しているので金利を上げるタイミングを日本銀行がうかがっている状況になっているので、いつまでも円安傾向が続かないだろうと思われる状況なのに、何故更に円安になると煽るのかが良く分からない。疑問符を付ければその後妄想を全開にしても許されるって訳じゃないんだぜ。デマ大好きだな、本当に。
コメント
日経が言ってるんじゃ誰も信じないから風説にすらならないかと・・・
日経に倒産と書かれてガセだった例はいくつも覚えています(例:IHI)
日経新聞は、「経済に弱い」という修飾詞が付くほどですからねぇ。
困った話であります。
こんにちは。
さすがは、オウム真理教の頃から被害者を加害者と報道するTBS!そこに痺れないからとっとと消えてなくなれ!
というか、ジム・ロジャースを筆頭に芳ばしいメンツが勢揃い、って感じですね。
昔は場末の雑誌なんかを「カストリ雑誌」なんて言ってましたが、もはやマスゴミ総カストリ化が行くところまで行った感じですね。
※カストリ記事、カストリ雑誌というのは、平井和正氏の「ウルフガイ」シリーズで知りました、ローティーンの頃に(その時期にそんなもの読んでるから……)
こんにちは。
ちょっとアホなメンツを揃えすぎた感じはしますが、これを商売にしていらっしゃる方々が沢山いますから。
そして、社会的混乱を誘うと、更に記事を書けるという、正にマッチポンプですね。