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韓国のポーランド武器輸出が暗礁に?

大韓民国ニュース
この記事は約6分で読めます。

最初に、一日空いてしまって申し訳ない。実は少し体調を崩しておりまして。皆様も、季節の変わり目には体調管理、十分ご注意を。

で、本日のお題なんだけど、韓国製戦車輸出の話。順調だっと持っていたけど、どうなっちゃったのかな。

韓国のポーランド武器輸出が暗礁に…国会空転で資金調達に支障

2023.09.27 11:10

過去最大規模の対ポーランド武器輸出が暗礁に乗り上げた。輸出入銀行の法定資本金限度を増やす法案が国会を通過せず、契約が縮小または一部取り消しになる可能性が高まったからだ。政府と防衛産業業界は民間銀行からの資金調達を検討している。

中央日報より

タイトルを見たとき、ポーランド側の資金調達に無理があったのか?と思った。「EUからお金が貰えない」みたいな話があったからね。ところがどうもそうじゃないらしい。

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輸出入銀行法改正案が国会を通らない

戦車などを買って陸軍を強化するポーランド

今回のニュースは、良くわからない話だが、どうやら韓国の国内問題っぽい。

国会によると、尹永碩(ユン・ヨンソク)国民の力議員が代表発議した輸出入銀行法改正案は現在、企画財政委員会に係留中だ。尹議員は7月、輸出入銀行の法定資本金を現行の15兆ウォン(約1兆6500億円)から30兆ウォンに増やす輸出入銀行法改正案を出した。国会企画財政委は先月22日に常任委員会を開いたが、この法律を通過させなかった。

中央日報より

書いてあることを読んでもピンとこないので、1つづつ解説していこう。

先ずは、韓国製品がポーランドに湯種できる運びとなった話。

ウクライナへのロシア軍侵攻が始まって、ウクライナの隣国ポーランドは焦った。武器供給をソ連に頼っていたのに、西側から買うには色々と制約が多い。戦車に限って言えば、ドイツからレオパルト2を買って更新しようとしていたが、ドイツは納品が超遅い。

一方、アメリカからM1エイブラムスを買おうという動きもあるけれど、正直、M1エイブラムスは使えない。弱い訳では無いが、メンテナンスが出来なければ話にならない。そしてそのメンテナンスができるのはアメリカだけ。正直、ポーランドが何をしたいのか良くわからない。

まあ、そんな中、韓国が戦車などを即納してくれるという話だったので、ポーランドはその話に乗った。

第1次契約

そんなわけで、ポーランドへの輸出アイテムは、1次契約がご存知K2戦車180両、K9自走砲212門ってことになっている。

韓国、ポーランドに7800億円規模の戦車・自走砲輸出…後続輸出も期待

登録:2022-08-28 20:16 修正:2022-08-29 06:55

27日、韓国の防衛産業企業である現代ロテムとハンファディフェンスが26日(現地時刻)、ポーランド軍備庁とK2戦車「黒豹(Black Panther)」、K9自走砲を輸出する57億6000万ドル(約7800億円)規模の1次履行契約を締結した。防衛事業庁が明らかにした。今回の契約は、先月27日に現代ロテム、ハンファディフェンス、韓国航空宇宙産業(KAI)など韓国の防衛産業企業がポーランド軍備庁と締結した包括的な合意の性格の輸出総括契約を実際に履行するための最初の後続契約だ。

~~略~~

ポーランド政府は、韓国にK2戦車980両、K9自走砲648門、F50軽攻撃機3個編隊(計48機)を発注する予定だと先月明らかにした。具体的な契約条件によって変わるが、ポーランドが明らかにした総輸入規模は148億ドル(約2兆円)になると韓国の防衛産業界は推算している。

