事実上の独立宣言ねぇ。
頼新総統演説で波紋 「事実上の独立宣言」批判―台湾
2024年05月22日07時07分配信
台湾の頼清徳新総統が20日の就任演説で行った中台関係に関する発言が波紋を呼んでいる。頼氏は、蔡英文前総統と同様に「現状を維持する」と述べる一方で、中国が掲げる「一つの中国」原則の完全否定とも受け取れる表現を多用。中国が強く反発しているだけでなく、台湾内でも「事実上の独立宣言だ」という見方が出ている。
時事通信より
時事通信もおかしな記事を書くけれども、ちゃんと頼清徳氏に対して取材をしたんだろうか?酷い記事を書くね。
台湾は独立した存在
ワン・チャイナ・ポリシー
「台湾が独立を目指す-」と噴き上がっている支那は、台湾の新総統誕生に過剰に反応しているようだ。
支那は「ワン・チャイナ・ポリシー」を世界各国に押しつける政策をとっており、台湾独立ということに常に警戒をしている。
中国外務省「台湾が中国の一部という事実変わらない」 台湾・総統選で談話発表
2024/1/14 10:23
中国外務省は13日深夜に発表した報道官談話で、同日に行われた台湾の総統選で民主進歩党の頼清徳氏の勝利が決まったことに関し、「台湾島内の情勢がいかに変化しようとも、世界には一つの中国しかなく、台湾が中国の一部だという基本的な事実は変わらない」と強調した。
産経新聞より
頼清徳氏が台湾総統選挙を勝ち抜き、勝利が決定した際にも「ワン・チャイナ・ポリシー」を唱えていた。
日本政府としての立場
日本もアメリカも、「はいはい、チャイナはいつも1つね」「オマエがそう思うなら、そうなんだろうね。オマエの中では」というスタンスで、その考えを理解はするという姿勢である。
昭和四十七年の日中共同声明では、台湾の位置付けについて、「中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する。」とされている。
衆議院のサイトより
台湾に関する我が国政府の立場は、昭和四十七年の日本国政府と中華人民共和国政府の共同声明第三項にあるとおり、「台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部である」との中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重するというものである。
衆議院のサイトより
問10.台湾に関する日本の立場はどのようなものですか。
台湾との関係に関する日本の基本的立場は、日中共同声明にあるとおりであり、台湾との関係について非政府間の実務関係として維持してきています。政府としては、台湾をめぐる問題が両岸の当事者間の直接の話し合いを通じて平和的に解決されることを希望しています。
外務省のサイトより
日本の基本スタンスとしては、時代によってブレはあるけれども両岸問題は当事者で解決すべき問題、としていて、中華人民共和国を政府と認め、台湾に関しては中華民国とはせず、非政府組織が統治する「台湾」と認識し「その他の地域」という扱いになっている。
パレスチナや北朝鮮と同じ扱いだね。
とはいえ、この扱いは少なくともこの地域に独立性があって、統治機構による統治が行われているという認識でもあるのだ。
既に独立している
そして、今回台湾総統選挙に勝利した頼清徳氏は、出馬の際にこんなスタンスを示している。
台湾は既に「独立」、独自の総統選出で証明=副総統
2023年10月6日午後 3:16
来年1月の台湾総統選の有力候補である与党・民主進歩党(民進党)の頼清徳副総統は、台湾は独自に総統を選出することで既に独立性と主権の保有を示していると述べた。
同氏の陣営が6日、日本のメディアとのインタビューの原稿を公表した。
頼氏は台湾独立を巡る立場を問われ、台湾は地方から総統まであらゆるレベルのリーダーを定期的に選出しているため、「実際のところ既に主権を有し、独立している」と発言。そうでなければ総統選も実施できないはずだとし、「改めて独立を宣言する必要はない」と述べた。
ロイターより
至極もっともな主張であり、台湾の国民もこれを支持したというのが、台湾総統選挙の結果が示しているので、他国がこの判断に首を突っ込むのはおかしい。
冒頭の時事通信の記事も、この頼清徳氏の考えを理解すれば「まさか、独立宣言か」というようなおかしな記事を書かずに済むはずだ。
中国の習主席、今後の好手欠く-台湾総統選で野党勝利の実現かなわず
2024年1月15日 13:59 JST
台湾統一を目指す中国の習近平国家主席にとって、台湾総統選が中国に有利な結果となる展望が瓦解した瞬間が訪れたのは13日に行われた投票ではなく、昨年11月23日夕に台北市内の高級ホテルで行われた会合の場だった。
グランドハイアット台北の会議室では同日、中国との対話再開を支持する野党候補同士の話し合いが行われた。総統選で野党勝利のチャンスを高めるため候補者の一本化を図ったもので、テレビの生中継も行われたが、公の場での険悪なやりとりという、台湾政治史でも前代未聞の混乱の瞬間となった。
Bloombergより
Bloombergの記事は、習近平氏の考えを支持するような立場で記事を書いているが、結果は結果である。台湾総統選挙で敗北したのは習近平氏の野望だったということだ。
で、メンツに泥を塗られた習近平氏は、事ある毎に台湾にちょっかいをかけているわけだ。厄介なストーカーかっ!
