アホなの?
「ホタテ御殿」が一変、積み上がる在庫 中国禁輸、北米向けにも影響
2023年9月24日 15時00分
東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出に反発し、中国が日本産の水産物の禁輸措置をとって1カ月。現場では、新たな販路開拓や輸出先探しに奔走している。中国で加工された水産物は欧米にも輸出されており、米国も新たな東南アジアの加工施設を仲介するなど、支援を始めた。
朝日新聞より
今回の話は、そもそもが支那の寝言から始まっているのだが、それを真に受けるホタテ業者はどうなの?と思ってしまうね。
日本政府の責任なのか
海洋放出に踏み切った日本政府
岸田氏の成果の1つとして挙げて良いと思うのだが、福島第1原発事故から12年経過して、ストックしている処理水がオーバーフローしそうなタイミングで、ようやく海洋放出に踏み切ることができた。
この話は、菅義偉政権の時に決定した方針だったが、令和3年4月に方針決定をして、実行するまでに2年もの時間を費やしている。
逆に言えば、2年前にはこの方針を決定していたのだから、ある程度のリスクはこの時点で想定できただろう事を意味する。
岸田政権は、この決定を後回しにする選択肢もあったハズだが、そうはしなかった。
過剰に反応した支那
で、この海洋放出するにあたって、日本政府はIAEAの協力を仰ぎ、アメリカやEUとも約束を取り付け、台湾にも働きかけをした。
「国際安全基準に合致」 台湾、放出に理解
2023/8/22 16:14
日本政府が東京電力福島第1原発の処理水を24日から海洋放出すると決めたことを受け、台湾の原子力委員会は22日「日本の放出作業は国際的な安全基準に合致していると考える」と理解を示した。ただ放出期間が長期に及ぶことから今後の放出作業を注視し続けると表明した。
産経新聞より
その結果、ある程度の認知が得られたので、岸田政権は決断したのである。
ところが、支那はこの方針に真っ向から反対したのである。
支那の真意に関しては憶測だけこちらの記事で語っているのだけれど、要は国内の政治が上手くいっていないので、ガス抜きを目論んでのことであると僕は考えている。
これが上手くいったのかどうかといえば、失敗したんじゃないかな。支那国内では塩の買い占め騒ぎが起こったし、魚介類を販売する業者が窮地に陥ってしまった。
中国で海産物避ける動き、塩の売り切れ続出 処理水放出が影響
2023年8月25日8:23 午後
福島第1原子力発電所の処理水の海洋放出が始まったことを受けて、中国では一部の消費者が海産物を避けている。塩を買いだめする動きも見られた。
上海の宝山区にある江陽水産物市場では、24日に管理者が市場を回って日本産の水産物を撤去するよう要請したと2人の業者が明らかにした。
日本産は販売されなくなったが、産地に関係なく全ての海産物が敬遠されるのではないかと一部の業者は懸念している。
ロイターより
実は、支那で海産物を積極的に食べる文化はなくて、支那における水産物の消費は主に淡水に偏っていた。それもそのはず。支那は国土面積に比べて海に接している地域が少なく、草魚、鲢魚、鳙魚、鲤魚、鲫魚など四大家魚と呼ばれる淡水魚が主役だった。
ところが、近年では海からも魚が捕れるという事に気がついてしまい、これが結構美味い。その事を気づかせてしまったのは日本だというから、何とも皮肉な話である。
食用魚介類消費量の増加
言葉で書いても説得力に欠けるので、水産庁のデータを引用しておこう。

青線で示されている日本の魚介類消費量は平成13年頃から減少の一途だが、支那は昭和56年頃から増加の一途を辿っている。

肉類の消費も順調に伸びているが、魚介類の消費も増えている様子が分かる。支那のこういった食文化の変化の傾向を水産庁はこのように分析していた。
一方、中国では、いまだに、都市部と農村部の食生活に大きな違いがあるものとみられています。今後、経済発展が続けば、穀物に頼って生活する農村部にも食生活の変化が及び、魚介類の消費が更に増加することも予想されます。また、現在の中国の魚介類消費量の5割ほどは、手に入りやすい淡水魚ですが、都市部では、高級品である海水魚へと需要がシフトしていく可能性もあります。
1人当たりの消費量の増加に加え、中国の人口は平成42(2030)年頃までは増加を続けるものと予測されていることも、今後しばらくの間の中国の魚介類消費量の増加につながると考えられます。
水産庁のサイトより
水産庁の分析に基づいて、漁師達も商売のやり方をシフトしていった。
平成23年以降右肩上がり
特に大きな影響を受けたのが国産ホタテ貝を取り扱う業者である。
国産ホタテガイは世界各国に輸出され、農林水産物の品目別輸出金額の第1位(2019年:生鮮・冷蔵・冷凍84千トン、447億円、調整食料品12.8千トン、156億円)
