先ずは、お悔やみを申し上げたい。
米軍オスプレイ 墜落情報 1人死亡 屋久島沖【29日 詳細】
2023年11月30日 2時01分
29日午後、鹿児島県の屋久島沖でアメリカ軍の輸送機「オスプレイ」が墜落したという情報があり、海上保安庁が巡視船や航空機を出して対応にあたっています。海上保安庁によりますと、屋久島空港の南東の海上で機体とみられる灰色の多数の残骸が見つかったほか、オスプレイに乗っていたとみられる男性1人が救助されましたが、死亡したということです。
NHKニュースより
しかしね、防衛省が「不時着水」と発表しているのだから、公共放送を掲げるNHKは不時着水だったという前提で説明しなさいよ。
事故が発生すると大騒ぎされるオスプレイ
オスプレイを嫌がるパヨク
今回、事故を起こしてしまったオスプレイだが、かなり優秀な機体である。垂直離着陸が可能な回転翼機と、速度の出せる固定翼機のいいとこ取りをしたような機体である一方で、整備が難しい複雑な構造を備えている。
目撃した男性は「機体が突然、ひっくり返り、真っ逆さまになった。火が出て爆発しそのまま海に垂直に落ちていった」と話しています。
NHKニュースより
目撃情報が本当であれば、かなり異常な挙動を示して揚力を失い、不時着水したことになる。
玉城知事「直ちに訓練を中止すべきだ」 墜落受けオスプレイ飛行停止要求
2023年11月29日 18:25
米軍のCV22オスプレイの墜落事故を受け、沖縄県の玉城デニー知事は29日、県民が不安を持つ中での事故は「非常に残念」と強調した上で、「直ちに訓練を中止すべきだ」との考えを示した。県庁で記者団に語った。県は同日、沖縄防衛局と外務省沖縄事務所に、海兵隊所属機も含め原因究明までのオスプレイの飛行停止を求めた。
沖縄タイムスより
興奮して中止を声高に叫んだパヨクの広告塔となっている玉城デニー氏だが、「非常に残念」と口を開く前に言うべき事があるだろう。「訓練を中止」は、原因究明までは避けられまいが、先ずは何時も沖縄防衛に尽力して貰っている点を感謝すべきではないか。
知事は8月のオーストラリアでの死亡事故や県内で相次いでいる緊急着陸に触れ「不安がこのような形で現実になってしまった」と指摘。
沖縄タイムスより
騒がれるために、事故率が高いような印象が持たれているが、現実は違う。

引用するのも嫌なので東京新聞の記事はリンクだけ貼っておくが、まあ、バカバカしい内容である。
導入当初10万飛行時間におけるクラスA飛行事故の件数
導入当初に説明された話ではあるが、オスプレイの事故率はかなり低い。

新聞は「事故率が高い」と報じているが、余り実情を示していない。
飛行10万時間当たりの重大事故発生件数を示す事故率は、防衛省の12年の発表ではMV22が1・9回に比べ、CV22は約7倍の13・5回。
産経新聞より
オスプレイには空軍特殊作戦型のCV-22と、海兵隊向けMV-22、そして、戦闘探索救難型のHV-22などがある。仕様は殆ど同じだが、事故率が7倍も違う。
理由はCV-22が特殊作戦に投入されるからで、MV-22とは運用のされ方が大きく違うのだ。使い方が異なれば、事故率が変わっても不思議はないのだが、自衛隊では使われないCV-22の事故率を殊更取り上げて騒いだり、開発時の数字を振りかざして騒いだりと、不公平極まりない。
実際の事故率は、CV-22であってもCH-53D「シースタリオン」よりも低いことは上のグラフからも分かる。
その後の事故発生分を加味しても、事故率が増加したとは見込めない。つまり、「何時の話をしているの?」「ソレって本当なの」という話なのである。
何故、嫌われるのか
とまあ、こんな感じでとりわけ嫌われているオスプレイだが、その理由は単純である。支那が嫌がっているからだ。
NHKの画像をお借りしているが、14時15分頃出て、14時47分頃に墜落しているので、岩国基地から嘉手納基地まで30分程度で飛んでしまう事が分かる。
オスプレイの航続距離は3,590 kmと発表されているのだが、岩国基地に常駐しているオスプレイの作戦範囲はどうなるかというと、こうなる。

