経済的な話はあまり得意ではないのだけれど、ちょっと気になったので。
マクドナルド最高益 「都心値上げ」的中、外食勝ち組はデフレ脱却へ
2023.12.1
日本マクドナルドホールディングス(HD)が2023年12月期に連結営業利益で過去最高を記録する見通しだ。東京都心などで、商品価格が通常の店より高い「都心店」を増やし、メニューの価格差を最大で90円とした。客数は減少するが客単価の上昇で吸収し、業績を押し上げる。低価格競争にしのぎを削り、デフレ色が強かった外食業界の転機となる可能性がある。
日経ビジネスより
個人的な嗜好でいえば、マクドナルドは希に食べたくはなるが美味しいとは思わない。価格もかなり上がって、正直、行きたいと思ってはいない。それでも、マクドナルドとしては最高益となった。
巧みなマーケティング戦略
商売のやり方の問題
一方で、マクドナルドに行くなら、モスバーガーに行きたいと言わしめるモスフードサービスだが、ここの所の業績は極めて悪い。
モス、営業利益98%減の衝撃 「手作り感」にこだわるジレンマ
2023年05月30日 08時00分
モスバーガー(運営:モスフードサービス)が赤字に転落した。2023年3月期通期の営業利益は前期比98.8%減の4100万円、最終赤字は3億1700万円。他の外食チェーン同様に原材料費の高騰や急速な円安によるコスト増が利益を圧迫したが、同社特有の事情もある。
ITmediaビジネスより
決算時期の違いなどもあるので直接比較して良いかどうかは難しいが、モスフードサービスの業績は今のところ改善していないようなので、今年3月の決算でも赤字幅は圧縮できても赤字から脱出は難しいと予想される。
マクドナルドとの違いはどこに出たのだろうか?
ハッキリ言えば、経営戦略の違いだろう。
マーケティングの専門家がその辺りを分析すれば良いので、僕が詳しい話をする必要もないし、そもそもできない。が、ザックリいえば、モスバーガーは「美味しいハンバーガー」の提供を目指しているのに対し、マクドナルドは「手軽に食事が出来る場所」の提供を目指した。
満足度から言えばモスバーガーに行った方が高いのだが、マクドナルドはとにかく気軽に入店できる事に重きを置き、安値戦略を止めたので収益性が上がったのである。
値上げで収益拡大
つまり、ハンバーガーを売って利益が出るようにしたのがマクドナルドだということだ。
「何を言っているんだ」と思われる方も多いと思うのだが、以前のマクドナルドはハンバーガーを売るとギリギリ赤字になるような状況だったのである。セット販売でお得感を出して、利益を獲得するモデルだったのだが、来客数を減らしてでも客単価を上げることを目指したという販売戦略の転換を図ったんだよね。
この辺りの冷徹な販売戦略の練り方はなかなか凄くて、とにかく手間をかけずに食品提供が出来るような流れに拘っている。味はまあ、フレーバー程度なんだろうね。
ただ、それでも確実に利益を狙えることで、業績は上がったんだよね。
残念なことにモスバーガーはこの戦略を採ることは困難である。味に拘る路線は狙いとしては間違っていないと思うが、そこにコストをかけてしまったことで販売戦略としてはイマイチな事になっている。
マクドナルドの強みである立地条件やイメージ戦略などで、モスバーガーは一歩も二歩も遅れているのだ。味だけで勝負するのであれば、もっと突き抜けた戦略が必要だと思うのだが、素人の感想なので、まあ、それで成功出来るかはまた別の話。
観光立国の看板など捨ててしまえ
白川郷の悲劇
さて、マクドナルドの話、専門家が色々分析してくれるだろうから、素人の感想はここまでにしよう。要は、価格設定を高くしても収益確保が出来る戦略が当たった。それが伝われば良い。
で、もう1つのテーマ観光の話である。
「カイロを便器に流され週に何度も修理」「私有地で勝手に雪遊び」 中国人観光客に人気の白川郷の住民が嘆く「観光公害」
2024年02月14日
中国の旧正月「春節」をコロナ禍後で初めて迎え、訪日観光客の数に弾みがついているという。延べ90億人もの人民が大移動するとの触れ込みだが、すでに日本国内では数々の「観光公害」が。その被害に悩まされている岐阜県・白川郷で取材をすると、中国人観光客による信じられない振る舞いの数々が……。