近年、中国へのホタテガイの輸出が急増(世界シェア:輸出量約6~8割、輸出金額4~5割)。輸出品の大半は殻付きの冷凍品。国産ホタテガイと同種の蝦夷扇貝の生産量の減少による。一方、EU諸国を含め他国への輸出品の主体は冷凍貝柱で、輸出量や輸出金額はほぼ横ばい。また、韓国等には、冷凍貝柱のほか、生鮮(活)や干し貝柱等の輸出が好調。
水産庁のサイトより
支那では、以前は国内でホタテ貝の生産を行っていたが、今はもうほぼゼロ。ほぼ全量を輸入に頼る状態になっている。

で、その輸入の大半を日本に頼っているとのこと。どうやら、大連沖で取れたホタテは環境破壊や乱獲、環境の激変など複数要因によって絶滅状態になってしまったらしい。
パイナップル騒ぎ
さて、話は変わって台湾の話。実は、台湾では積極的に南国フルーツ、特にパイナップルに力を入れて生産していた。
販売先はもちろん支那だ。ところが、令和3年になって唐突に支那が「輸入禁止」を言い渡した。
台湾パインの対日輸出、中国の輸入禁止で8倍超 農家「日本に感謝」
2023年4月17日 12時00分
中国から2021年に輸入禁止の措置を受けた台湾産パイナップルの日本向け輸出量が、この2年間で8倍以上に急増したことがわかった。台湾の貿易業者らは、蔡英文政権による輸送費への補助により、日本市場での価格競争力が得られた結果と分析している。
朝日新聞より
理由は台湾のパイナップルに害虫がいるから、というものだったが、嫌がらせであったことは間違いない。
実はこれ以前にもフィリピンからバナナを買わないとか、オーストラリアからワインを買わないとか、散々食品に関する輸入禁止をやってきたのが支那である。日本がその対象にならない訳がない。
予兆は既にあったというべきだろう。生産量の9割を支那に輸出するあり方がそもそも歪だったというべきだ。
チャイナリスクは突然に
レアアース騒ぎ
そもそも「日本だけ例外」という感覚がおかしい。
中国、レアアースの対日輸出を禁止、尖閣問題で=報道
2010年9月23日2:45 午後
23日付のニューヨーク・タイムズ紙は、尖閣諸島付近で発生した日本の巡視船と中国の漁船との衝突事件を受けて両国間の緊張が高まるなか、中国が日本へのレアアース輸出を禁止したと報じた。匿名の業界関係者の話としている。
~~略~~
中国はレアアース供給をほぼ独占しており、2009年には世界のレアアースの97%を供給した。中国は今年下半期のレアアース輸出枠を72%削減すると発表しており、世界的な価格高騰につながった。
ロイターより
平成22年には、支那からのレアアース輸入が出来なくなった。支那政府が対日輸出を禁止したからである。
当時レアアースは、磁石などを作る目的で輸入しており、これを止められると日本の産業に致命的なダメージが与えられると予想された。事実、大混乱になったのである。
ただし、その予兆があったのは事実で、日本は国内でのレアアース調達の可能性が模索されていて、実際にリサイクルの推進や代替技術開発、鉱山開発などの国内政策とセットで進めたことで、乗り切った。
とはいえ、未だにレアアースの輸入の一部を支那に依存している実態があって、昨今もまた似たような話が持ち上がっている。
中国、高性能レアアース磁石技術禁輸へ 「中国依存」狙いか
2023/4/5 19:00
中国政府が、ハイテク製品に欠かせない高性能レアアース(希土類)磁石の製造に関する技術の輸出禁止に向けて検討作業を進めている。重要物資である磁石のサプライチェーン(供給網)を中国国内で囲い込む考えとみられる。米国が中国経済のデカップリング(切り離し)を各国に呼び掛ける中、世界のハイテク産業の「中国依存」を高め、対抗する思惑もうかがわれる。
産経新聞より
準備していれば、こうした事態に対応可能だということだね。
食べて応援
さて、ホタテ業者の話に戻ろう。
北海道のホタテ業者は、こういった支那の嫌がらせによって輸出がストップ。在庫の山が築かれてしまった。
北海道ホタテ、中国禁輸で「出荷ほぼ停止」 天井まで在庫の山
2023/9/23 16:10
東京電力福島第1原発処理水の海洋放出をめぐり、中国が日本水産物の輸入を全面停止したあおりを受け、北海道のオホーツク地方では名産ホタテの出荷が停滞。在庫が積み増し、水産加工会社を中心に影響が深刻化している。
~~略~~
人件費や資材費高騰など、今回の禁輸のほかにも経営への影響要因は多く、松島さんは「本当に厳しい。国には具体的な支援策を早く示してほしい」と訴える。
産経新聞より
もちろん、北海道でも様々な努力は続けているようだが、「損害賠償をしてくれ」と政府介入頼みの状況となっているようだ。
産経新聞がアホなことを書いているのかと思ったら、他のメディアも大差ない論調である。意味が分からない。