就任演説で支那を牽制
ただ、頼清徳氏も支那を煽るような発言を就任演説で行っている。
「戦争の恐怖から解放を」 台湾の頼清徳新総統、就任演説で中国警戒
2024年5月20日 13時17分
台湾の頼清徳新総統は20日に台北市内で行った就任演説で、緊張が増す中台関係をめぐって、「中国の軍事行動とグレーゾーンの脅迫は、世界の平和と安定に対する最大の戦略的挑戦とみなされている」と批判。「中国に武力による脅しをやめるよう求めたい。台湾海峡や地域の平和と安定を維持し、世界が戦争の恐怖から解放されるよう、世界的な責任を台湾と共有することを求めたい」と呼びかけた。
朝日新聞より
「野蛮な恫喝は止めろ」「世界的な責任(侵略行為を止めろ)を果たせ」とまあ、確かにワン・チャイナ・ポリシーに反すると採られかねない発言ではあるが、しかし明確にそんなことは言っていない。
これについて、支那としても怒り心頭なのだが。
中国外相、台湾新総統を批判 「国家と祖先を裏切る」
2024年5月21日午後 7:50
中国の王毅外相は21日、台湾の頼清徳新総統を「恥ずべき」存在と批判した。中国は、頼氏を「分離主義者」と見なし対話を拒否している。
ロイターより
なんというか、感情的批判でかなり恥ずかしい。
「中国の分裂企てれば、日本の民衆は火の中に」 駐日中国大使が発言
2024年5月20日 15時28分
呉江浩・駐日中国大使は20日、日本の国会議員約30人が台湾でおこなわれた頼清徳新総統の就任式に出席したことについて、「公然と台湾独立勢力に加担するもの」と非難した。在日中国大使館が日本の政治家や学者を招いた座談会で述べた。
朝日新聞より
序でに、台湾総統誕生を祝した日本に対しても「日本の民衆は火の中に」と恫喝する始末。野蛮人かっ!
反スパイ法を意識
台湾としては、支那に飲み込まれるわけにはいかないため、スパイの存在にも意識を配らねばならない情勢になっている。
日本同様に台湾国内にもスパイが跋扈する状態で、なんとか自国の利益を守ろうと必死になっている。
「国家安全法」改正草案が立法院を通過、経済スパイ罪など規定
2022年05月27日
台湾法務部は5月20日、「国家安全法」の改正草案が立法院の第三読会(立法に必要な3回の審議)を通過したと発表した(法務部プレスリリース)。今回の改正は、ハイテク産業の競争力保護を拡充し、経済発展を強固にするとともに、台湾の重要コア技術に関する営業秘密が域外の敵対勢力など(注)によって侵害されないようにするため、当局が核心的なコア技術に関わる営業秘密の階層的保護システムを積極的に構築することなどを目的としている。
JETROより
特に半導体技術の死守は、台湾の生命線になる。この辺りはアメリカと台湾との関係にも、日本と台湾との関係にも大きく関わる話となっているので、国家防衛としては当然の判断だろう。
いきなり拘束され、政治権利を奪われ、服役…台湾人男性が「反スパイ法」を「人質外交の合法化」と批判する理由
2023年7月27日 06時00分
中国が7月に施行した改正「反スパイ法」は国家機密の不法取得などを禁じているが、国家機密の対象範囲や違法の判断基準が不明確で、在中外国人の不安を呼んでいる。約4年前に「スパイ」として中国広東省深圳で拘束され、服役を経て今月24日に出国した台湾人の李孟居は、中国当局の取り調べは恣意しい的で「人質外交の合法化だ」と厳しく批判した。
東京新聞より
台湾でも支那の反スパイ法には手を焼いていて、コレに対抗するために色々考えてはいるようだ。