ハンギョレより

で、この1次契約分からして随分と大盤振る舞いをしているポーランドなんだけど、どうやらポーランド、「無い袖は振れない」ということらしい。

つまり、韓国がポーランドにお金を貸し付けて、そのお金で兵器を買うというようなシステムになっているっぽい。

輸出入銀行法改正はポーランド武器輸出契約を終えるための必須先決課題だった。最大50兆ウォン近いポーランド武器輸出のうち約17兆ウォンは昨年末、ポーランド政府と防衛産業企業が締結した1次武器供給事業実行契約に含まれた。その後、輸出入銀行と貿易保険公社が1次輸出契約に対してそれぞれ6兆ウォンずつ計12兆ウォンを支援する金融改革を用意し、ポーランド側と最終協議を進めている。

中央日報より

で、そのお金は韓国の輸出入銀行から引っ張ってくる話になっているらしい。

この輸出入銀行は民間銀行とはちょっと違って、政府が出資している特殊銀行という位置づけの銀行である。日本だと、国際協力銀行という名前で存在しているね。ざっくり説明すると、国際的な貸付や海外プロジェクトへの出資などを行っている銀行である。

2次契約分が出資できない

当然ながら、韓国にも輸出入銀行は存在して、似たような業務をやっている。で、今回はポーランド政府にお金を貸し付けて韓国製の兵器を買ってもらうというような役割を果たしているのだ。

ところが、1次契約に12兆ウォンを支援し、2次契約にはその倍の資金が必要になるんだけど、韓国輸出入銀行の法定出資金は15兆ウォンなので、2次契約には当然足りない。

そのために国会に「法定出資金は30兆ウォンにしようぜ」という改正案を出したんだけど、その改正案が漂流しているよ、という話なんだな。

このままだと2次契約分の出資が出来ず、従ってポーランドとの契約が白紙に戻りかねないという事態を迎えている。

ポーランドは1次と同じく2次契約でも金融支援を要求しているが、輸出入銀行にはすでに支援の余力がない。

中央日報より

正直、ポーランドは武器が欲しかったら金を出せよ!と思うのだが、逆に言えば、韓国製の兵器はこうした支援がないとなかなか手を出しにくいのだろう。コスト的にも安いし、メンテナンスを約束してくれる。ついでにポーランド仕様に改造してくれて、技術もくれるという大盤振る舞いで、「じゃあ喜んで」とポーランドは飛びついたんだけど、金はない。

で、韓国は、じゃあ出資しましょうという話になった。結局、韓国政府にしてみればポーランドを皮切りに韓国製の武器の輸出を進めたいと思惑があって、随分と優遇しているんだけど、この思惑が上手く行かないかもという話なのである。

ポーランド国内でも韓国製に抵抗

あと、ポーランドの国内情勢的にもあまりよろしくない模様。

国防費増加などで財政赤字が膨らんでいるポーランドは、自国内で韓国産でなくポーランド産武器を使用すべきという世論が強まっている。特に来月15日に予定されたポーランド総選挙の結果によっては韓国産武器契約の縮小または取り消しを求める世論が形成される可能性がある。現在、野党がポーランド政府の財政赤字を問題にしているからだ。防衛産業業界の関係者は「金融支援がふさがり、契約締結が何度も延期になれば、契約規模が今の水準で維持されるか不透明」と話した。

中央日報より

ポーランドは国防費を大幅に増やし、足りない部分を赤字国債を出すことで埋めている。

来年国防費、GDP比4%超=ウクライナ侵攻受け―ポーランド

2023-09-06 14:17

ポーランドのドゥダ大統領は5日、2024年の国防費について「1370億ズロチ(約4兆8000億円)となる予定で、国内総生産(GDP)の4%を上回る」と述べた。ポーランド通信(PAP)が報じた。隣国ウクライナにロシアが侵攻したことを受け、ポーランドは今年、国防費をGDP比4%とする方針を示していた。

時事通信より

GDP4%超というなかなかの国防費強化を行っているのだけれど、ソレでも足りないんだよね。

ポーランドはロシアの侵攻開始以来、ウクライナを積極的に支援する一方、ベラルーシに対する警戒も強めている。6月には、米国から供与されることが決まっている366両の主力戦車「エイブラムス」の一部を受領した。米国は8月、ポーランドに対する総額120億ドル(約1兆7700億円)に上るアパッチ攻撃ヘリコプターの売却を承認した。

