重要なニュースというわけではないのだけれど、ちょっと気になったので触れておく。
ロシア軍輸送機が墜落、捕虜ら74人搭乗 ウクライナが撃墜と非難
2024年1月25日午前 10:34
ロシア国防省は、捕虜のウクライナ兵士６５人を乗せた軍輸送機が２４日、ウクライナ国境近くで墜落したと明らかにした。捕虜交換のため輸送中で、ウクライナによる意図的なミサイルによる撃墜としている。
ロイターより
ロシア軍の軍輸送機が墜落し、これがウクライナ軍のミサイル攻撃によるモノだというニュースである。
ウクライナ軍の士気が下がる作戦
捕虜65人は全員死亡
戦争中だからそういうこともある、と、簡単に片付けるわけにはいかないニュースのようだ。
ウクライナは状況について完全に明らかにするよう求め、撃墜したしたことを直接的には認めなかった。
ロイターより
ウクライナ軍は、おそらく撃墜している。しかし、認めるには少々都合が悪い。何故なら、捕虜交換のために載せられたウクライナ兵士65人が、墜落によって全員死亡してしまったからだ。
しかし、使ったミサイルは恐らく西側製のもので、言い逃れができない。そういう状況なのではないか。
通達はあったのか
気になるのは、今回のケース、ウクライナ軍側が捕虜が載っていることを知っていたか否か、だ。
ロシア国防省は、ウクライナ指導部側は自軍兵士が捕虜交換でベルゴロド飛行場に軍用輸送機で輸送されることを知っていたと指摘。「これまでの合意に基づき、捕虜交換はこの日の午後にロシアとウクライナの国境にあるコロチロフカ検問所で行われることになっていた。こうしたテロ行為によってウクライナの指導者は素顔をさらけ出し、自国民の命を軽視した」と主張した。
同省はまた、航空機が墜落した時刻に２発のウクライナ製ミサイルの発射がレーダーで検知されていたと発表した。
ロイターより
ロシア側からは輸送機を飛ばすことをウクライナ側に通達し、適切な手続きを経て輸送機を飛ばしたと主張している。
一方のウクライナ側は、適切な連絡がなかったと主張しているようだが、どうにも歯切れが悪い。
ウクライナ軍情報当局は２４日、テレグラムで、ウクライナが捕虜輸送中のロシア軍機を撃墜したとのロシア側の主張は「ウクライナにおける状況を不安定化し、わが国に対する国際的支援を弱めるために計画された行動である可能性がある」と指摘。墜落したロシア軍輸送機に誰が乗っていたかについて信頼できる情報はないとした。
また、捕虜交換は確かに計画されており、ウクライナは全ての条件を満たしたが、捕虜を輸送する飛行機の機数やそのルートについてはロシアから知らされておらず、「同時にこれまで繰り返し行われてきたように、一定期間にベルゴロド地域の空域の安全を確保する必要性については、ウクライナ側に知らされていなかった」とした。
ロイターより
うーん。欺されたな、これ。
ウクライナ側の油断
どうにも飛行ルートに関しても怪しい感じがしている。ウクライナ国境近くで墜落というのは、かなり怪しい飛行ルートを輸送機に飛ばせて、ウクライナ国境を越えて見せたところで、ウクライナ軍側のミサイルの餌食になったと言うことなのだろう。
輸送機で捕虜を運ぶという情報は、おそらくロシア側からウクライナ側に通達されていたと予想される。
ただ、その情報がかなり曖昧で、どの輸送機に誰が乗っているのかは明かされていなかった。更に輸送機で嫌らしい降下作戦をやる情報が流布されていたとか、そういう話なんだろうね。
ロシア空軍に不可解行動 ウクライナの空で大損害を被るのも当然な「定石」軽視とは？
2022.03.05
2022年2月24日のロシアによるウクライナ侵攻を契機とする戦争も、同3月3日でいよいよ第2週目に入りました。
～～略～～