デイリー新潮より
支那人がどうのこうの、という話をする以前に、観光客をキャパシティ以上に増やすことがそもそもの間違いなのである。いわゆるオーバーツーリズム問題だ。
正直、白川郷が許容できる観光客数は、今の半分くらいではないか?と思う。

こちらの記事などはそういった話を指摘しているが、マイルドな結論しか言っていない。年間180万人来る観光客を集落に住む600人程度の人々が裁くと言うのがそもそも現実的ではないのだ。
そして、特に支那を始めとしたアジア方面からの観光客の「お手軽観光スポット」的な扱いが、悲惨な結果をもたらした。まあ、欧米の観光客がお行儀が良いとは言わないが、彼らは白川郷までは手軽に行き着けない。結果、富裕層でかつ物好きな方しか観光に来ないので、結果的に割と平和な観光をしてくれるのだが、団体旅行で傍若無人な振る舞いをする特定の方々は、そうではないのだ。
詳しく書くのは止めておくが、以前から余所でもまあヒドイ事例が沢山ある。
富士山の苦悩
なお、似た事例としてあげるのが適切かは不明だが、富士山周辺も観光公害に悩んでいる。
富士山のゴミ問題が深刻!コロナ明けで増えたゴミ、そしてペットボトル入りの困りモノとは?
2023.7.22 11:00
山梨県側が7月1日、静岡県側は同月10日に山開きが行われた富士山。コロナ明けの今夏、すでに混雑が報道されているが、登山者が増加すると増えるのがゴミだ。中にはとんでもない「困ったモノ」もあるという。環境保全に取り組む認定特定非営利活動法人「富士山クラブ」事務局長の七井辰男さんに話を聞いた。
Diamond Onlineより
何というか、日本が観光に力を入れ始めたのは最近の話なので、整理し切れていないのが実情なのよね。
だから、ゴミ問題とか宿泊施設のキャパシティとか足りていないわけで。
国交省の脳天気なサイトを見ると、本当に何も分かっていないと嘆きたくなるのだが、無秩序に観光客を増やした結果が各地の悲鳴である。
一時的に武漢ウイルス感染症の拡大で大きく減ったのだが、今年は再び増加傾向にある。
沖縄23年観光客、45%増の823万人 国内客は過去最多
2024年2月1日 15:10
沖縄県が発表した2023年の入域観光客数は、前年比45%増の823万5100人だった。新型コロナウイルス禍による行動制限がなくなり、2年続けて大幅増となった。国内客は724万人でコロナ禍前の19年を0.2%(約1万5千人)上回り過去最多となった。外国客を含めた全体の観光客数も19年比で81%まで回復した。
日本経済新聞より
沖縄で観光客が増えたと日本経済新聞も喜びの声を上げているが、本当に大丈夫か?と。日本全体で、武漢ウイルス蔓延前のような事態を本当に望んでいるのか、と。
国内旅行客が旅行を遠慮せざるを得ないような状況が武漢ウイルス蔓延前にはあって、事態を深刻に捉えていたにも関わらず、海外の観光客が激減したら、その苦悩も忘れて「客が居ない」と嘆く。
実際に富士山では入山規制を検討せざるを得ないほどの状況になってきている。
山梨県、富士山登山の過密対策 24年夏から入山規制
2023年12月20日 19:11
山梨県は20日、富士山の登山客が過剰になっている問題で2024年夏から県独自で実施する入山規制案を発表した。山梨側の5合目登山口にゲートを設け、1日あたりの登山者数を原則4000人に制限し、夜間の通行を規制する。通行料も徴収する。地元関係者らと調整して詳細を詰め、24年2月県議会での条例制定をめざす。
日本経済新聞より
1日の登山者数などもっと減らしても良いくらいだと思うのだが、静岡側は足並みを揃える気がないらしいので、この規制が功を奏するかは不明。
しかし、登山者が増えすぎると山小屋のキャパを超えて、登山客の安全性にも関わることになる。聖なる山を見世物にしたツケは誰が払うのやら。
観光客の質を向上させよう
と言うわけで、マクドナルドに習って日本の観光ももっと規制すべきだと思うわけだ。
【そもそも解説】訪日外国人なぜ増えている? 円安以外にも要因が?
