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世界最大の太陽光発電所が支那のタクラマカン砂漠に爆誕

中華人民共和国ニュース
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そーか、スプートニクかぁ。

世界最大の太陽光発電所が中国の砂漠に誕生

2024年6月19日, 09:43(更新: 2024年6月19日, 09:49)

新疆ウイグル自治区のタクラマカン砂漠に世界最大の太陽光発電所が誕生した。面積は133.5㎢(東京都23区の面積は627.51㎢)、発電される電力は3.5ギガワット。

SPUTNIK日本より

どうしてものこのメディアの記事を引用する気にはなれなかったんだけど、まあ、仕方がないか。それにこの記事は嘘って訳でもないようだ。

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余っているから?

砂漠に太陽光パネル

支那がタクラマカン砂漠に太陽光パネルを設置しているという話は、以前から報じられていた。

動画:中国初のタクラマカン砂漠縦断道路、全線CO2排出ゼロ達成

2022年6月9日 17:09

中国最大の砂漠、タクラマカン砂漠に建設された初の自動車道路、タリム砂漠道路のゼロカーボンモデルプロジェクトがこのほど、正式に稼働した。沿道の防護林に水を引くためのくみ上げポンプの動力をディーゼル発電から太陽光発電に切り替え、二酸化炭素(CO2)排出量ゼロの道路を実現した。

AFPより

砂漠に太陽光発電場ネルを敷き詰めるというのは、余っている土地を使うという観点からいえば良さそうに見えるんだけど、2022年の記事の段階では冒頭に紹介したようなレベルでは展開しておらず、自動車道路の脇にパネルが並ぶような状態だったようだ。

そして、この時も沿道の防風林に水を引くために使うくみ上げポンプの動力を使っていたという事だった。

流砂による道路の浸食を防ぐため、中国石油大手、中国石油天然気(ペトロチャイナ)傘下の中国石油塔里木(タリム)油田が2005年に汽水点滴かんがい技術を利用して道路の両側に436キロにわたる生態防護林を植え、沿道109カ所にポンプ小屋を建てて砂漠の地下水をくみ上げ、防護林に水を引いている。

AFPより

これに関して言えば、なかなか賢いなと思っていたんだよね。砂漠に道路を通しても、砂で埋もれてしまって使えなくなる。だから防風林があると良いのだけれど、防風林には水が必須。この時は、砂漠の地下水汲み上げなんて現実的なんだろうか?という疑問はあったのだけれど、調べて見ると砂漠の地下にはそこそこ潤沢な地下水があるらしい。

実際、アフリカ大陸などでも、地下には潤沢な水があるという話もあって、利用が進んでいるという記事も見かけた。

大々的に太陽光発電

こうした段階から、道路周辺だけではなくて砂漠の中まで太陽光発電を広げようという話が出てきたのが、今年2月。こちらの記事だ。

中国北西部に発電容量500GW電力インフラ 印 全体·米の発電容量の半分水準の規模 安価な環境にやさしいエネルギー、製造業に大々的に投入

入力 : 2024-02-21 10:59:21 修正 : 2024-02-21 16:15:02

中国が内陸北西部の広大なゴビ砂漠とタクラマカン砂漠、内モンゴルなどで大規模な電力インフラを構築している。 このようなインフラは、安価で環境にやさしい電力を中国製造業の中心部に供給し、中国の生活水準を高め、中国のエネルギー安保に寄与するものとみられる。

毎日経済より

韓国のメディアなんだけれど……。

.

なかなかの規模で広げたようだね。

支那では余程太陽光パネルが余っているらしい。有効利用と言えば有効利用なんだけど、これって送電網をしっかり作ったようにはとても見えないんだ。

そもそも発電した電力どうしているんだろうか??

中国初のゼロ炭素砂漠道路 グリーン電力送電が500万kW時突破

2024-06-11 13:20:21

中国で最も長い太陽光発電灌漑砂漠対策プロジェクトであるタリム油田砂漠道路「ゼロ炭素」モデルプロジェクトでは、送電したグリーンエネルギーが10日までに500万キロワット時を突破したなどで、砂漠対策と環境保護という二つの効果を同時に収めています。

~~略~~

タリム油田の文章副社長は、「毎日の発電量は1万1000キロワット時に上り、道路沿いの109の水源井戸はすべてクリーン電力を使用して揚水灌漑を行っている。しかも太陽光発電による電力を7時間分蓄電する技術上の課題も満たされた。

CRI Onlineより

なるほど、送電せずに近くで使っているのか。使い道は「砂漠対策」とあるが、恐らく砂漠が広がるのを防いでいるのだろう。ある意味、理にかなっているようだね。揚水灌漑をやっていると言うことは、揚水して貯めた水を流して発電もするよって事なんだろうけれど。蒸発してしまって効率は悪そうだな。

更に、井戸で水を汲み上げているというのは非常に気になる。

塩害待った無し

一般論ではあるが、大量の地下水の汲み上げ利用を続けると、次第に塩水化してしまう。

水不足に追い討ちをかける「塩水化」の進行、影響は食い止められるか

2020.07.02update: 2021.09.28

気候変動の影響や増え続ける人口が原因となって、水不足の危機が現実のものとなっています。 一方で、人間が生活していくためにはどんな水でもあれば良いというわけではありません。農業や飲み水に必要なのはあくまで「淡水」です。