岩国基地を中心に、半径1,600kmで円を描いているのだが、朝鮮半島をカバーし、北京まで届く位置関係になっている。台湾の半分をカバーしているのも大きいね。巡航速度446 km/hで飛行して1,600kmを4時間そここで移動してしまう。(注:後述するが、コレは行動半径ではなく単純な航続距離の半分の数値に基づいた絵である)
武装の搭載は予定されていないものの、その距離を飛行して兵士を「輸送」されてしまうのは脅威となる。
単純に降下作戦をやるのであればC-2輸送機などを使った方が合理的ではあるが、滑走路を必要とする固定翼機よりホバリングも可能で垂直離着陸がかのうな回転翼機の方が嫌だという気持ちは理解出来る。作戦のバリエーションが増えるからね。
というわけで、事故の原因究明をしっかりやって欲しいし、未だ行方不明の7名の乗組員を一刻も早く見つけて欲しいとは思うのだけれど、おかしな報道をついでにやるというのは止めて欲しい。
追記
古い記事だが、オスプレイ関係の記事で事故率に言及していたので追記しておく。
中国が嫌がるオスプレイ飛行再開「尖閣諸島防衛の切り札」 井上和彦氏「反対派は非科学的」
2017/1/4 12:28
米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが昨年12月19日に飛行再開したことを受け、沖縄県の翁長雄志知事らは「到底容認できない」などと猛反発している。ただ、米軍は「(事故は乱気流などが原因で)機体自体の安全性は確認できた」という。
~~略~~
オスプレイの10万時間当たりの事故率は一昨年9月時点で2・64で、他の海兵隊機も含めた平均値と変わりがない。
産経新聞より
MV-22の事故率は2015年9月時点で2.64って事になるのかな。事故率が上がってはいるけれども、騒ぐほどの数字じゃないね。
それと、記事に行動半径が紹介されていて、本文に書いた内容と異なる事が気になって調べたのだが、正式には行動半径は600km(空中給油機を使うと1,100kmに伸びる模様)ということらしい(防衛省資料より)。

