これは結構問題になりそうですぞ。
Huawei社の最新電話にSKハイニックスチップ搭載?
入力2023.09.07 午後5時18分
SKハイニックスが米国の制裁対象である中国華為の最新スマートフォンに自社メモリ半導体が搭載されたと知られていることと関連して「華為と取引した事実がない」と経緯把握に乗り出した。
NAVERより
韓国政府が乗り出すような問題なんだけど、どうなるかな。
その在庫はどこへ?
ファーウェイのスマホに搭載されるDRAMがSKハイニクス製だった
調べれば直ぐに分かるような話をあっさりやってしまったんだけど、どうするつもりかな。
6日(現地時間)ブルームバーグによるとSKハイニックスのDRAMであるLPDDR5とNANDフラッシュがファーウェイ「メイト60プロ」に搭載された。
NAVERより
独自のチップを搭載するという話だったファーウェイのスマホだが、蓋を開けてみたら……という話。

2023年8月30日に発表された「Mate 60 Pro」だが、それなりの性能のスマホのようだ。

SMICが7nmプロセスでのチップ製造に成功したことを裏付けたということがこの記事には書かれていて、ファーウェイのスマホに5Gは載せられないという話を覆した注目の機体である。
Huawei新スマホ「Mate 60 Pro」は中国製7nmプロセスのチップ。TechInsights分析
2023年9月5日 11:35
半導体分析専業のTechInsightsは、カナダのオタワ研究所でHuaweiが中国国内で発売したスマートフォン「Mate 60 Pro」に搭載されているプロセッサ「Kirin 9000s」を分析したところ、中国のファウンドリSMICで製造された7nmプロセス(N+2)を採用していることが分かったという。
~~略~~
こうした結果は中国の半導体製造技術力の回復と向上を示す一方で、「おそらく現在よりもさらに厳しい制裁が課される可能性がある」ともしている。
PCWatchより
2022年には、アメリカから支那への半導体関連の輸出規制が開始されていて、これが支那の最新半導体事情の悪化を招いていた。
徹底的に遵守
が、どうやら7nmプロセスの衝撃の他にも問題があったというのが、冒頭のニュースである。
SKハイニックス、中国ファーウェイ製品内の自社製半導体巡り調査
2023年9月7日 14:05 JST 更新日時 2023年9月7日 15:18 JST
中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の最新スマートフォン「Mate 60 Pro」に韓国の半導体メーカー、SKハイニックス製のメモリーとフラッシュストレージが使われていることが分かり、同社は調査に着手した。
~~略~~
ブルームバーグ・ニュースの委託を受けた調査会社テックインサイツがMate 60 Proを分解したところ、SKハイニックス製「LPDDR5」および「NAND」フラッシュメモリーが部品として使われていることが分かった。
テックインサイツによれば、部品のほぼ全ては中国のサプライヤーから調達したもので、SKハイニックスのハードウエアは外国製の調達部品として唯一の例外だった。
Bloombergより
「Mate 60 Pro」には、SKハイニックス製のメモリーとフラッシュストレージが搭載されていると、ファーウェイからSKハイニクスに連絡があったらしく、調査したら本当に使われていたことが判明。
ブルームバーグも調査会社に依頼して調べたが、やっぱりそれが確認されたとのこと。
これに関してSKハイニックス関係者は「米国の輸出規制を徹底的に遵守することが当社の方針」とし「ファーウェイと取引した事実がない」と話した。
NAVERより
不思議なことにSKハイニクスは「ファーウェイと取引した事実がない」と否定しているのだが、じゃあ、なんで搭載されているんだという話になる。
在庫の積み上がっていたSKハイニクス
ところで、そのSKハイニクスだが、実は経営状態が宜しくない。
SKハイニックスの営業赤字3180億円 4〜6月
2023年7月26日 13:03
韓国半導体大手SKハイニックスが26日発表した2023年4〜6月期の連結営業損益は2兆8820億ウォン(約3180億円)の赤字(前年同期は4兆1970億ウォンの黒字)だった。赤字額は1〜3月期(3兆4020億ウォン)から改善したものの、3四半期連続で営業赤字となった。