また、頼氏は「中華民国の国籍を有する者を、中華民国の国民とする」との台湾の憲法の規定に言及。「中華民国の国籍」を持たない中国の人々を「国民」に含めない立場を示した。憲法は、領土に関して具体的に明記していないが、頼氏が「憲法に反して、中国大陸を排除している」との指摘も出ている。
時事通信より
それを念頭に置いたと思われる頼清徳氏の発言だが、これも支那は気に入らないのだろうね。
台湾でデモ
台湾総統の演説の話とはちょっと逸れるが、昨日はこんなニュースもあった。
台湾議会、改革巡り紛糾 野党案への抗議で数百人がデモ
2024年5月21日午後 7:04
台湾の立法院(国会)で21日、野党が推し進める立法院改革法案を巡り、与野党の立法委員(国会議員)が怒鳴り合い、もみ合いになった。
立法院の外では改革案に抗議して数百人が集まり、野党が中国と結託して民主主義を破壊しようとしていると非難した。
野党の国民党と台湾民衆党は合わせて過半数議席を有しており、政府に対する議会の監視強化を目指している。虚偽の発言や「情報の隠蔽」によって議会を侮辱したとみなされた政府関係者を処罰する条項も含まれ、物議を醸している。
与党、民主進歩党(民進党)は違反行為が明確に定義されていないとしており、さらなる審議を要求。民進党の幹部、柯建銘氏は立法院で「今日の演説台にいるのは国民党でも台湾民衆党でもなく習近平(中国国家主席)だ」と述べた。
ロイターより
このロイターの記事では野党が推し進める法案の中身が分かりにくいのだが、与党である民進党の政権が続いていることを野党側が嫌がって、議会の監視強化を図る国会改革法案を提出しているようだ。
実は、台湾の立法院選挙で与党民進党は単独過半数を失っていて、第2政党に転落している。
台湾 立法院長に最大野党 国民党の韓国瑜氏 選出
2024年2月1日 19時03分
1月に改選された台湾の議会・立法院の新しい会期が2月1日に始まり、議長にあたる院長に最大野党・国民党の韓国瑜氏が選ばれました。法案や予算案を審議する立法院を野党が主導することになり、5月に就任する与党・民進党の頼清徳次期総統は難しい政権運営を強いられそうです。
NHKニュースより
そして、これを利用して政府の力を削ごうというのが、野党側の狙いのようだ。残念ながら詳しい条文まで読めないので国会改革法案のリスクは判断できないのだが、支那からの影響力を強める効果はありそうだ。
というわけで、頼清徳氏は支那からの影響力を避けて難しい政局運営を迫られているのだけれども、日本としては応援していきたいところ。
日本の国会議員が多数就任式に出席
そして、その姿勢を国会議員が示していますよー、というのがこちら。
台湾総統就任式、中国が日本議員出席に抗議 「協調精神に反する」
2024年5月21日午後 3:41
在日本中国大使館は21日、日本の国会議員が20日に台湾の頼清徳総統の就任式に出席したことについて、断固として抗議すると表明した。
大使館報道官は声明文で「日本政府と一部の政治家は中国の強い反対を無視し、頼氏を祝福した」とした。
ロイターより
中国、日本議員の台湾総統就任式出席に抗議 「内政干渉で断固反対」
2024/5/21 13:49
在日本中国大使館は21日、日本の国会議員約30人が20日に台湾の頼清徳総統の就任式に出席したことについて「中国への内政干渉だ。断固反対し、強い抗議を表明する」との報道官談話を発表した。日本側に厳正な申し入れをし抗議したと明らかにした。
産経新聞より
30人も台湾に行って就任式に出席していて、支那が「内政干渉だ!」とお怒りなのだが……、内政干渉なんですかね?