沖縄に配備されるのを嫌がるわけだ。

CH-46「シーナイト」よりも格段に行動半径が広がり速度も倍になるとのこと。こちらは作戦遂行が可能な兵員24名搭乗時の「行動半径」なので、確実にこの範囲でなら作戦ができることを意味する。
追記2
非常にどうでも良いニュースだが、一応タイトルに「不時着水」って使ったからね、一応。
木原防衛相、オスプレイ事故は「墜落」 「不時着水」から一転
2023年11月30日11時54分
木原稔防衛相は30日の参院外交防衛委員会で、鹿児島県・屋久島沖での米軍輸送機オスプレイの事故について「米側から本日になって『墜落だった』と説明があった」と述べた。事故当日の29日の段階で、政府は米側の説明に沿って「不時着水」との表現を用いていた。
時事通信より
まあ、「不時着水」はちょっと無理があったとは思うよ。状況からすれば片側のエンジンが火を噴いてローターが吹き飛んだという飛行状態を維持できない状態からだと、着水にまで努力したというだけではね。
アメリカが「墜落だった」と認めたから、日本政府側も「墜落だった」ということになった、と、それだけの話かな。
コメント
こんにちわ。先ずは黙祷……。
先だってオスプレイほしい旨を申しましたが、その理由については木霊様の記事を読めば御理解いただけるので省略。
んで、北京からゼニもらって自衛隊のチカラ削ぎたい連中は必ず「危険なオスプレイ」を騒ぐ。んとにバカなのか売国奴なのか解らんです。
あんねぇ……彼ら軍人は軍事から救助まで
緊急時の訓練してるわけ。そこが民間航空路のパイロットとは違う。
対空ミサイルや機銃の弾幕の中を、また強風で危険な状態で海面スレスレのホバリングでの救出、そういう「極限下」の想定で訓練するわけ!
それだけ事故も起きやすくなる!
その危険な訓練あるから、国内外を問わず遭難や事故の時に救助してもらえる。
自衛隊のレスキューウイングなんか、民間航空会社なら飛ばさない危険な状況でも命懸けで飛んでくれる!!
それは米軍も同じで、311の大震災の時に、放射能霧の危険がありながら、トモダチ作戦に志願してくれた米軍人は多い。あれは原子力火災の対応を持ってる在日米軍がすぐに支援を申し出たのに、注水による炉の経済損失を優先した東電と、それを黙認した民主党が悪い!!
あの時に水を詰めた袋を放射能蒸気の真上に運ぶ自衛隊ヘリや、消防の皆さんの奮戦に涙が出ました。
そういう時だけ助けてもらって、状況をきちんと調査もしないうちに騒ぐパヨクは何なのだ??
こんにちは。
「国家の暴力装置」などと言われますが、それを正しい方向に使うからこその軍隊なので、メディアも敬意を示す対象として扱って欲しいです。
オスプレイは事故が起こると騒がれますが、もっと安全な機体が出来ると良いなとは思いますよ。やっぱり弱点はありますからね。
似たような機能を持つベル V-280はもうちょっと改良されているようですが、米陸軍が将来型垂直離陸機計画の将来型長距離強襲機で採用する発表があってから、続報が出ていないのはちょっと気になりますね。
こんにちは。
まずは、殉職した米兵に哀悼を。
それから、ふと思ったのですが。
ステルスその他はひょいひょいとパクる中華ですが(パクって一定以上の性能出しちゃう開発力と開発資金は、本当に羨ましい)、オスプレイだけは未だにパクってませんよね。
使い勝手はいいはずなのに、技術的難易度が高すぎるのか、彼らのドクトリンに全く合わないのか……ちょっと不思議に思いました。
※US-2ですらパクられているのに。
中国はV-44をパクろうとしています。
こんにちは。
オスプレイは構造が難しいのですかね、確かに支那がパクる話は聞きませんね。
ただ、そもそも支那製のヘリコプターの数が少なく、戦闘ヘリコプターZ-10も2009年頃に登場した状況ですから、コレから開発したいと考えているのかも知れませんね。そういえば輸送ヘリもMi-17をロシアから技術移転を受けて作っているみたいですが、これも上手いこと作れているかどうか。
ブラックホークの民生型S-70(建前上)を24機輸入後に天安門事件で中断、Mi-17のエンジン・トランスミッション・ローターを使いZ-20(チャイナホーク)を開発・生産中。
正確にはMi-17とS-70をリバースエンジニアリングしてニコイチだった、ある意味韓国よりも凄い。
おお、情報ありがとうございました。
支那は輸送ヘリコプターを作っていたんですね!見落としていました。
しかしZ-20は調べてみると、原型はブラックホークってなっているんですが、色々な技術を組み合わせた感じなんでしょうか??
高山地帯ではMi-17は性能不足、そのためS-70C-2輸入。
ブラックホークはキャビンリアドアを持たない分、飛行性能を向上させている。
天安門事件で整備部品が輸入できず、Mi-17・AS 365・S-70の知見を全てを使ってZ-20を開発。
ほほー。
魔改造にも程がありますね。
陸上自衛隊のオスプレイは、ホットスポットに特戦群や水陸起動団を運搬する機動航空機でしょう。垂直離着力能力、エンジン出力、空中給油能力、作戦行動半径、最大積載重量、最大搭載人員数、最大速度など、どれをとってもこれほど使い勝手の良い大型作戦機は他にはありませんよ。陸自はもっと導入すべき。
米軍は今後のオスプレイ導入を見合わせると耳にしていますけど、領域の広い島嶼国家の日本にはうってつけの機体です。米国(ベル社/ボーイング社)がオスプレイの生産を止めるなら、日本が権利・技術関係を”買い取って”、日本仕様に進化させればいいとさえ思っていますよ。
日本にとってもオスプレイの使い勝手はなかなか魅力的なようで。
V-280に切り替えていく流れみたいなんですが、V-22の技術移転して貰えたら嬉しいですよね。
尤も、回転翼機を作るのはなかなか難しいらしいので、技術移転してもらって良いものが出来るのかは、技術者の腕の見せ所なのでしょうが。
横合いから失礼します。
V-280ヴェイラー(バローの方が発音近い?)、UH-60系の胴体にオスプレイの羽根とエンジン付けて、考えられるネガは全部潰した、みたいな機体ですからね。
>技術者の腕の見せ所
そこでマットジャイロですよ!
いや実際、あの形は明らかにX-22を下敷きにしているから、あながち間違いではない……
マットジャイロって何かと思ったら、帰ってきたウルトラマンなんですね。
いやー、日本人って未来に生きていますね(苦笑