2023年11月15日 23時08分
10月に日本を訪れた外国人(インバウンド)は251万人。コロナ前の同じ月の人数を初めて超えました。海外に比べて低い物価や円安が影響しています。インバウンドが増えた経緯を振り返りました。
朝日新聞より
円安の影響もあるのだけれど、アジアの状況も変わってきている。観光を日本経済の柱の1つにするという発想はそもそも間違いだ。これ以上の観光客誘致はマイナスでしかない。
観光立国、空港が足かせ
2024年2月10日 2:00
空港の地上業務を担うグランドハンドリング(グラハン)の不足が訪日外国人(インバウンド)増加の足かせになっている。新型コロナウイルス下で減らした人員が戻らず、日本に就航を希望する外国の航空会社の増便を十分に受けられない。人手が足りない現場には安全面の懸念も広がり、「観光立国」に黄信号がともる。
日本経済新聞より
相変わらず、経済方面の音痴さを発揮する日本経済新聞だが、航空会社の増便など論外である。寧ろもっと減らさねばコントロール出来ない状況なのだから、別方向の戦略が必要なのだ。
例えば、国際観光旅客税をとっているけれども、出国1回に付き1,000円という設定になっている。いや、入国は?
一応、国籍に関わらず出国税を徴収するので、外国人観光客が入国する時には徴収されないのだけれど、出国する時に徴収される。でも、外国人観光客からはもっと徴収しても良いと思うんだ。
観光リソースが限られているのだから、有効に利用出来るような工夫が必要で、高価格帯の観光路線に切り替えるのが良いと思うのだが、これだと日本人が気軽に観光できなくなってしまうと言うデメリットも出てしまう。だからこそ、入り口を絞る工夫はすべきなんだと。
オウベイガー
当然、こういった観光公害の話こそ、外国に知恵を学ぶべきだと思う。「平等」とか「差別」とか、そういう話を乗り越えて、観光客の利便性を図る取り組みは必要だろう。
伊ベネチア、来年4月から入場料徴収 観光公害対策で試験導入
2023年11月24日午前 10:07
イタリア北部ベネチア市当局は23日、オーバーツーリズム(観光公害)対策として試験的に導入する観光客からの「入場料」徴収について、来年4月から実施すると発表した。ブルグナロ市長は「世界初」の試みと説明。「効果を調べたい」と話している。
ロイターより
ベネチアあたりも、流石に色々と苦労しているようだ。
そもそも「観光資源」というのだから、「資源保護」「資源保全」は絶対に必要なのである。
というわけで、マクドナルドに学んで観光についても経営戦略の見直しをやっては如何だろうか?えーと、観光庁は……あー、国交省管轄なのか。
コメント
こんにちは。
・富士山、山梨側は対策検討中ですが、静岡側は……リニアの邪魔と、静岡空港しか頭にないあの知事じゃあ……(中国人優遇策で静岡空港から富士山五合目無料送迎とかやっても驚かない)
・不良外国人をもっとビシバシしょっ引けば良いと思うのですが、ダメなんですかね。白黒黄色に関係なく。言葉がわからない?「日の本言葉 しゃべれないなら 死ねよ 首 置いてけ」
こんにちは。
静岡県の知事は本当にダメダメですねぇ。
外国人労働力の話は、増えることはもう避けられないと思っています。良くも悪くも日本は先進技術を持っている国の一角で、支那や韓国が経済的にアップアップしている以上は、こちらに目を向けるという流れになりますからね。でも、それを抑制的にしないと追従できていかないのが現実でありまして、対策をしっかりやりつつ、受入数は減らさないと。