民主的な手続きで選ばれた首長に対してお喜びを申し上げただけで、何か内政干渉したとか言う話ではないのだが。
めんどくせー国だな。
とはいえ、台湾との交流は大切なのだが、支那とのコミュニケーションも疎かにしてはならないので、支那が何を言っているのかは理解しておく必要があるだろう。
中国大使の「日本の民衆が火の中に」発言に鳩山元首相「基本的に同意する」
2024/5/21 16:54
中国の呉江浩駐日大使が、日本が「台湾独立」や「中国分裂」に加担すれば「民衆が火の中に連れ込まれることになる」と発言した20日の座談会に出席していた鳩山由紀夫元首相が、「基本的に同意する」と述べていたことが分かった。
産経新聞より
もちろん、「基本的に同意する」というアホな発言をすることと、コミュニケーションをとることは断じて違うのだ。
キッチリとおかしな発言をしたヤツは、「追放するぞ」と意思表示しておく必要があるのである。松原氏の主張は全く正しいのであって、正しいメッセージを伝えるために、「民衆を火の中にくべる」というようなおかしな発言をする大使はお引き取りを願うのは、全く正しいのである。
こうした正しいコミュニケーションを発信していくことこそが、日本政府としても必要なのだ。
一方の頼清徳氏は支那に支配されない状態を維持したいという「現状維持」を望んでるのだから、それを正しく解釈していくべきなのである。そして、現状維持を望んでいない(台湾支配を望む)のは支那の方なのだということは、しっかりと日本として発信していくべきだろう。
追記
鳩山氏には息子がいて、この父の言行について言及していたので、紹介しておきたい。
息子は立派だねぇ。
追記2
ある意味、鳩よりも大人になれない国家である。
【速報中】中国軍 台湾周辺海域で軍事演習開始 頼政権への圧力
2024年5月23日 14時20分
中国軍は23日午前、台湾や台湾の離島の周辺で軍事演習を開始したと発表しました。台湾の頼清徳総統は今月20日の就任演説で「台湾は中国の一部だ」とする中国の主張を否定していて、中国軍は「『台湾独立』の分裂勢力が独立を企てる行為に対する強力な戒めだ」として、頼政権への圧力を強めています。
NHKニュースより
気に入らないことがあったから、軍事演習をやって脅しか。外交的には効果的だと思うけど、支那って当事者同士の問題だけで解決しようというハラなのかな。国際社会も確実に見ているわけだが、「内政干渉」だけで突っぱねる積もりだろうか。
外交にも大きな影響が出るよ。
中国軍はSNSで軍事演習を行う範囲だとする地図を発表しました。地図には台湾本島を取り囲むように赤い太い線で囲んだ区域が5つ示されています。また、中国大陸に近接した台湾の離島の金門島や馬祖島などの周辺は、矢印の付いた赤い点線で囲まれています。
NHKニュースより

なんという理性に欠けた党だろうか。
さらに「口実を設けて軍事演習を行うことは、台湾海峡の平和と安定に役立たないうえ、横暴な本質をはっきりと浮かび上がらせている」と中国軍を非難しました。
NHKニュースより
気に入らないことがあれば武力で脅す。これで、台湾が屈しないのであれば更なるエスカレーションに至るか、それとも恥ずかしくて次の段階に移行できないか。後者はないだろうね。
コメント
ちょっと待った!!
鳩山の「基本的に同意する」って何?
自分の祖国を火の海にすると言われてる。その中にはお前の支持者もいるんだぞ! お前は中国のスパイか?
国賊ですよ。こいつも、こいつの支持者も。なんで偉そうに国賊が政治家してるんだ! 腹が煮えくり返る。
鳩は座敷牢にでも入れておくか、元首相、元国会議員の肩書きを仕え無くすべきだと思うんです。
利用されるだけですから。
支那共産党の主張する「一国二制度」は形骸化しており、言葉が上滑りしていますね。
支那人でさえ信じていません。
紅皇帝の真意は、二制度ではなくて併合ですから、いまさらな話なんですが、
頼新総統が、就任演説で紅皇帝にケンカを売って見せた理由は、
国内の野党や親中共派、どっちつかず派(経済優先)をけん制するためでしょう。
また、対外的に自由主義諸国に自身の旗色をはっきり示し、援助を得るためでもありますね。
台湾が独立国として生き残るために、新総統として必要な宣言であったと思いますよ。
「一国二制度」は、その地域に統治機構を任せるものでしたが、その結果、支那国内の統治が緩む結果を招きましたから、修正せざるを得ないのでしょう。
支那皇帝の習近平氏が行き着くところはどこなのか。
台湾は「現状維持だ」と言っていますが、このことが支那の武力による現状変更の思惑を浮き彫りにしました。
なかなか上手い手腕だと思います。
こんにちは。
>「中国の分裂企てれば、日本の民衆は火の中に」 駐日中国大使が発言
これ、世が世なら普通に宣戦布告なんですけどねぇ……
そして、台湾は、辛くも自治を維持して政権の継承に成功しましたが……
翻って本邦は、「メガソーラーゴリ押し」が次の静岡知事とはお先真っ暗です。
※それなりの数が、静岡に住民票移したのかな?なら、今、他の所で選挙すれば……
こんにちは。
今になってメガソーラーごり押しする首長が量産されている理由が理解できません。
彼らの頭の中は一体どうなっているのやら。