売上高は前年同期比47%減の7兆3060億ウォンだった。前四半期比では44%増で、販売減には歯止めがかかった。代表的なメモリー製品のDRAM出荷価格は前四半期比で5〜10%上昇、NAND型フラッシュメモリーは10%程度下落したという。
日本経済新聞より
赤字が増えて、在庫が大変なことになっている。

全体的にメモリー価格の下落で打撃を受けているのだが、そのお陰で在庫評価損を計上。
韓国SKが引いた「貧乏くじ」 中国半導体工場の増産暗雲
2022年11月28日 2:00
韓国企業による過去最大のM&A(合併・買収)は、事業取得から1年足らずで暗転した。SKハイニックスによる米インテルの中国・大連の半導体工場の買収だ。米政府の規制で中国の半導体工場への投資が許可制となり、SKによる増産投資に黄信号がともる。インテルは歴史的に米政府と近く、SKが「貧乏くじ」を引かされたと見る業界関係者もいる。
日本経済新聞より
実はSKハイニクスは米インテル社の大連工場を買収して、巨額の投資を行っている。その額35兆ウォン。
在庫を抱えている場合ではないのだが……。あれ、その「在庫」は本当に倉庫にあるのかなぁ。
まあ、そのうち分かるんだろうけれど、全世界に「Mate 60 Pro」を出荷できるレベルで製造しているのだ。相当数のメモリが使われていることは容易に想像でき、じゃあどうやって調達したのか?というところは当然の疑問である。
大騒ぎになりそうだね。
コメント
実に、食指を動かされる話です。
SKは背に腹は代えられずと魂を売り渡した(在庫チップを横流しした)のでしょうか。
それとも、ババ(インテルの大連工場)を掴まされた”恨”からの米国への意趣返しなのでしょうか。
韓国は政府も企業も横流しする風土なので不思議には思いませんけど、最後には自分の首を絞めるとは考えないのでしょうか。
本件の今後の展開に期待しています。
いや、在庫を横長した可能性は高いと思っていますよ。
大連工場の件がありますから、「見逃される」と思っているんじゃないでしょうかね。
ですが、流石に今回のコレはダメだと思います。
米国は、ファーウェイのMate60Proに、SKチップより7ナノ幅の麒麟9000sが使われていることを重視し、基幹技術が抜かれたのではないかと疑心暗鬼になっている、とブルームバーグは伝えている。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-09-08/S0MR6HT0G1KW01?srnd=cojp-v2
先ごろ北京での会合で、米商務長官が相手方に基幹技術は開放しないと宣言した矢先なので、米商務省のメンツは丸潰れといったところ。事実がどうであるにせよ、支那商務部はしてやったりとほくそ笑んでいるだろう。
いち早く7ナノメートルの世界の扉を開けて量産体制に持ち込んだというのは、ソレだけインパクトを与えたということでしょう。
使えるかどうかはわかりませんが、少なくとも製品として使えるレベルのものを持ってきた。
ご指摘のように、アメリカ側としてはかなり嫌な事された感じですよね。
果たして支那包囲網は機能しているのか。技術が筒抜けの疑惑も高まっていますよね。
チップ業界は「生き馬の目を抜く」世界なので、木霊さんが指摘するように、
バイデンの”支那包囲網”がザルである可能性を考慮しておくべきでしょう。
TSMCがアリゾナに建設中の4ナノチップ工場は、25年に操業がずれ込むらしい。
原因は技術者不足とか。熊本第1工場は24年末から操業の予定。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3bf6bbc737f66730b0742db250a90142fcc8535b
また、TSMCは独東部にも1.6兆円規模の新工場建設を進めるらしい(テレ東BIZ)。
韓国勢は焦っているでしょうな。
焦りはあるでしょうね。
政治的な締め付けをやっているのに、技術は追い越されてしまう。
そういえば、アメリカとソ連で宇宙開発競争をやっている時にも、アメリカからソ連に技術が流出していたそうで。技術者が何人かソ連に積極的に技術を渡して、バランスを採るようなことをやったとか何とか、そんな噂を聞きました。
それでなくともスパイが技術を盗み出すなんて話は沢山あったようで。
韓国はどう落とし前付けるつもりでしょうかね、これ。
やっぱり、韓国をグループAに戻したのは、失敗だったことが判明?