しかし、気候変動や人間活動によって地下水の塩分濃度が高くなり、限られた水資源すら使えなくなった地域が多く存在する、という問題が今、世界各地で発生しています。

~~略~~

例えば、農業などで大量の地下水を汲み上げてしまうと、井戸付近に海水がどんどん引き込まれ、結果として井戸から海水を汲み上げる状態になってしまいます。

HATCHより

タクラマカン砂漠は内陸なので、「海水をどんどん引き込む」なんてことにはならないのだが、地下水は岩塩層を通ってくるところもあるので、塩化と無縁というわけでもない。

新疆ウイグル自治区における水資源開発と耕地塩類化

~~略~~

自治区における耕地塩類化面積は,1999年の時点 では101.6万 ha であったが1),2006年には127.9万 ha に増加し,総耕地面積の32% を占めた4)。その主 な原因は,平原地に建設された貯水池の底面浸透と, 用水路からの浸透に伴って,周辺の地下水位が上昇 し,土壌水分の毛管上昇および高い蒸発強度のため に,地表面での塩類集積が生じていることである。

新疆ウイグル自治区における水資源開発と耕地塩類化

実際に問題になっているしね。

まるで”砂漠のルンバ”?「未来機械」の砂漠地ソーラーパネル向け清掃ロボットが凄い【F17C-MRK #1】
未来機械 三宅徹さんのプレゼンテーションを2回シリーズでお届けします。(その1)は、三宅さんらが開発したソーラーパネル清掃ロボットの特徴と解決する課題についてお話頂きました。

あとは清掃も結構な頻度で必要だってことがネックになるので、「世界最大」と言われましても、と言うしかない。

まあ色々な問題は想定されるんだけど、有効利用出来ればイインジャナイかな?廃棄の時にはまた問題が出るんだろう。なんか、放置しそうだけれども。

追記

数年前の記事ではあるが、支那は砂漠化と戦っている。

フォトログ:中国北西部、地道な植林は砂漠化を押し戻せるか

2021年6月12日午後 12:19

午前中、ゴビ砂漠の周縁部の砂丘で苗木を植える作業に汗を流した農家のワン・ティアンチャンさん(78)。小屋から3本の弦を張った楽器を取り出すと、真昼の灼熱の太陽の下、演奏を始めた。

「三弦(サンシェン)」と呼ばれる楽器を弾きながら、ワンさんは「砂漠と闘いたいなら、恐れる必要はない」と歌う。彼は、中国が長年にわたって続けてきた「原野開拓」運動のベテランである。

ここ数十年、中国による環境問題への取組みの柱となっているのは、植林だ。国境近くの荒涼とした砂漠や沼地を農地へと転じ、モンゴルから中国北西部にかけて130万平方キロにわたって広がるゴビ砂漠から吹き付ける黄砂から首都・北京を守ることが狙いだ。天安門広場は、春になると毎年のように砂埃に覆われる。

~~略~~

中国は昨年23%だった森林被覆率を、2025年には24.1%に引き上げようと計画している。だが、森林の順調な拡大の裏には、多くの問題が潜んでいる。

北京大学で森林の研究を専門とする保全生物学者フア・ファンギュアン氏は、「一部の地域では樹木の生存率が比較的低く、地下水の枯渇をめぐる議論もある」と語る。

内モンゴル自治区の行政府は、新たな植林用地の確保に苦労しており、2019年には、中央政府が設定した森林被覆率の目標を達成するために農地を接収していたとして批判を浴びた。また一部の研究によれば、天然林を犠牲にして、ゴムの木などの単一品種による人為的なプランテーションが生じているという。

ロイターより

ちょっと長い記事だが、要は支那の砂漠化阻止計画は上手いこと行っていないという話だ。

思いつきだけで植林をしているようだが、なかなか自然の力に抵抗するというのは難しいことのようだね。

コメント

  1. 河太郎 より:

    電気の使い方としては距離を置かない使い方が良いのてすが……地下水汲上ねぇ。
    いま米国がそれで塩害と塩分濃度で農業がズタボロなの解ってるんすかねぇ?
    解ってないよね。てなきゃ内モンゴルに漢民族を大量移住させて北京の北100kmまて砂漠化してないわなぁ。
    んで彷徨える湖とその都の楼蘭を発見下スウェン・ヘディンの探検記をみると、
    タクラマカン砂漠のあちこちに枯れた河川があって、そこで水を得た事もあるが、岩塩も採集してるんすよね。なので木霊様の警告はヤバい予言なのだが。
    つか、あんな広い面積に太陽光パネルを置いたら砂漠の灼熱✕パネルの熱で、
    火災になりそうな気がしますけど。
    考えてるのかな?
    考えてないんだろうなぁ。

    • 木霊 木霊 より:

      地下から水を汲み出すのは、比較的簡単ですからね。
      タクラマカン砂漠の有効利用を考えたのでしょうけれど、ちょっとどうかなーと思う案件ですね。

  2. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    砂漠化を止めるために植林すると、植えた端からから地域住民が引っこ抜いて燃料にする、なんて都市伝説(都市?)を聞いた覚えが。
    そうでなくても、中央に「やりました!」って言うだけの「緑化」が横行する国ですから……

    砂漠で汲めば塩水、農地で汲めば(近くの工場排水の)毒水、都市部では地盤沈下……
    これまでの人類の負の歴史の博物館ですな。

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      ご指摘の点は、本当に笑い話でもなんでもなくって、実際に植林した端から食糧政策推進ということで畑に変わり、砂漠に逆戻りという意味不明なプロセスを経ているところが結構あるようですよ。
      塩害の話も、伝わっていないだけで何十年も前から問題にはなっています。まさか、それを隠して緑化推進というのも不思議な話ですが、現実問題としてそうなっているんですよね。