時事通信より

高価なアメリカ製兵器をバンバン増やす予定になっていて、これがなかなか予算を圧迫しているんだよね。

どうするんだろうなぁ、韓国政府は。このまま話を進めて韓国製の兵器を外国にばらまくことは、果たして韓国の利益につながるのだろうか。

コメント

  1. 砂漠の男 より:

    勢いで二次契約結んだけど、ポーランドに提供するローン枠が足りなかったわけだね。
    契約はあるのに自分のポカでご破算になりかねないとは、韓国あるあるだね。
    今後の拡販のためにも、ポーランドや将来の顧客層の心証を悪化させないように、ここは韓国側が無理を押しても素早く解決すべき話だろうね。
    でも、法律改正って結構時間がかかるんじゃないかな。民間資本を流用するのも検討の余地があるね。

    • 木霊 木霊 より:

      見切り発車しちゃったんでしょうね。
      しかし、ローンでお膳立てしないと買ってもらえないというのは、なかなか世知辛い世の中ですな。
      韓国としては無理を押してでも法案通してしまいたいところですが、野党のほうが勢力が強いので難しい。
      で、民間ローンを使おうとしているんだけど、金利さんがちょっと……。

  2. 河太郎 より:

    こんばんは。

    南小中華「あのポーランドさん、そろそ ろお支払いの方を……」

    ポーランド「金なら払えん!」

    南小中華「いや、それ約束が……」

    ポーランド「お前だって原油代金を踏み倒してるじゃん。あっちに支払ったら、こちらも払ってやるよ????」

    とまぁ、踏み倒すつもりでないすか?
    特大ブーメランか来たちう事で、因果応報ですな。ポーランドも面の皮の厚さはたいがいてはありませんが。どっちもどっちてすなぁ????

    • 木霊 木霊 より:

      こんばんは。
      原油代金の方は支払いの目処が立った(利息を払う積りはないようですが)ので、、まあそちらは不問にするとして。

      ポーランドとしては支払うつもりはあるようですよ。
      ただし当座のお金はない。だから、ローンを組ませてね。と、そういう話だったのだと思います。ところが、約束のローンを用意できなくなったというのが今回の話。まあもっとも、ポーランド側の原資もEUから引っ張るという奴なので、果たして自分で支払う気があるといえるのかどうかはちょっと。

  3. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    ポーランドは、西からも東からも攻められた過去(現在も?)を持つ、悲惨な国ではあります。
    (というか、ドイツとソ連の間にある国は全部そうかも)

    なので、防衛に力を入れるのは凄くよく分かる(というか、本邦は境遇的には似たり寄ったりなのに緊張感がなさ過ぎる)のですが。
    その分卑屈というか二枚舌というか信用出来ないというかない袖は振れないというか。
    EU&NATOの庇護下にはありますが、大事なところで東が根性が抜けてない気がします。
    ※そう簡単に抜けるものでもないでしょうけれど。

    その意味では、韓国とは「化かし合い」で良い勝負、こちらは対岸の火事、高見の見物と行きたい所ですが……ポーランドがロシアに飲まれでもするとやっかいだし、今まさに隣国ウクライナでいろんな意味で矢面に立たざるを得ないし。

    同情できる部分はあるのですが、立ち回りが下手だな、と思ってしまいます。
    まあ、バックボーンの経済力がダンチの日本から見たら、どこ見ても大体そうなりますが……
    ※金がないのは首がないのと同じ……

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      ポーランドはよく言えば強かな国で、かつ案外独裁色は強いんですよね。ここ数年はその傾向が強くなっているとのことですが、そもそも東側の論理で生きてきた国ですから「もともとそうだったのでは」と。
      で、一方の韓国ですが、「分かった上で売ったんだよね」としか。