ところがロシアによるウクライナ侵攻では、不思議なことが起こります。ロシア軍は航空優勢確保のための爆撃をひと通り実施しただけで、なぜか全く不徹底なまま「航空優勢を確保した」と判断、なんとまだ地対空ミサイルなどがたくさん残っているウクライナ本土に対し、ヘリコプターや輸送機を突っ込ませ陸軍を送り込む「空挺降下作戦」を実行してしまったのです。
乗り物ニュースより
開戦当初にも、そんなようなことをしていたので、ウクライナ側としては輸送機による降下作戦にはトラウマもあったのではないか。
何れにしても、ロシア側の策略にはまって自軍の兵士を殺してしまったウクライナとしては、何とも歯切れの悪い対応になっている、情報戦の一環だとは思うが、この手の作戦はロシアが大得意だから。
ここへ来てこういったミスは痛いんじゃないかな？ウクライナとしては。
追記
ほーら、来た来た。
ロシア外相「輸送機撃墜」と批判 国連で会見、緊急安保理を要請
2024/01/25
ロシアのラブロフ外相は24日、ニューヨークの国連本部で記者会見し、ロシア西部でロシア軍輸送機が墜落したことを巡り、安全保障理事会の緊急会合開催を要請したと明らかにした。「ウクライナの防空ミサイル」による撃墜で「犯罪行為だ」と批判した。安保理筋によると会合は25日に開く。
共同通信より
ロシアが盤外戦を活発化してきたな。
ふてぶてしいことに、国連を使って、「アイツが悪いんだー」という展開を使ってきた訳なんだけど、そりゃ、戦争犯罪に該当しそうな話になるかもしれない。
でも、それはウクライナ軍が捕虜を乗せて飛んでいる航空機であると認識していた場合であり、今までロシアが散々やってきた戦争犯罪は棚上げしておいて、ウクライナに対して突き上げをすると。
この辺りの行為が関係しているようにも思えるんだけど。
追記２
また何か言っているな。
捕虜搭乗とウクライナ側に事前通告、輸送機墜落巡りロ議員が主張
2024年1月26日午前 11:37
ロシアの有力議員は、西部ベルゴロド州で捕虜のウクライナ兵士を乗せて墜落したロシア軍輸送機について、現場空域に入る１５分前にウクライナ軍情報機関に通告していたと主張した。
ロシアは輸送機イリューシン（ＩＬ）７６の墜落を巡り、ウクライナが撃墜したと主張。地元当局によると、搭乗していたウクライナ人捕虜６５人を含む計７４人全員が死亡した。
ロイターより
現場空域に入る15分前に事前通告だって。
そんなの間に合うわけがない。
嫌がらせか！
追記３
だんだん怪しくなってきたな。
ロシア軍機墜落、食い違う主張 ウクライナ「状況不可解」
2024/1/29 21:22
ロシア西部で起きたロシア軍の大型輸送機墜落を巡り、ロシアとウクライナの主張が食い違っている。ロシアは捕虜交換のために移送中だったウクライナの捕虜６５人が乗り、飛行を事前通告したと説明。一方、ウクライナは通告がなかったほか、これだけ多数の捕虜搭乗を確認できず、遺体の写真や映像が出てこない状況は不可解だと主張する。
産経新聞より
墜落した航空機の写真の１つも出てこれば、説明できることもあると思うのだが、どうにもロシアの情報戦の臭いがする。
まあ、ウクライナ側の情報も信頼ができるのか？と言う点についても気をつけなければならないので、何が正しいのか？に関しては注意深く見る必要があるね。
コメント
こんにちは。
本件、何から何まで疑わしくて、事実が全く見えないというか、例えそれが事実の発表だったとしても色眼鏡で見てしまいます。
多分、捕虜が乗っていたのは正しい。でも、これ以外はみんな疑わしい(七面鳥的に)。
無くなった兵士(どちらに属するにせよ)に哀悼の意を表するとともに、自分に都合の良い時だけ「国際機関ガー！」の露助には反吐が出ます。
こんにちは。
情報戦ですから、色々あるのでしょう。
ロシアの情報は虚実の見極めが難しい状況で、本当に何を信用して良いのやら。
本文に書くべきでしたが、亡くなった方には哀悼の意を表したいと思います。