青森県産ホタテ「食べよう会」 経済団体など消費喚起を確認
2023/09/26 05:00
県産ホタテの消費機運を高めようと、県内の経済団体や漁業、自治体関係者ら約150人でホタテ料理を食べる会が25日、青森市内のホテルで開かれた。
讀賣新聞より
青森がやっている様に、国内でホタテキャンペーンをやって物産展などで売れば結構な物量が捌ける。そうした努力をしていない理由がよく分からない。いや、北海道でもホテルでホタテ料理を出すというようなイベントをやっていたようだね。
だが、国内の消費者に殻付きホタテの魅力が伝わるような売り方をすれば良いのだが、そういった努力はどれだけやられたのだろうか?ホタテ業者は値崩れを嫌って在庫を積み上げているようだが、チャイナリスクを想定せずにこんな状況を招いておいて、「政府が責任をとれ」というのは鼻で嗤ってしまう。
確かに水産庁が水産物の輸出を推進していた実態があって、ホタテはその主力商品として扱われていたのは事実だ。だが、自衛手段を何も講じずにいて、支那が勝手な理屈で「ホタテを買わない」と言ったら、日本政府に文句を言うのは筋違いである。
食べて応援キャンペーンをやれば、結構な数の国民は応援してくれると思う。それをしない理由は、一体何なのだろうね。
コメント
木霊様、皆様、こんばんは
>「損害賠償をしてくれ」と政府介入頼み
政府が悪いこと(正確には法に反する事)したならば「損害賠償」でしょうが、今回の場合、政府に落ち度はないと思います。
「あらさがし」すれば「業者に対する警告が十分でなかった」くらいですが、これで「損害賠償をしてくれ」なんて甘え以外の何物でもない。政府が支援するとしても、販路は自分で開拓しましょう。(ついでに、「損害賠償」は違法行為による損害に対して行うものです。今回、政府に「違法行為」があったのですか??
ちなみに、ウチの近くのスーパーでは「ホタテを食べよう」「おいしい北海道」キャンペーンなんかやっていません。
他の所である方が言ってらしたのですが、
在庫が積み上がっているホタテとは、
HACCPをクリアしていない、そのためのコストを負担せずに中国に売っている物ではないかと。
だから日本の店頭に出てこない(出せない?)のかもしれません。
HACCPクリアしていないというのは、なかなか酷い話ですね。
国内向けはHACCPクリアしているはずですから。
何というか、何故業者はリスクを見なかったんでしょうね。
そこまで凄い儲かったと言うことなのかも知れませんが。
近所でホタテ売ってくれないかなぁ。
別ネタです
韓国で開発中の装甲車KAAV-Ⅱがお約束通りまた水没しました、関係者二名死亡。
情報ありがとうございます。本日のネタとさせて頂きました。
こんにちは。
以下、あくまで、個人的な肌感覚ですが。
北海道は、非常に「革新的」な傾向が強い土地と感じてます。
それは、屯田兵の昔から、開拓と入植に明け暮れてきた歴史がそうさせるのかもと思ってますがそれはそれとして。
なので、これら業者も、果たして「中華資本」「経営者が華僑」「ハニトラでジャブジャブ」etc、どこまで日本の企業と言えるのか?って、最近は勘ぐってます。
少なくとも、チャイナリスクに直面して新たな販路を開拓して自浄努力で難関を乗り切る大雨の経営陣でないことだけは確かですね。
※子供が今シーズン受験なのですが、上手く行ったら、「福島」で「浜焼き」喰いまくりにでも連れて行こうかと思ってます。
北海道が「革新的」ですか。
北海道には何度か訪れましたが、保守か、革新か、ということが分かるような付き合いはなかったので、その感覚はイマイチ理解出来ません。
ですが、チャイナリスクでもお構いなしに取り込んで、売り抜けられなかったということですかね。
紅い大地は困った体質を抱えているのかも知れませんね。
もうずいぶん前になりますが。
仕事で、北海道出張でしばらく会社の独身寮に居た(出張者用に一部が割り当てられてる)のですが。
寮で取ってる新聞が、もう、神奈川新聞なんか目じゃなく真っ赤っかで。
「びっくり!!君の教科書もまっ赤っか!」(@愛國戰隊大日本)
かと思いました。
北海道は凄いですからねぇ…。
何故あんな事になってしまったのか。
北と南は紅く染まりやすい事情があるのでしょう。
儲かってる時に余力を積み上げておくのは事業やってるならば当たり前では。
リスク管理せずにジャブジャブ使ってたの?って話。使うだけ使ってあとはよろしくはどうかと思います。
経営判断に関する事ですから、国は関係ないだろと言いたい。
ホタテ美味いですが、毎日に食いたいとは思わないですからねぇ……買い支える支援するにも限度が……。
大丈夫ですよ。
金額的には、月に1人数百円分使えば十分に支援になるそうです。
その程度の話なので、本当に、キャンペーンやって売ればペイできる話なんですよね。