岸田くんとぱやしきゅんは、ジョーバイデンにどう言い訳するのか?
スワップ協定だけでも棚上げしてほしいとこだが。
グループAにしたのは失敗でしたねぇ。
少なくともSKハイニクスの製品が載っていることは確定ですが、「商売の相手にしていない」という謎の回答。つまり、輸出先の管理がきっちり出来ていないことを意味します。
スワップ協定の棚上げはカードとしては有効でしょうね。
こんにちは。
最悪のタイミングで、最悪の選択をする。
それが「K-クオリティ」。
米国議会における対中強硬派議員に燃料補給しちゃった韓国ちゃんの明日はどっちだ?
確かに、タイミングはかなり宜しくない。
G20でアメリカに釘を刺されたばかり(或いは既に事前情報が入っている段階だったかも知れませんが)、なので、立つ瀬がないとはこのことでしょう。
しかしこれ、知らぬ存ぜずで通すつもりですかね。
こんにちは! BOOKのウンチク公開(恥)
〇SK横流し、については何も知識・情報ありません。 やってそうな気はしますが(笑)
で
〇SMICの7nmチップの話をします。
①別に技術流出じゃないでしょう。
②問題は今後安定して大量生産できるかどうか – ex.サムスン熱熱チップとかインテル10nmとか 低歩留まり死屍累累ですから
③もし安定したら–インテル何追い抜かれとる! というお叱り案件になる
そもそも去年の7月時点でSMICに7nmチップの製造能力があるらしいことは確認されています。
https://gigazine.net/news/20220722-china-smic-chip/
今支那には最先端の製造装置やレジスト禁輸されてるはずなのに何故?
現実には7nmチップ製造に必ずしも最先端(オランダEUV露光機、日本EUVレジスト)は要りません。TSMC,サムスン,インテルとも、最初のアンダー10nm製品には、最初はEUV(波長12nm)を使っていません。
具体的にはArFレーザー光源(波長193nm)を用い光近接効果補正(Optical Proximity Correction:OPC)=位相シフトや液浸NAと言った方法で、本来193nmが加工寸法下限のところを約1/5まで縮小する超絶・先端技術を用い
38nmまで最小加工限界を下げます。
ここから先は超絶・先端技術と言うより「そこまでするか!」の涙ぐましい技術で縮小します。
例えとして適切かわかりませんが「直径1mmのドリル加工で出来た0.5mmのバリ」を大切に活かし、かつ何度も繰り返して 38nm→アンダー10nm? まで加工限界を下げます。【マルチパターニング技術】
動向 https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/semicon/1050027.html
解説 https://semi-journal.jp/basics/process/multi-patterning.html
正直ちょっとわかりにくい
先に https://semi-journal.jp/basics/process/etching.html
見てから
https://eetimes.itmedia.co.jp/ee/articles/1811/06/news029_2.html
問題は涙ぐまし過ぎて歩留まりが上がらない。初めの方の②の死屍累累の原因です。
最先端EUVは波長13.5nmを基本に加工するの。生産性向上ツールです。
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BOOKの個人読み
そうは言っても、まともにEUVを使いこなし高歩留まりに繋げることが出来てるのは現状「TSMCだけ」
理由:サムスン・インテルとも、特にインテルは生産規模に比べEUV露光機の導入台数少なすぎだし、両者とも昨今でも「出来た」といいつつ低歩留まり。
– おしまい –